CV(K.I.T.T.):ウィリアム・ダニエルズ / 野島昭生
概要
ナイト財団による正式名称は「Knight Industries Two Thousand」。
多種多彩な特殊機能を持ち、これらを駆使してマイケル・ナイトと共に闘う。
各種機能
分子結合殻
ボディを覆っているのは分子結合殻(Molecular Bonded Shell)で、あらゆる物質よりも硬く、強靭。ボディの黒いカラーは塗装ではなく、この分子結合殻を組み込んでいるため。
この機能により、爆発や衝突、銃撃や砲弾など、ほぼすべての物理的攻撃に対し防御が可能。嫌がらせで車体をぶっけようとするものなら、逆に己の車が半・全損になる。
故に強度は金属で例えれば完全に超合金ニューZと双璧で、酸素溶接やダイヤ鋼のドリル刃等による車体の分解はほぼ不可能で費用と労力と時間の無駄遣いになる。
劇中で、コンクリートの壁を体当たりで突き破ったり、爆発物をトランクや車体下などで処理する事などを行っている。
分子結合の化学式は極秘(A式・B式・C式の3つ)で、ウィルトン・ナイトは信頼のおける三名(内一人はデボン・シャイアー)に、2/3(各々に「A/B」「B/C」「A/C」)ずつを託している。劇中では二度、化学式を盗まれ、一度目はこれを基に巨大トレーラー「ゴライアス」が開発されてしまったり、二度目はこれを無効化する溶液を浴びせかけられた後、装甲車「ジャガーノート」の猛攻により破壊された事がある。
防弾ガラス
車体を覆うガラスは透明金属QQV・透明金属VQか透明金属化にしたスーパー鋼鉄・超合金Z級で、耐水・耐爆性能は言うに及ばず銃器…ピストル・マシンガン・ショットガンに至っては弾丸が貫通しガラスが割れる以前に逆に弾丸が弾き飛ばされ的外れか撃った者に撥ねかえる。特に最至近距離で銃器を発砲する事は、返り討ち…自殺・自滅を意味する。
特殊タイヤ
使用しているタイヤもまた特別な仕様であり、通常の刃物や(まきびしやスパイクのような)障害物は歯が立たない。田舎のガソリンスタンドで、店員がわざとスパイクで穴をあけて修理代をせしめようとした時、逆にスパイクの方が曲がってしまった。
ただし流石にレーザーの直撃までは完全には防げず、あるエピソードでは前輪タイヤにレーザーを直接当てられ、破損し停車。敵を逃がしてしまった事があった。
ナイトフラッシャー
フロント部分に装着されており、赤い光が左右に往復しつつ点灯している。
ノーマルクルーズ
ドライバーが運転する通常運転モード。
オートクルーズ
K.I.T.T.が運転する自動運転モード。
追跡(パースート)モード
ボタン一つでエンジンを強化し、急加速を実現させる。
ターボブースト
自在にジャンプする機能。水平距離15mのジャンプが可能。
ある程度の高さなら、ジャンプ台なしで飛び越えられるほどのジャンプを可能とする機能。また、車体ごと埋められた際には、この機能を用いて脱出する事もあった。
ジャンプの際には、シーズン2で追加された「軌道ガイド」を用いることで、角度を調節する事が可能。
スキーモード
片輪走行モード。
オイルスリック
後部より路上にオイルを散布し、後続車をスリップさせる機能。
スモークリリース
後部より煙幕を放ち、後続車両やヘリなど空中からの追跡者の目をくらませる機能。
グラップリングフック
ノーズの先端より、アンカー付きワイヤーを放つ。沼地からの脱出や、他の車両の牽引などに用いる。
マイクロジャム
電子機器の妨害装置。機械装置の回線をショートさせたり、警報装置を解除したりなどが可能。
マイクロロック
他の車両のハンドルやブレーキ、爆発物のタイマーなどを、こちらから任意で止める事ができる装置。マイクロジャムとは別物。
ウインチ
100kgまでの重量を引っ張る事が可能。グラップリングフックと併用される。
シートイジェクト
運転席及び助手席の乗員を、天井のルーフを開いたうえで射出する脱出装置。射出の力や角度などはK.I.T.T.が調節するため、この射出力を利用してマイケルは、堀を飛び越えたり、建物の天井や屋根に飛び乗るのに用いた。
また状況によっては人間の強制排除も可能で、毒舌なぬいぐるみならいざ知らずK.I.T.T.を奪った悪人も容赦なく吹っ飛ばされる。
特に車体を奪われコンピューター回路をポータブルTVに仮収容された時はマイケルの決死の賭けで動きの制限があった中で唯一使用出来た装備で、天才少年を甘言で騙し使い捨てのカモにした上で助手席にハジキを突き付けていた犯罪組織の手下を吹っ飛ばしマイケルは車体を奪回した。ために、手下は奈落の底へ…。
アナライザー
化学物質分析装置。カセットデッキのように見えるが、内部に調べたいものを入れる事で、成分や原料などが判明する。
分析対象にはある程度の加工も可能で、劇中では難破船の金貨を分析した際、表面に付着したフジツボなどを除去し、きれいな状態にしてマイケルに見せていた。
監視(サーベイランス)モード
半径60m内で発生する、不審な活動を検知する知覚装置。
レーザー
フロントから発射する直接攻撃機能。パワーパックの容量の問題から、発射できる回数に制限があり、極めて少ない回数しか発射できない。対ゴライアス、および対KARR時に使用。あくまでも一時的な機能・装備らしく、普段は搭載していないらしい。
※下記三つの機能は、劇中で赤い殺人カーにより大破した後。修復した際に新たに搭載したもの。
IGP(三次元解析装置)
変装している人物の本当の顔を、CGで再構成しモニターに映し出す装置。初披露時には、デボンの顔を用いて実践していた。
EGM(発電モード)
小さな町1つ分の電力を発生させる機能。
ポリフォニック・シンセサイザー
地球上のあらゆる音を再現する機能。劇中ではこの機能を用い、『多数の警官たちが複数台のパトカーで急行した』という音声を再現し、籠城した悪党に聞かせて混乱させている。
※また、上記で分子結合殻を分解された後に破壊寸前にまで至り、修復された後には、下記の新たな機能が搭載された。
スーパー追跡(パースート)モード
上記の追跡モードの強化版。車体の各部を展開させて、追跡モード時をさらに上回る急加速を行う。
緊急ブレーキシステム
スーパー追跡モード使用時に、ブレーキをかけるための機能。車体各部からエアブレーキを展開させ、即座に停止する事が可能。
コンパーチブルモード
スーパー追跡モード、及び緊急ブレーキシステムを搭載する際に、おまけ的な機能として追加された。天井部を折りたたむ事で、オープンカーにする事が可能。
※これらの他にも、下記のように様々な装置が内蔵されている。これらの中には、劇中に一度しか用いられなかったものも存在している。
- 火炎放射器(車体後部より火炎を放つ。ターボブーストを点火して使用した、応用的な機能らしい)
- レーザー反射板(ドアウィンドウに展開する、レーザーを反射する特殊装甲。KARRとの戦いで、ドアウィンドウを狙って放たれたKARRのレーザーを反射し、逆に致命傷を与えた)
- 水上走行機能(車体底部を改造し、水上を船のように移動できる機能。車体に負担がかかるためか、劇中に一度のみ登場)
- ミサイルポッド(日本で放送当時に発売されたコミカライズにのみ登場。フロント部に内蔵された小型ミサイル発射装置で、上記水上走行機能と併用し、逃走する悪人の船のスクリュー部を破壊した)
K.I.T.T.
ナイト2000に搭載されている超AI。
正式名称「Knight Industries Two Thousand」の頭文字から採られた名称。
運転者(マイケル・ナイト)の奉仕、および人命保護を最優先するようにプログラムされている。運転席のダッシュボードに内蔵された、ボイスインジケーター(※)を用いて、人間と会話する事が可能。会話は機械的ではなく、合成された人工音声を用いて会話される。
ユーモアと人格とを兼ね備え、丁寧な口調で話す(一時的に、砕けた、あるいは乱暴な口調になった事もあった)。その人格は、ウィルトン・ナイトに近いとされている。
クイズを好み、チェスなどのゲームも得意。また、ジョークも口にするが、マイケルにはやや受けが良くない。音楽はクラシックを好むが、マイケルの好みであるロックは苦手。
当初はやや感情に乏しい口調だったが、マイケルとともに成長し、人間のような感情に近いものを持つに至っている。マイケルとも口さがなく会話し、彼が女性に興味を向けると「いつもの悪い癖ですか」などと言ったりするように。
マイケルの方も、当初はK.I.T.T.に拒否感を抱いていた。しかし多くの事件をともに解決していくにつれ、大切な相棒として接するようになった。
(※)ボイスインジケーターは、K.I.T.T.の言葉に合わせて赤い光が点滅するようになっており、視覚的に喋っている事を感じられるようになっている。
初期はただの四角いランプだったが、後のシーズンになって縦三列の小さなフラッシャーに変更・改良されている。
なお、プロトタイプであるK.A.R.R.も同様にボイスインジケーターを装備しているが、こちらは黄色の光で、最初から縦三列のフラッシャー仕様である。その点灯パターンも、K.I.T.T.とは異なっている。
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