概要
テレビアニメ『学校の怪談』の第6話『扉を裂く悪魔の手 惨劇の夜』に登場したお化け。ババサレは同作品中において、お茶の間の子供たちに対して最も恐怖をばら撒いたお化けと言える。要するに・・・・・・みんなのトラウマである。
他にも、ジワジワと恐怖を与えるお化け(メリーさん、踏切の幽霊等々)も数多く、それらもトラウマを与えるに値する存在だが、飛び切り心臓に悪い脅かし方をしたのは、恐らくババサレがトップクラスに入ると思われる。
容貌
その姿は、痩せこけた頬に細長い顔つき、ボサボサに伸びた白髪、赤色の眼等山姥に近いイメージであろう。さらには黒いフード付きのボロボロな衣を身に纏い、片手には鋭い鎌を握りしめているなど、死神を模しているとも言える。つまりは、山姥と死神を重ね合わせた様なもの、と言った方が早いかもしれない。
その容貌だけで十分に怖い・・・・・・。
活動目的
恐怖に付け込み、恐怖に陥れることを目的として活動している模様。特に餌食にされやすいのは、恐怖心を抱きやすい子供であるのは言わずとも明らかである。この点、ある意味では天邪鬼と似ていると言える。
手口
その登場は非常にインパクトが強く、一人夜中にテレビを見ていた子供の自宅に現れると、突如として停電し真っ暗になり、直後にインターホンではなく手で直接ドアを叩く。それにビックリしてドアを開けてしまうと・・・・・・出て来た子供の目の前に突如現れて鎌を振り下ろすのだ。不気味に薄く暗く無先色に光る外灯、それに照らされる鎌を持って待ち受けるババサレという、冒頭からこの有様であるかして、この回を見ていた多くの視聴者に強烈なトラウマを与えている。
しかも、ババサレは巧妙な手口を使うことができ、誘き出すために声色を変えることさえあった。
1.停電させて暗くする(暗闇で不安を感じさせる)
2.物凄い力でドアを叩く(不安と恐怖心を煽る)
3.呼びかけられても答えない(不安と恐怖心を増大させる)
4-1.ドアを開けた瞬間に真正面に現れる(恐怖の絶頂点)
4-2.或は油断させて引き返しかけた所を背後から現れる(安堵からの恐怖再絶頂)
5.恐怖の絶頂に至った子供に鎌を振り下ろす(恐怖のあまり気絶する)
・・・・・・という概ねの手順であるからして、子供が恐怖を抱くのは無理もない話であろう。
なお、襲われた子供は気絶し、意識を回復した後も恐怖に怯えたまま喋ることもできないなど、とても深い恐怖を植え付けられたことが窺える。
霊眠方法
霊眠方法は『ババサレ』を3回唱えるだけ。
しかし、裏山の開発工事の影響で霊眠場所が破壊されてしまい、作中では事実上の野放し状態にあると言える。弱点というものは特にない。誤解されがちだが、熱湯などの熱いものが苦手であるような描写があるものの、これはあくまでも、さつき達の「熱いものに弱い」と信じ込みによるものである。
対応策として「恐怖心を持たない」ことの一言に尽きる。要するに、ババサレは恐怖心に付け込んで襲ってくるお化けだからだ。対象者が恐怖心を持たない、或は根っからお化けの存在を信じていない大人に対してはババサレ自身が見えない。見えなければ恐怖を感じる事もない。
だが、一見簡単なようで難しい。一度恐怖心を植えつけられれば、それを払しょくするのは至難の業と言える。そう・・・・・・この回でトラウマ化した視聴者たちは、まさにババサレの格好のターゲットなのだ
経歴
一度は宮ノ下佳也子に霊眠されたものの、土地開発の影響で霊眠場所が破壊されてしまったが故に、現代に復活してしまう。冒頭から、夜分遅くに留守番している少年を遅った。それだけでなく、別の自宅では少女を一端玄関前に誘き出すが、一端安心させて家の中に戻ろうとしたところで、後ろから襲い掛かる等、子供たちを手玉に取ってみせた。
その後、柿木レオのマンション自宅にも出現。不審に思ったレオがドアを開けた瞬間に隙間から鎌を差し込んでドアチェーンを引きちぎる。この時点で、レオは霊眠方法を知っていたために実行したが、裏山の結界が破壊されていたために無効であった。
命辛々逃げ出したレオを追って、やがてはさつきの自宅に出現。一度は入り口前で侵入を拒まれてしまうが、丁度隣である青山ハジメの家で、一人ゲームをしていた宮ノ下敬一郎に矛先を向けた。さつきの声真似をして誘い込もうとしたが、ハジメとさつきが先回りして敬一郎を保護した為、失敗する。
再びさつきの自宅に迫り、果ては天窓を突き破って侵入。さつき達を追い回した。さつきが偶々ひっくり返した熱々のカレーを、ババサレが浴びた時に、身体が半透明になってしまうことから、お湯が弱点と勘違いした。
(ただこれについては、さつきが「ババサレはお湯が苦手」と見当をつける前の事だったので、もしかしたら本当に苦手としてる可能性はある)
ハジメとレオが見事な連携を見せ、ババサレは頭から風呂場の湯の中に放り込まれ、溶けてしまった・・・・・・と見せかけて、安堵したさつき達の目の前に再び現れる。もっとも、これはカーヤこと天邪鬼が余計な一言を放って恐怖心を芽生えさせてしまったことが原因と考えられる。
だが鎌を振り下ろす直前に、帰宅してきた父親の宮ノ下礼一郎と、途中で会った恋ヶ窪桃子のお蔭で、ババサレは姿を消した。結局、ババサレは霊眠されぬままであった。しかも最後のシーンまで気を抜かさぬ徹底ぶりの演出だった。
なお、カレーを浴びて悶えた描写についてはさつきが「ババサレはお湯が苦手」と見当をつける前だったので、もしかしたら本当にお湯を苦手としている可能性はある。(天邪鬼もキッパリとは否定していないので)
あるいは、お湯ではなくカレー自体ないしカレーに含まれた成分(特に塩)が、かもしれないが。
似た作品
子供の恐怖心を題材にしたものとして、アメリカで公開された映画『IT(イット)/それが見えたら終わり』がある。
こちらは、ピエロに扮したペニー・ワイズという存在が、子供だけをターゲットに襲うというもので、大人たちには全く信じてもらえないというもので、このババサレにも通じる部分が多い。
YouTubeチャンネルエモル図書館で【戦慄】絶対に開けてはいけないドア。雪山のロッジに現れた...あの世からの訪問者。という動画が投稿されている。ババサレという名前は出ていないが、「話を聞いた人物の元を訪れる」、「ターゲットの知人の声になりすましてドアを開けさせようとする」、「ドアを開けたターゲットの首を切断する」、「切り落としたターゲットの生首を持ち帰る」、「凶器は鎌を使用している」など共通点が多い。
モデルになった話
同名の怪談「ばばされ」がモデル。書籍によっては「うばよされ」、「バーサル」、「バーサレ」、「バーニシャル」(講談社刊「ゲゲゲの鬼太郎遊BOOK」ではこの表記)という名称で語られる。
深夜の住宅に来訪するババアの妖怪で、来訪した家の人間を連れ去ったり、出会った物を鎌や怪光を放つ魔眼で殺す妖怪とされる。「バーニシャル」の場合は雨の降りしきる深夜に山間の村に出現するとされる。
もし出会ってしまったら「ばばされ」と三回唱えると助かるという(地方によっては表記ゆれと同じ呪文を唱えればいいとも)。
類話として「カマババ」があり、こちらも住宅に来訪し、ドアを開けた人間を斬り殺す。なお、チェーンを付けておくと大丈夫という妖怪にしては物理法則に干渉されすぎでは?という抜けた一面を持つ(ポプラ社「学校の怪談大事典」より)。