バイオレンスレイク
ばいおれんすれいく
2008年に公開されたイギリス映画で、原題は「Eden Lake」。主人公カップルが旅行先で地元の不良少年たちに襲われるスリラー映画である。映画「悪魔のいけにえ」の悪役が不良少年に変わったみたいな作品。
「救いのない鬱映画」「後味が悪い最低の映画」と言われる所以は、主人公カップルに嫌がらせをする不良グループの行き過ぎた悪行(特にリーダー格の少年は遊び感覚でまったく悪気を感じていない)、主人公カップルに対する理不尽極まりない状況、土地勘を知っている不良グループがひたすら優位に立ち続ける展開、不可抗力とはいえ少年を一人殺したことに罪悪感を感じつつも必死に生き延びたヒロインに救いのない悲惨な結末を与えたこと、さらに諸悪の根源である不良グループのリーダーは何の報いも受けないという、見た後に強烈なトラウマや後味の悪さを視聴者に与えていることだろう。
映画「悪魔のいけにえ」がましに思えるレベルの鬱映画だが、あまりに不条理すぎて傑作と認めたくない傑作という見方もある。
予告編を見るだけでも、この映画のインパクトがわかると思われる。
ジェニー
演:ケリー・ライリー
ヒロイン。序盤の甘いシーンから一転、非常識なブレッドと意地を張った恋人スティーブが原因で地獄のような悲惨な目にあい、それでも必死に生き延びたが、最後は悲痛な絶叫を上げながら理不尽に殺されてしまうという、救いのない悲劇のヒロイン。
スティーヴ
演:マイケル・ファスベンダー
恋人ジェニーにキャンプでのプロポーズを計画したがゆえに、ブレッドたち不良たちに因縁をつけられて、拷問にあい、命を落とす。身も蓋もないことを言えば変に意地を張らず、タイヤをパンクさせられた時点でさっさと帰っていればよかったのに…と大半の視聴者が思ったことであろう。
ブレッド
演:ジャック・オコンネル
不良グループのリーダー。ブレッドたちについて話をしているのを聞いたダイナーのウエイトレスが複雑な顔をしていたことから、彼らの悪行や悪い評判は知れ渡っている様子。だが、ブレッドの行き過ぎた悪行は、彼の親にもかなり問題があると思われる。…そういう面を考慮しても、ブレッドたちの行為はヘイトを集めても集めきれないほど許されない行動だったが。
ラストのネタバレ注意
恋人スティーヴと美しい湖畔のリゾートに出かけたヒロイン・ジェニーが、地元の不良少年少女5人組と出会い、迷惑行為を受ける。だが、スティーヴが注意したことで、彼らは反省するどころか因縁をつけられ、車のタイヤをパンクさせられる。
スティーヴはパンクを直して、あてつけのように居座り続ける。だが、今度は車を盗まれ、あまりの無法ぶりに恐れたスティーヴは少年たちに返してくれるように訴え、その最中にナイフを出した少年と争ううちにとびかかってきた犬を刺してしまう。その犬は不良少年のリーダー格・ブレッドの飼い犬で、そのことにキレたブレッドの少年の命令で、スティーヴとジェニーは、彼らに追いかけられたうえに捕まり拷問される。
拷問を受けて重傷を負ったスティーヴを連れてジェニーは逃亡するが、スティーヴは逃亡中に死亡。ジェニーは単身反撃を開始して、不可抗力もあったが、ブレッド以外の少年たちを殺害する。
森から逃げたジェニーは近くの民家でパーティーをしていた住人たちに助けを求めるが、彼らはブレッドたちの両親たちであり、その家はブレッドの家だった。帰ってきたブレッドの「他所の町から来た女に仲間が殺された」という嘘を信じて、ブレッドの父親たちは「警察はいらない。俺たちで始末をつける」とジェニーを痛めつけて、地下室に連れていき殺害した。