概要
イギリスの小説家アーサー・マッケンが1894年に発表した『パンの大神』(原題:The Great God Pan)に登場する神性。
古代より連綿として続く「魔」の存在を題材とし、直接的ではないにせよ性的要素がほのめかされ、当時議論を巻き起こした問題作である。
また本作ではケルト神話の神ノーデンス(ノドンス)についての碑文が登場し、これが旧神ノーデンスのイメージ源になったとも言われる。
作中において「パンの大神」という名で仄めかされる何者か、或いは何物かの正体は示されていない。
「ある種の根源的な精神」と表現され、普段は知覚できないものの、簡単な脳手術によって交感できる。
人間の精神を研究する医師により、ある少女が実験台となる。彼女は覚醒してすぐに発狂して廃人となってしまうが、死ぬ前に一人の女児を産み落とした。
父親が定かではないその女児はヘレンと名づけられて里子に出されるが、成長するにつれて奇妙な美しさを獲得し、関わる者すべてに破滅をもたらすようになる……。
TRPG向けのデータブック『マレウス・モンストルム』において、パンの大神はシュブ=ニグラスの男性神としての化身、横溢な豊穣の象徴であると設定された。
サテュロスの美少年の姿をとり、パンパイプを吹くことで自然や動植物を操る能力を持つ。また人間の姿を持ち、この形態ではSAN値チェックが入る事はない。イケメンなので。
外的なダメージを与える事は可能だが、限界まで傷つけた場合には真の姿が顕現され、死か狂気かの二択となる。
具体的にはSAN値チェックにおいて成功で1d100、失敗で即死(ロスト)という規格外の扱いである。