概要
三畳紀前期に生息していた最古級のカエル。名前はそのまま「三畳紀のカエル」という意味で、現代のカエルの祖先にあたる。
体長は11㎝くらいあり、これはヒキガエル(ガマガエル)にも迫るビッグサイズ。ただし体が大きいというより「胴長だからそれで数字を稼いでいる」ので、現代のカエルよりもややヒョロ長の体型。
またあばら骨があったり背骨の数が圧倒的に多かったり(24個。現代のカエルは種類によるが5~9個)、短いながら尻尾も残っていたりといろいろ原始的。そして足も短いのでジャンプはできなかったらしく、泳ぐのに使っていた模様。
これを例えるならおたまじゃくしから成体になる手前くらいの状態が近いだろう(まあ今のカエルはその時点まで育てばジャンプもできるが)。
しかし頭骨は早くも現代のものと共通する特徴を多く持ち、面構えは現代のカエルにそっくり。また耳の部分に大きな開口部があったため、耳がよかったようだ。
ちなみに「極めて原始的だが頭骨の作りに子孫と共通する特徴が見られる」という点は他のグループの生物にも例があり、グアンロンやディロングとティラノサウルス(歯の断面がD字型)、パキケトゥスと現代のクジラ(耳の骨の構造)などが挙げられる。頭骨は有力な手がかりになるのだ。
分類
両生綱 無尾目(カエル目) プロトバトラクス科 トリアドバトラクス属
現生のカエルとの共通点
・下顎に歯がない
・頭骨は真上から見ると半円形に近く、眼窩は大きい
現生のカエルとの相違点
・尾をもつ
・肋骨をもつ
・椎骨(背骨)が多い
・跳躍ができない
関連イラスト
別名・表記ゆれ
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→現生種のカエルではとりわけ原始的で、古代の名残をとどめる生きた化石。尾はないが、尾を動かす筋肉やあばら骨が残っている。