バージニア級原子力潜水艦
ばーじにあくらすさぶまりん
本記事は、原子力潜水艦について扱う。冷戦期のミサイル巡洋艦については、バージニア級原子力ミサイル巡洋艦を参照のこと。
バージニア級(Virginia-class)は、アメリカ海軍の攻撃型原子力潜水艦(SSN)。米英語の発音からヴァージニア級とも表記される。ロサンゼルス級原子力潜水艦の後継にあたる潜水艦であり、一番艦は2004年就役。艦名には基本的に州名がつけられているが、31番艦以降は水棲動物の名前になる予定。
ロサンゼルス級は非常に多くの艦が建造されたため、これを更新するために、本級ではコスト削減が求められた。そこで民生品の採用を進め、安価かつ十分な性能を発揮できるようにした。信頼性の問題については、船体ブロックのモジュール化を進め、これを簡単に交換できるようになっている。このほか、主機関として採用されたS9G加圧水型原子炉においては、燃料棒の寿命を艦寿命と同等のものに変更し、燃料棒交換を不要とすることでコストを削減することに成功した。非貫通型潜望鏡の採用など、技術の進歩を感じられるところもある。コスト削減の影響は性能にも及んでおり、船体強度は落とされ、潜航深度はシーウルフ級原子力潜水艦に比べて落ちている。
武装については、シーウルフ級の8本より減らされ、4本の魚雷発射管を備えている。弾薬庫の容量は38発であるが、トマホーク用のVLSを12発分備えており、合計ではシーウルフ級と同等である。
ただ、沿岸海域の戦闘や、特殊部隊の運用能力なども重視した結果、結局のところロサンゼルス級以上の価格になってしまった。ロス級に比べできることも多いが、コストパフォーマンスがお値段相応となったのは残念なところ。しかしシーウルフ級のごとくバカ高い、ということもないので、かなり大量に調達される予定である。
2019年2月2日、アメリカ海軍のバージニア級原子力攻撃潜水艦「サウスダコタ」(SSN-790)が就役(「サウスダコタ」は17隻目のバージニア級原子力潜水艦)。