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アミガサタケ

あみがさたけ

(1) チャワンタケ目アミガサタケ科アミガサタケ属に分類されるキノコ。(2) 一作品中に登場する架空の菌類。
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曖昧さ回避編集

  1. アミガサタケ科アミガサタケ属のキノコ。編笠茸。傘が蜂の巣状という特異な外見であるが、食用になる。※本稿で解説する
  2. SF小説地球の長い午後』に登場する、他の生物に寄生することで高い知能を貸し与える代わりに、栄養を奪いながら自身に都合の良い行動を取らせようとする菌類。表記は「アミガサダケ」。

アミガサタケ(編笠茸)編集

アミガサタケ漢字表記:編笠茸〈※a,b〉、学名Morchella esculenta var. esculenta )は、チャワンタケ目アミガサタケ科アミガサタケ属に分類されるキノコ子嚢菌類のキノコの一種。食用きのこである。


春に林や庭などに発生するキノコで、山火事たき火の跡地を好むという説もある。

子実体(きのこ)の傘にあたる部分は色は淡黄色や黄褐色で卵型、もしくは球形をしているが、特徴的なのは表面が蜂の巣状の窪みの集合体であるところである。

窪みの中は他のキノコの襞のように、子嚢が集まった子実層が形成され胞子が生じる。

その特異な外見は人によってはグロテスクに感じるため、日本国内ではあまり食用にはされてこなかった。


しかし、海外ではイギリスモレル(morel)フランスモリーユ(morille)イタリアモルケッタ(morchetta)ドイツシュパイゼ(Speise)と呼ばれ食用として珍重される。


無味無臭で独特の食感とうまみがあり、生クリームやバターなどと相性がよいためグラタンやシチューに用いられる。


主に自然採取するしかない食材で、1986年にアメリカで屋内栽培の特許が申請されていたものの、その後の追試ではなかなか成功せずに、特定の株のみに有効と結論付けられていたが、2021年になり、デンマークの研究チームが、安定した屋内栽培が可能な方法を発見したと発表したため、今後は品質が良いこのキノコが、一般に流通することが期待されている。


ちなみにヒドラジンという毒が微量含まれるため、加熱処理をおこなう必要があり、生食は避けられている(ただし、加熱しないと中毒する危険があるキノコはこれに限らず多い。例えば食用として広く流通しているシイタケマイタケなどでも非加熱だと中毒することがある)。

さらに飲酒をしながら食べると悪酔いの原因となるといわれている。


なお、外見がのようでさらにグロテスクなシャグマアミガサタケは科が異なり、蒸気を吸っただけでも中毒するほど毒性が強い。フィンランドではよく煮こぼすことで毒抜きして食しているようだが、素人判断で挑んではならない。


創作での扱い編集

原因不明の感染症が広がりライフラインが崩壊した世界で、野食に詳しく実践している木野耕一が、愛するフランス帰りのお嬢様・都田エリを助けるため調達したものの一つ(モリーユ)である。

なおこの作品の原作者は外部リンクの野食ハンター茸本朗氏。


脚注編集

出典編集

※a1 「アミガサタケコトバンク平凡社『改訂新版 世界大百科事典

※a2 「アミガサタケ」 コトバンク > 小学館日本大百科全書(ニッポニカ)』、今関六也

※a3 「アミガサタケ」 コトバンク > 平凡社『百科事典マイペディア』

※b1 「編笠茸」 コトバンク > 小学館『精選版 日本国語大辞典

※b2 「編笠茸」 コトバンク > 小学館『デジタル大辞泉

関連タグ編集

きのこ 毒キノコ 珍味 高級食材

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