概要
第二次大戦後半、海軍が艦上戦闘機として使用していたシーファイアは狭い脚間隔と視界不良で離着艦が難しかったため、1943年に海軍向け戦闘機計画F.2/43が出された。
ホーカー社はこれに空軍向け戦闘機計画F.6/42に基づき開発していた機体(フューリー)を一部改設計して対応し、採用されたのがシーフューリーである。
経歴
1942年、ホーカー社は重くなり過ぎたタイフーンやテンペストでの反省から、小型高性能な戦闘機を目指した開発を開始。機体構造をそれまでの鋼管フレームからモノコック構造へ刷新するなど近代化・軽量化をはかり、エンジンには空冷二重星型18気筒のブリストル・セントーラスを採用した。
1944年、空軍向けのフューリーが初飛行したが、第二次大戦の終戦には間に合わずキャンセルとなる。
1945年、海軍向けのシーフューリーが初飛行し、発注数を大幅に削減されたものの、シーファイアに代わる艦上戦闘機として採用された。
1950年、朝鮮戦争が始まり、シーフューリーは頑丈な機体を生かした対地攻撃機として活躍。MiG-15の撃墜も記録する。
1955年までにはジェット艦上戦闘機に跡を譲り退役した。
性能諸元(戦闘爆撃機型)
全長:10.6m
全高:4.9m
翼幅:11.7m
自重:4,190kg
エンジン:ブリストル・セントーラス空冷二重星型18気筒(53,600cc)×1基
最大出力:2,480馬力
乗員:1名
最大速度:740km/h
航続距離:1,675km(増槽装備)
実用上昇限度:10,900m
武装
機関砲:イスパノMk.5(20mm)×4
翼下パイロンにロケット弾(RP-3×12)か爆弾(最大907kg)を搭載可能