概要
「モーセ五書」という別名の通り、預言者モーセが書いたと伝承される書物。
トーラーとは「教え」という意味であり「律法」とも訳されるが、戒律だけでなく多様なエピソードも記されている。
『創世記』『出エジプト記』『レビ記』『民数記』『申命記』からなる。
旧約聖書のユダヤ教での名前「タナク(TNK)」のTはトーラーの頭文字である。
モーセが書いたとされるが、同時にそこには神意の介在があり「神の栄光によって書かれた」ともされる。
ユダヤ教とキリスト教以外でもイスラエルの少数派宗教サマリア教が聖典とする。サマリア教徒はトーラーのみを神の書として扱い、旧約聖書の他の部分は聖典としない。
イスラム教ではタウラートといい、ムーサー(モーセ)に与えられた啓典とする。
しかし現在ユダヤ教徒とキリスト教徒に伝わるものは、聖書の他の書同様、本来の形から捻じ曲げられたとするため聖典としては扱わない。