俺の代わりなんていねぇ
概要
演 - ジェンセン・アクレス 日本語吹替 - 東地宏樹
『ザ・ボーイズ』のシーズン3で登場するスーパーヒーローの1人。本名はベンジャミンで愛称はベン。
セブン結成以前のヴォート・インターナショナルにかつて存在したスーパーヒーローチーム「ペイバック」の元リーダーであり、ホームランダー登場以前の第二次世界大戦やアフガニスタン紛争で英雄的活躍をしたアメリカ初の最も偉大なスーパーヒーローだった。表向きではオハイオ州の事件で原発事故を止めるために自らを犠牲にして散ったとされていた。
しかしその実態はレイシストで女性蔑視が酷く、非常に下品且つ粗暴で日常的に当時のブラック・ノワールを含むペイバックの仲間を虐待しているためにメンバー全員から嫌われている。また「第二次世界大戦でナチスと戦った」というのもヴォートがでっち上げたカバーストーリーである(そもそもヴォート・インターナショナルと言う会社自体が元ナチス関係者が作ったものである)。
過去のヒーロー活動の巻き添えでマザーズミルクの祖父を死なせており、彼にとって怨敵となっている。
非白人や女性でも気骨を認めれば尊重するが、彼の場合はそれがビル・コスビー(性犯罪疑惑により失脚した黒人タレント)、ムジャヒディーン(一部がタリバンとしてアメリカに敵対)、そしてリバティーを名乗ってた頃のストームフロント(実は元ナチス)というザマである。そしてそのリバティーと共に1951年にヒーローガズムというヒーローの乱交パーティを最初に開いた人物でもある。
元々は製鉄所のオーナーの息子であり、虐待は受けずに育っていたが名前を受け継がせないために捨てられてしまい、一族から抹消された。その後父のゴルフ仲間だった軍関係者を頼ってヴォート博士のコンパウンドVの治験に参加し、スーパーパワーを手に入れた。
後に自身の精子から作られたさらに優秀なヒーロー、ホームランダーが産まれたことがきっかけでスタン・エドガーがそろそろ邪魔になってきた彼を表舞台から消すべく、ニカラグアでの作戦においてエドガーの手引きで不満を抱いていた仲間達から裏切られた末にソ連に捕らえられて実験台にされた後に冷凍保存されていた。
この裏切り作戦の実行役がブラック・ノワールだったのだが、その時にソルジャー・ボーイが抵抗とばかりに彼の顔面を燃えた車に押し付けて焼き、更には脳の言語野が損傷する程に頭を盾で殴りつけまくった。これが原因でブラック・ノワールは常にマスクを被るようになり、精神年齢が幼児退行して言葉を話せなくなってしまった。
ソ連での実験の影響によって高レベルの放射線に晒され続けた為に生きた原子炉と化しており、それで得た能力によってエネルギーを胸部から放出して並みの人間は一瞬で白骨化して黒焦げ死体となり、高層ビルを破壊し、能力者でも重傷を負うほどの大爆発を引き起こすことができる。
放射線の影響でこの爆発を浴びた能力者は血中のコンパウンドVが焼き尽くされ、普通の人間に戻ってしまう(ただし、もう一度コンパウンドVを注入すれば元に戻る)。
冷凍保存から解き放たれて以降はザ・ボーイズの面々にペイバックのメンバーに対する復讐に協力させる代わりにホームランダーを殺害することを承諾するが、酷いPTSDに苛まれて酒浸りな挙句マリファナを常用しており、ニューヨークで暴れたり、元仲間のマインドストームに洗脳された神父とシスターを射殺しても意に介さない程精神が病んでおり、更には元仲間TNTツインズ主催のヒーローガズムでは裏切りの真相に激怒してぶっ放したエネルギー放射でTNTツインズを含めた多くの参加者ヒーロー達を虐殺した。
実子であるホームランダーを孫である筈のライアン共々抹殺しようとしたために被害を防ごうとするザ・ボーイズやクイーン・メイヴを敵に回して戦い、結果的に再び冷凍保存される。
ジェン・ブイ
第6話にてケイト・ダンラップの脳内世界に登場。
幼少期のケイトの妄想の彼氏であり、性の目覚めに付随して自身が自慰行為を教えたと言及している。(単刀直入に言うとオカズ)
ケイトの脳内にできた動脈瘤に巻き込まれると現実世界に戻れないことを言及した直後に巻き込まれて消滅した。
彼の台詞からシーズン3で暴走して冷凍保存されて以降はソルジャー・ボーイはロシアのスパイだったというカバーストーリーが流された模様(これは実質ヴォートが彼を切り捨てたと言える証拠)。
余談
- 盾を持ったアメリカの英雄、目覚めた後時代のギャップに困惑するという点から元ネタはだれがどう見てもキャプテン・アメリカでソ連で冷凍保存された、ロシア語の歌で暴走してしまうという設定はウィンターソルジャーを意識したものと思われる。また、赤狩りに参加していたという設定は初期のキャプテン・アメリカのエピソードにも存在しており、後に別人であったという後付け設定がなされたことへのパロディである。
- ケネディ大統領暗殺事件に関わった噂があったり、粗暴な人物像の元ネタは『ウォッチメン』のコメディアンと思われる。
- 息子の元ネタがスーパーマンである事も鑑みれば、名前の元ネタはMARVELとDCの合作『アマルガム』でスーパーマンとキャプテンアメリカを合体させたヒーロー「スーパーソルジャー」の可能性が高い。(或いは前述のウィンターソルジャーを元にした可能性もある)
- ザ・ボーイズ全体がそうではあるが、原作版とドラマ版で設定が非常に異なっており、原作版ではそもそもホームランダーの生物学的な父ではない上にセブンに入るために彼に媚び諂うビビりな人物として描かれている。というのもそれは三代目で以前にも二人ソルジャー・ボーイが存在しており、ニカラグアでの一見などを想定するとモデルになったのは初代であると考えられるが、自身が引き起こした一件でペイバックの仲間も米軍兵士も惨死、自身も真っ二つの状態になり、虫の息の状態でマロリーに手榴弾で殺害されている。
- このような設定になったのは原作者であるガース・エニスがキャプテン・アメリカのキャラクター性を酷く嫌っていたことが原因である。
- 制作が決定したザ・ボーイズのスピンオフ作品でヴォート社誕生を描く「ヴォート・ライジング」では主人公として登場するらしい。