ハイドライド3
はいどらいどすりー
全ての災厄の元となったエビルクリスタルが砕けた後、
再びフェアリーランドは平和を取り戻し、長い月日が流れた。
歴史を重ねるうちに王国は発展を遂げ、人々は街を広げ、豊かな生活を謳歌していた。
次第に魔法は生活に溶け込んでいき、妖精たちの姿も見られなくなっていき、
フェアリーランドも人間の世界のようになっていった。
だが、そんなある夜に、
地響きとともに巨大な火柱がフェアリーランドに立ち昇り、
その翌日から各地に不思議な現象が起きるようになり
不思議な扉、地割れ、怪物たちが現れた。
修道僧たちは、この原因の究明を一人の青年に命じた。
T&Eソフトから1987年から1988年にかけてPC-8801mkIISR、X1turbo、MSX、MSX2用ゲームとして発売されたハイドライドシリーズの3作目。
副題は「THE SPACE MEMORIES(異次元の思い出)」。
主人公の職業は「戦士」「強盗」「僧侶」「修道士」の4種類から選ぶ。
隠し要素としてキャラメイクにおいて、低確率でステータス等に優れる「怪物」を選ぶことができるが、最終局面で大きなペナルティを受けてしまう。
前作が「Ⅱ」だったのに「3」なのは、制作者が続編は作らないと言っていたから、また各作品ともパラレルワールドの関係であるからともいわれている。
謎めいたフェアリーランドの異変から始まり、200階建てのハーベルの塔や、失われた宮殿、中盤以降に明らかになる事実により宇宙空間、異次元世界までを冒険する普通のファンタジーではない独特な世界観とストーリーが驚きをもって支持された。
また、グラフィックやサウンドは前作より強化され、当時学生アルバイトのプログラマーであったという冨田茂による音楽の評価も高い。
しかし、前作に引き続きアクションロールプレイングゲームなのだが、
- 武器や道具、そしてお金にまで重さの概念があり、筋力が弱い低レベルのうちは持てる量などに大きな制限がある。
- 時間の概念があり、夜になったら寝ないと疲労により能力が低下していく。
- 食料を必要数買っておき、決まった時間に食べないと体力が下がり続け餓死する。
など本作独自のある意味リアルだが難解なシステムが導入されている。
PCゲームとしてはかなり移植に恵まれた作品で、家庭用ゲーム機ではファミリーコンピュータでナムコから『ハイドライド3闇からの訪問者』、メガドライブでアスミックから『スーパーハイドライド』という名前で発売されている。