概要
エレクトリックギターの一種であり、代表的なものにはギブソン社から発売されているESシリーズ(ES-335,ES-355など)が存在する。芯となる部分をソリッドなものにしており、中空のボディ構造(セミホロウと呼ばれる)が特徴。その他ではエピフォン社から発売されているカジノシリーズをはじめ、フェンダー社からもテレキャスター・シンラインが発売されているほか、同社が発表したスターキャスター(現在はSquireから同盟のモデルが販売されている)やリッケンバッカーなども有名。
セミアコの歴史
1958年、ギブソン社は様々なギターを発表してきた。そのラインナップは以下の通り。
・レスポール・スタンダード(「スタンダード」の名が付加され、サンバーストカラーに仕様変更)
・レスポール・ジュニア(ダブルカッタウェイに仕様変更)
・ES-335(全く新しい楽器としてデビュー)
この年にデビューを飾った主なニューモデルは、現在では「王道」とも言うべきモデルであるが当時の売り上げは振るわず、どのモデルも生産終了を経験している。特にモダーンに至っては限定的に生産されるのみだが、この中で唯一ES-335のみ順調に支持を集め、これまで一度も生産をストップしたことがない。ボディシェイプや仕様ではなく、楽器として全く新しい構造とトーンを持ったギターが生き残ったということになった。ES-335はチャック・ベリー(1926-2017)、エリック・クラプトン(1945-)、ラリー・カールトン(1948-)らが愛用し、ロック/ブルーズ/ジャズのプレイヤーを中心としたヒット作となった。その後、リッケンバッカー社やフェンダーによるテレキャスター・シンラインやスターキャスターなどの参入もある中で、現在でもESシリーズは根強い人気を誇っている。
フルアコースティックギターとの相違点
・カッタウェイの違い
まず、ネックジョイント部にカッタウェイを設けるとハイポジションでのプレイアビリティが上がる反面、ネックを支える部分の剛性が落ちるというデメリットが存在する。シングルカッタウェイならまだ大丈夫だが、完全に空洞のボディ構造を持っているフルアコにダブルカッタウェイを施すのは、当時の技術では強度不足の恐れから好ましくないとされていた。その点、センターブロックを持つセミアコはこの部分での強度を稼ぐことが可能になった。ダブルカッタウェイ化させることで、ハイポジションの弾きやすさが飛躍的に向上。現在ES-335をイメージしたセミアコでは、ほとんどがダブルカッタウェイとなっている。(引用元サイト:外部リンク)
・ブリッジ構造の違い
フルアコースティックギターではブリッジをボディに固定せず、弦自体の張力を利用して位置を安定させている(エピフォン・カジノなど例外は多数)。これは伝統的なヴァイオリンのブリッジ構造に準拠しているものだが、位置を変更することでオクターブ調整ができるという利点があり、また板状のボディトップにブリッジを固定するネジの穴を空けてしまうと強度が不足するという危惧があるためである。テールピースについても同様に、フルアコではヴァイオリンの構造に準拠した、強度に優れるボディエンドで弦の張力を受け止める構造を取っている。一方、ES-335はセンターブロックによりボディの剛性が飛躍的に向上したため、ボディに直接ブリッジをマウントさせることが可能。1954年に開発されたTOM(チューン・O・マチックブリッジ&ストップ・テールピース)は、振動を直接ボディに伝える伝導性があり、また弦高調整/オクターブ調整/張力調整を可能にしたシンプルながら高機能なブリッジとなっている。TOMブリッジが採用されたことにより、ブルーズやロックでのチョーキングを多用したプレイによってブリッジの位置が動いてしまうということがなく、このジャンルでハコモノのギターがストレスなく活用できるようになった。(引用元サイト:外部リンク)
・ボディの厚さ
センターブロックを使用するという関係上、セミアコはフルアコに比べてボディが薄くなる。鳴りを良くするためにボディ厚を稼いでいるが、そこをわざわざセンターブロックで埋めてしまう合理性が無いこと、また仮にそれだけの厚みのあるセンターブロックを挿入してしまうと、本体の重量が増してしまうといったことが根拠となる。(引用元サイト:外部リンク)
代表的なプレイヤー(ここではESシリーズのみ)
・生方真一(ELLEGARDEN、Nothing’s Carved In Stone)
・斉藤和義
・エリック・クラプトン(クリーム時代などに一時的に愛用)
etc......