概要
食用とされるアミガサタケと同じチャワンタケ目だが科は異なる。
シャグマ(赭熊)とは赤みがかった熊の毛色に染めたヤクの毛で、後述の色と形状に見立てて名付けられた。
主に針葉樹林に発生し、傘にあたる部分は黄褐色、または赤褐色の脳状のグロテスクな外見である。
また、「春にしか発生しない」という珍しい特徴も持つが、普通のイラストだと他のキノコと一緒に「秋」の風景で描かれる事が多い。
ヒドラジン類と呼ばれる猛毒を持つ毒キノコで、食べると7~10時間後に嘔吐や激しい下痢、腹痛や痙攣、重症の場合は肝障害、脳浮腫、内臓出血などを起こし死亡する。
なお、ヒドラジンはロケットエンジンの燃料にも使用される化学物質で、かつてはロケット発着場近くで、食べてもいないのにこのキノコの中毒症状が見られたことから同じ物質であることが分かったという。
日本国内ではその外見と毒性から食用にはされていなかったが、フィンランドではコルヴァシエニ(Korvasieni)と呼び、特定の手順で茹でこぼし、毒を分解した上で食材にするという伝統がある。
しかし、毒性が強く蒸気を吸っただけでも中毒を起こす危険性もあるため、興味本位での調理は避けるべきである。
まぁ、日本人も昔からフグやコンニャクといった猛毒食材をどうにかして食べられる様にしてきた歴史があるから、他所の国の事は言えないのだが・・・。
創作での扱い
原因不明の感染症が広がりライフラインが崩壊した世界で、野食に詳しく実践している木野耕一が調達した食材の一つ。
病院に襲撃してきた暴漢たちを、毒の蒸気で脅して退散させたあとに美味しくいただいた。