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概要編集

三角線とも言い、線路を三角形に配置することで転車台を使わずに車両の向きを変える事が出来る線路配置。

3方向から線路が集まる地点でデルタ線を建設すると列車の進行方向を変えること無く全方向に直通が可能。

なおデルタ線は日本特有の表現で、英語ではwyeと呼ぶ。


使用例編集

デルタ線は列車を走らせるだけで向きを変えられる。転車台を利用すると1両単位での方向転換が基本で、編成両数が伸びれば伸びる程時間を要してしまう。しかしデルタ線を通し、2回進行方向を変えれば方向転換が完了する。


客車列車時代の特急つばめ、はとは最後尾に展望車を連結していたのとスハ44の座席がボックスシートではなく、1方向固定のクロスシートであった関係から、以下のように方向転換を行っていた。

  1. 大阪駅に到着した列車は向きはそのまま回送列車として福知山線塚口駅まで向かう。
  2. 塚口駅で機回しを行い、展望車側に機関車を連結。そのまま尼崎駅から東海道本線へ入り、塚本駅手前から北方貨物線を経由して宮原操車場に入庫。翌日の運行に備える。
  3. 翌朝、宮原でスハニ側に機関車を連結。北方貨物線を進行して大阪駅へ。

これは宮原操車場へ入る北方貨物線と東海道本線の分岐がデルタ線になっているために出来た技であり、今もこの分岐は残っている。

一方東京側での折返しは以下のように行っていた。

  1. 東京駅到着後、展望車側に機関車を連結し、逆向き編成で発車。
  2. 品川駅から品鶴線に入り、目黒川信号場で山手貨物線へ入り大崎駅へ入る。
  3. 大崎駅では機関車を付け替えず、推進運転で大崎支線へ入り、蛇窪信号場に向かう。
  4. 蛇窪信号場到着後、折り返して品鶴線を品川駅方向に進み、品川客車区に入庫する。

つばめ、はと以外では京都-博多間の特急かもめ、上野-青森間の特急はつかりでもデルタ線を利用した方向転換を行っていた。


このような編成ごとの方向転換は今となっては頻繁に行われていないが、京浜東北線向けのE233系が出場試運転のルートの関係上、そのまま浦和電車区に搬入すると京浜東北線内での所定の向きと逆向きになってしまうため、事前に武蔵野線を利用して方向転換を行った例がある他、近鉄奈良線と大阪線・名古屋線の間で車両を転属させる際に伊勢中川駅構内の連絡線を利用して方向転換を行っている。

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