CV:山野井仁
概要
カラグリアでレナの支配の脱却を掲げる抵抗組織「紅の鴉」のリーダーである、ダナ人の男性。
彼が率いる「紅の鴉」がレナから追われているレナ人のシオンの事を聞き、彼女が囚われているレナの装甲車を襲った事が、アルフェンとシオンの出会いのきっかけとなる。
レナの装甲兵とも渡り合える程の戦闘力を持ち合わせており、また高いカリスマ性から「紅の鴉」の構成員から絶大な信頼を得ている。レナの支配からの脱却を悲願としているが、彼自身はレナ人に対する偏見はない。それは「ダナのレナに対する300年の怨讐を、ひとりのレナ人に押し付けるのは筋違い」という持論から来ており、物言いがキツくなりがちなシオンに対しても大人の目線で接し注意している。
先見の明もあり、ただレナ人を全て追い出しただけではカラグリア及びダナの真の解放とは言えないこと、誰かの言いなりになってばかりではそれも奴隷と変わらないという考え方を持つ。これらの考え方はアルフェンに大きな影響を与え、アルフェンの自由の在り方について大きな指針となる。
妻は同じ抵抗組織の一員だったが、病で既に亡くなっている。亡き妻との間に息子のロウがいるが、息子からは反発されており、交流はなくなっている。
外伝作品出演
2023年9月のアライズ2周年記念イベントで参戦。ロウとのクロスオーバー魔鏡を引っ提げての、初のプレイアブル化となる(原作ではNPCの戦闘サポートメンバーで操作できる場面はなかった)。
本作で、紅蓮拳・双打(紅蓮拳の技変化)を新術技として習得。
魔鏡技は、「破壊の一撃・紅」「絶・雷神拳」、ロウとのクロスオーバー魔鏡技で「紅鴉狼・轟雷」。
余談
視野が広く今作でも屈指の人格者であり、口を開けば名言が次々と出てくる為かなり印象に残るキャラクターと言える。
右も左も分からずただ奴隷として虐げられていたアルフェンを真の意味で解放した人物であり、彼に「奴隷とは自らの意志を失った状態である」と教え諭した師でもある。
アルフェンに対しては親身に接するも、彼が自分の頭で考え自らの意志で行動するように諭しており、「オレの奴隷になるなよ」と釘を刺していた。
ある意味で、本作のテーマである「心の黎明」を最初に体現したキャラクターであるといえよう。
年長者枠として正式に加わって欲しかったという声も多かった様子。尤もパーティーキャラとしては紹介されてなかったこと、戦闘には参加するが操作はできない点から途中離脱することは容易に想像できてもいたが。
関連タグ
セルゲイ・スミルノフ:妻の死をきっかけに息子に反発され音信不通になってしまっていた他作品の不器用な父親繋がり。こちらは息子の勘違いと思い込みと親子のすれ違いの果てに和解できぬまま息子に殺害されてしまうというジルファ以上に悲惨な結末を迎える。
ネタバレ
以下に物語のネタバレあり
カラグリアが解放された後、シスロディアの抵抗組織「銀の剣」から派遣されてきたリンウェルの依頼で、アルフェンたちと共にシスロディアに渡る。しかしそこで音信不通となっていた息子のロウと再会、レナの手先となっていた息子の攻撃をただひたすら受け続けて倒れてアルフェンたちとはぐれてしまい、領将ガナベルトに引き渡された。
その後拷問を受けた後、アルフェンたちを誘き出す為に公開処刑される事となる。その様子は首都シスロデンで中継されており、ジルファはシスロデンの住民たちに向かって戦い続けた後悔はないこと、戦いの果てに本当に守りたかったものを守れなかった後悔はあること、そしてどうか悔いのない選択をして欲しいと訴える。
その言葉を聞いていたロウはレナ兵を蹴散らし父ジルファを救出、アルフェンたちも駆けつけて善戦するも、ガナベルトの罠にかかりジルファは毒入りのナイフで刺されてしまう。「銀の剣」の副リーダーであるブレゴンの手引きで追手を振り切って安全な場所まで逃げ延びたが、シオンの必死の治療も虚しくジルファの命の灯は消えようとしており、最期にロウに向かって何かを言いかけるものの、その言葉を伝える事ができないまま息を引き取った。
ガナベルトを倒しシスロディアが解放された後は、ジルファの遺体はブレゴンたち「銀の剣」からカラグリアの「紅の鴉」に引き渡された。生前から妻と同じ弔われ方を望んでいたジルファは、その遺言通り火葬され墓を作られることなくダナの大地へと還っていった(レナの支配下にあるダナ人には墓を作る風習がなく、遺体をレナに奪われないように火葬してダナの大地に還すという風習による)。
ジルファの残した影響は大きく、ロウは勿論のこと、アルフェンももっと沢山の事を学びたかったと思っており、ジルファがアルフェンに伝えたダナとレナに対する持論はその後もアルフェンの大きな標となった。リンウェルも短い間ながらもジルファに亡き父の面影を見ていたようで、ジルファを攻撃するロウに向かって星霊術を放ったのも、星霊術を人前で使うのを忌む気持ちよりも、ジルファに死んで欲しくない気持ちの方が強かったからである。またジルファの最後の演説は、疑心暗鬼になっていたシスロディアの人々の心を氷解させる事に繋がった。
ロウに伝えることができなかった最期の言葉は、あるサブイベントにて判明する。
レイズのジルファは「アルフェン・シオン・リンウェルと共にシスロディアに向かってから、ロウと再会する前」の時間軸から具現化された。見慣れない風景に戸惑いながらもアルフェンたちを探して各地を旅し、やがて故郷カラグリアに似た火山地帯に辿り着くも知り合いは誰1人おらず、孤独を抱きながらも火山地帯に住む人々を助けていた。やがて異常気象にみまわれた為、寒冷地帯に助けを求めに行ったところでアルフェンたちと再会する。
元の世界でまだロウと再会する前の存在であった為、生き別れた息子と再会できたことを喜んでいたが、「紅の鴉」の活動ばかりで妻の死にすら立ち会えなかった自分を息子はまだ怒っていると思い、なかなか声をかけられなかった。一方で未来から来たロウは自分が父をガナベルトに引き渡した為に父を死なせてしまったこと、今の父はその経験をしていない為に謝ることすらできないと思い悩んでいたが、リンウェルに諭され何とか勇気を出すことを決意した。
異常気象が解決した後、ロウは勝手に家を出て心配をかけてしまった事、同時に自分が未来から来ていて父に取り返しのつかない酷いことをしてしまった事を謝罪した。
ジルファは詳細は知らずとも、自分を見て泣いていたリンウェルや、「話したいことがたくさんあった、今は本当にそれが話せるんだな」というアルフェンの言葉、そしてロウの謝罪から元の世界では自分はロウたちの傍にいないことを察し、その上でロウの謝罪の言葉を受け入れ話してくれたことを嬉しく思ったことを伝え、親子は和解した。