概要
パサッサッもしくはパサトサト(Pasatsat)とは、フィリピンに住むパンパンガ族に伝承される幽霊の一種。
その姿は葦で編んだバニグ(banig)という、現地で敷き布団として用いられるゴザのような敷物で身体を巻かれている遺体であり、村落から離れた森の小道などに現れては徘徊して人の行く手を遮るのだという。
なぜこのような姿をしているかというと、日本統治下であった太平洋戦争中においては、現地では死者を入れる棺を用意する余裕がなかったために、この幽霊の姿で埋葬するしかなかったからである。
もし遭遇してしまったら、刃物や竹槍で突き刺すことで消し去ることができるとされるが、巻かれたバニグが開かれるとそこには遺体はなく、腐敗臭だけがその場に残されるといわれる。