概要
ワイバーンの双子の兄であり、同様に「白きもの」という属性次元の狭間に取り残された、生まれつきに弱く短命な無属性爆丸の1体。
妹と同じ白いドラゴン(ワイバーン)型の爆丸であるが、それ以外は性格含めてまるで正反対である。骸骨のような弱々しくも禍々しい雰囲気で、鼻先が左右に分かれ、背中から1本の大きな角が突き出している。
自分達の次元に迷い込んだドラゴとは面識があるが、妹と異なりドラゴを憎悪している。その力は自身を滅ぼすだけだとドラゴに忠告されるも、自分達の「白きもの」の運命を変えるために爆丸の世界「ヴェストロイア」を維持する2つの核、負の「サイレントコア」と正の「インフィニティコア」の力を取り込んで究極爆丸になり、全世界を支配しようと企む。
ある日、次元転送を研究し偶然ヴェストロイアに迷い込んだ人間の科学者でアリスの祖父であるミヒャエル博士と出会い、彼から奪ってきた次元転送カードを使ってポータルを開き、対峙するドラゴを後にしてコアの所へ訪れる。しかしナーガが両コアを掌握しようとしたところで逆にサイレントコアに吸収されてしまい、コアのバランスを崩しヴェストロイアを崩壊させた。その際インフィニティコアが妹のワイバーンに宿り、ドラゴ含めて多くの爆丸が地球に飛ばされてしまい、本編ストーリーの幕開け(喋る爆丸の出現)を引き起こした。
同時にサイレントコアから地球まで漏れ出したマイナスパワーの影響で、ミヒャエルと予想外の人物からそれぞれ悪の別人格HAL-Gとマスカレードを誕生させたことも後に判明した。コアに囚われるナーガは彼らを利用し、ワイバーンとインフィニティコアを探し求めている。
実はミヒャエルと出会う前に一度ヴェストロイアの中心に強行突入しようとした結果コアを震わせて次元を揺らいでしまったことがあり、これが本編ストーリー前に多くの爆丸がカードと共に地球に飛ばされ、マイナスパワーの影響で(地球の子供に単なるバトル玩具と思われる)無知性のバトル狂いになった原因であることも後に判明した。
なお、序盤から本来の姿のまま終盤まで囚われる都合で、重要キャラクター爆丸であるにもかかわらず、劇中ではこの形態の球体姿が見られなかった。
サイレント・ナーガ
物語終盤にサイレントコアを取り込んで「サイレント・ナーガ」(Silent Naga) へ進化。弱々しかった翼は巨大化して放射状に広がり、胸の中央に埋まったサイレントコアから血管のような脈が体の至る所まで伸びる。
次元の崩壊によりヴェストロイアと人間界が融合し始め、人間界が爆丸でも本来の姿で活動できるほど異変した所でワイバーンを狙って大勢の爆丸と共に地球へと進軍。HAL-Gの計画でワイバーンの所に辿り着き、彼女の球体化を止めてインフィニティコアを渡すように強要した。
しかしワイバーンは自らの命を引き換えに、インフィニティコアをドラゴに託し「インフィニティ・ドラゴノイド」へ進化させた。一度はHAL-Gの繰り出したパラディンの加勢で、インフィニティコアを奪われる寸前までドラゴを追い詰めるも、最後はインフィニティコアとバトルブローラーズの仲間の助力を得たドラゴに撃退された。
その結果ナーガは消滅され、サイレントコアはドラゴの体でインフィニティコアと融合しパーフェクトコアとなった。ドラゴが自ら新たなコアになることで、ヴェストロイアが本来の姿「ワンダーレボリューション」に戻り、地球での異変も直った。
それ以降は回想を除き一切登場しないが、2期ではたまにその悪行を言及され、前述の行いが(後付けで)地球だけでなく、2期の主舞台の1つである異世界・ヴェスターにも爆丸カードを降臨させることも判明した。
手下
HAL-G(ハル・ゲー)
コア崩壊の日にマイナスパワーの影響でミヒャエル博士から生まれた別人格。マスカレードからDr. HAL-G(ドクター・ハル・ゲー)とも呼ばれる。鼻と耳が尖り紫髪緑肌の怪しげな老人で、壁や影から現れるなど人間離れな外見と能力を持つ。
終盤ではミヒャエルを装いアリス達を騙してナーガをワイバーンに近づけ、杖から5体の専用爆丸「パラディン」を繰り出してナーガを加勢し、ダンとドラゴを窮地まで追い詰めたが、ドラゴから放った最後の一撃でナーガと共に人格を消滅され、元のミヒャエルに戻った。
マスカレード
コア崩壊の日にマイナスパワーの影響である人物から生まれた別人格。HAL-Gと異なり正常の人間姿を保った青い仮面の金髪少年。爆丸ランキング1位に君臨する強力な闇属性バトラーで、敗北した相手の爆丸を「デス次元」へと葬るデスバトルを行う。色んなバトラーをデスバトルに誘い込みバトルブローラーズを挑んだ。
詳細は該当記事参照。
門番
終盤の崩壊したヴェストロイアから生まれた、2種類の属性を持つ新種の爆丸達(某携帯獣で言うところの複合タイプと言ったところか)。なお、外見はそれぞれ片方の属性に偏っている。
本来生まれてはいけない存在であり、ドロア曰くナーガが自分達でも居られる世界を作ってくれると信じるためその指示に従っている。
ほとんどの場面では同じ複合属性同士で2人1組に行動し、強力なアビリティでバトルブローラーズを苦しめた。ヴェストロイアではそれぞれの複合次元の門番としてバトルブローラーズの進路を阻止し、ナーガの地球侵攻のための時間稼ぎをした。地球での最終決戦では次々とバトルブローラーズとその仲間に敗れ、改心して離反するシャイアとドロア以外の4体が消滅された。
球体姿は劇中に披露されず、イラスト含めて商品などにも存在しないため不明(海外では何故かシルティスのモンスター姿がフィギュア化されたが)。
水と風属性でできた氷原のような複合次元生まれの爆丸。バトルブローラーズが初めて遭遇した門番であり、最初は単一属性と思われる見た目でブローラーズを油断させた。
光と土属性でできた地下荒原のような複合次元生まれの爆丸。他の門番と異なりバトルブローラーズを友好的に接していた。
火と闇属性でできた火山地帯のような複合次元生まれの爆丸。門番の中でも特に強力らしく、バトルブローラーズと爆丸上位ランクメンバー総動員ですら苦戦した。
余談
- 『爆丸バトルブローラーズ』シリーズの中で唯一、特定のバトラーに所持されず自ら主導権を握るラスボス爆丸である(バトルでは仕様上HAL-Gが彼のバトラーになるが、HAL-Gもあくまで彼に従う手下に過ぎない)。
- 無属性であるにもかかわらず、コアの性質の影響か劇中のスキャン画面では闇属性に表示される(ワイバーンも同じように光属性に表示される)。
- 玩具(進化前の球体)はワイバーンと同様日本では光属性、海外では各属性と複合属性(ナーガは土+光)バージョンが発売されたが、ワイバーンと異なり劇中を意識したような無属性バージョン「White Naga」が存在し、アニメと同名のビデオゲーム「Bakugan Battle Brawlers」(2009年発売)に付属していた。
- 初代ドラゴノイドと似て、劇中の生物的な本来の姿には見当たらないメカニックな造形が球体に随所見られる。
- 劇中では一度も披露しなかった進化前の球体姿は玩具化され、逆に劇中では披露したサイレント・ナーガの球体姿は玩具化されていないという珍妙な商品化具合の爆丸である。
- 英語版は媒体によって最期を「デス次元送り」とされるが、劇中では特に描写されず、デス次元が重要な舞台になる4期第2クールでもその事を全く言及されないため、英語版媒体でたまにある誤記・誤解釈である可能性が高い。
- 名前の由来はおそらくインド神話の蛇神「ナーガ」で、一見してモチーフが嚙み合わないが、地域によっては竜だったり、そしてマレー語の「naga」は「ドラゴン」の意味である。