概要
SEGAより、2006年8月31日にPC並びにPS2で展開を開始したMORPG。
本作の舞台であるグラール太陽系を脅かす存在「SEED」に立ち向かう主人公たちの物語が展開される。
日本では発売当初から「サーバーに繋がらない」などの不具合が続出し、クソゲー扱いも受けたものの、キャラクタークリエイトは好評であり、日本に遅れて発売された北米では大ヒットを記録。「ファンタシースターオンライン2」稼働開始に伴い、2012/9/27を以ってサービスを終了した。
タグとしては略称のPSUの方が普及している。
過去作との関係
発売タイミング上本作はファンタシースターオンラインの続編と取られがちであるが、
ストーリー的な直接のつながりはない。
しかし過去のイベントでPSOのキャラクターであるアッシュ、スゥ、ルピカ、キリーク、モンタギュー博士などが登場。
また服装や武器にもPSOに登場したものがあり過去作へのファンサービスは多少なりともある。
本来はPSOの方では無く、ファンタシースターシリーズとしての後継作として作成していた様だが、シナリオは芳しく無いのでファンタシースター本編のファンからは拒絶されがち。
登場キャラクター
詳細はPSUNPC一覧を参照。
キャラクタークリエイト
顔の微妙な輪郭の変化や体系が細かく設定でき、そのキャラクタークリエイトは今日に至っても高い評価を得ている。
そのためバラエティに富んだ思い思いの自キャライラストが投稿されている。
ファンタシースターポータブル2の発表、発売を受けて最近はこのファンタシースターポータブル2のキャラクター達のイラストが頻繁に投稿されており、賑わいを見せている。
こちらではキャラクタークリエイトもアップデートされており、ビーストのキャラでも普通の人間の様な顔にする事が可能となっている。
コスチュームについては、PSU衣装タグ一覧を参照。
種族
選択出来る種族としては4種族いる。
また、旧作品と違いキャストでもテクニックを使用する事が可能となっている。
(これは今作品が武器に設定されたPPを使用してスキルやテクニックを発動させる物だからと思われる)
ヒューマン
平均的な人間タイプであり、前衛後衛を勤められるタイプ。
ニューマン、ビースト、キャスト等を作り出した『祖』とも言える種族であるが、他種族に対し劣悪な環境を押し付けたりした為、過去には種族間戦争が何度も起こっている。
ニューマン
テクニックが得意なタイプだが、その分肉体は脆弱。
ヒューマンが自らの優勢種を作り出そうとして生まれた種族で、思考、記憶力や反応速度の向上は達成できた物の、肉体的には脆弱になってしまった。
この知能による劣等感と、肉体的脆弱に対する優越からヒューマンから迫害を受け(自分たちで作っておいて)500年に渡る種族間戦争が行われた。
人当たりが良い反面、裏では排他的と言う二面性を持った人物が多い。
ビースト
PSU初出の種族。
肉体が頑強であり、「ナノブラスト」と言う特殊能力で一定時間変身が可能。
過酷な環境下での労働力確保のためにヒューマンにより作られた種族。
ほぼ奴隷同然の扱いであったが、通商取引を通じて独自の地位を確立し、ヒューマンの支配体制から脱却した。
情に厚いが感情的な者が多く、カッとなって犯罪を犯したりする者が多い他、家族や仲間と認めた相手には非常に義理堅い。
変身中は肉体の能力が向上する…が、ゲーム中の仕様により変身中は属性関係の適用が一切無くなってしまうので、序盤以外はあまり使い道がない。(ダメージも下がる他、防御も素になる為)
また、女性のナノブラストはモーションが非常に扱い辛い為、全体的にDPSが下がってしまう。
キャスト
機械で出来た肉体を持つ前衛向きの種族。
テクニックの扱いは不得手だが、扱えないと言う程では無い。
元は労働用マシンとして作られたが、その支配から脱却する為、500年の種族間戦争を通して現在の支配階層である。
自身を優等種であると位置付ける者が多く、他者を見下す者が多く、合理的な判断を優先する為、被害が広範に及ぶ作戦を躊躇なく行うが、中には他種族に友好的な者もいない訳では無い。
反面、統括者であるマザーブレインが乗っ取られると暴走を起こす等の欠点もある。
「SUVウェポンシステム」と言う一時的に巨大兵器を呼び出す事が出来る。
癖のある物もあるが、非常に強力な物も多く、発動中は無敵になる他、エリア全体に効果が及ぶ物も多いので非常に強力。
中には、敵全体に強力な攻撃をばら撒きつつ、高確率で凍結(行動不能)にさせる物もある。
余談
- 「全てのRPGを過去にする」と大々的に銘打ったものの、全体的に良い出来とは言えず、結果としては失笑ネタとなってしまった。後年、大々的に発表したシン・クロニクルでも「真のRPG」と銘打ったために炎上した際にPSUのキャッチコピーを思い起こした人も多い。
- なお誤解される事があるが、オンラインゲーム専用では無いオフラインの通常シナリオモード(EP1)があり、オマケとしてオンラインゲーム要素があると言った形である。(ただし、PC版はオンライン接続の必要がある他、サービス終了の現在、PSUのEP1を知るにはPS2版でしか見る事が出来ない。)なお、EP2からはオンラインモード専用で展開され、主役もプレイヤーキャラとなるが、扱いはほぼ背景である。
- 後に追加パッケージとして販売された「イルミナスの野望」からは、オンライン専用となり、EP3が展開される事になった他、多くの武器種も追加された。
- 実はクローズドβ中は意見や要望を募るフォーラムが設立されていた。様々な意見が交わされていた物の、そう言う物に参加するのは当時はハードゲーマーが多かったのか、難易度や仕様の緩和意見に対する反対意見(ヌルゲーにするな、的な)が多かった。しかし、それらの部分は発売後は不評な部分としてあげられている。(主に武器製作の時間や、武器強化の失敗時のリスクなど)
- ゲームサービス開始初期に大規模なオンライン障害を起こした。ログインしてもすぐに切断されたり、中には違う人が作ったキャラクターに容姿が変わっていた等。これは先行して配布していた体験版から出荷数に対し20%程のプレイ人数を見込んでいた為であったが、PSOはオンラインゲームであると言う認識のユーザーが多く大量の人がログインを行った為であったとされる。以降サーバー状況や様々な対応はとられた物の解決までには10月末日、安定してプレイ出来るようになるには更に時間を要した。この時出たエラー番号が、当時メジャーで活躍していたイチローの背番号である「51」だった為「イチローオンライン」と呼ばれていた。(当然の事ながら、イチロー本人には何一つ関係はない。)
- 上記サーバーが安定しない状況の最中にプロデューサーである見吉隆夫氏がブログを更新。ゲームに関する現状説明かと思ったらバランスボールを買った事の報告だった為炎上した。バランスボールの記事
- シナリオも全体的に突発的だったり、ぐだぐだだったりとかなりの低評価でネタにされている物が多い。特にヒロインの片割れが死亡するシーンは語り草。色々とうまい具合にシナリオを回収するのに結果としてはファンタシースターポータブル2までかかっている。
- イルミナスの野望からプレイヤーがエディットしたキャラクターが主人公となったが、事件の中心にいたとは言えず、ひたすらのけ者扱い。特に重要な会話からは遠ざけられていた。これらの置物扱いやエンディングの「And You」等に皮肉を込めて、「これは俺たちじゃ無くて安藤優って奴の事を言ってるんだ」となり、ムービーのデフォルトキャラを「安藤」と呼ぶようになった。
- 「英雄は一人じゃない」と言うのがキャッチフレーズであったが、プレイヤーキャラが全く活躍しない為、プレイヤー間では「英雄はお前じゃない」と皮肉られる事に。
- 流石に上記の事を気にしたのか、プレイヤーキャラ主体のシナリオ等にシフトした物の、急に持ち上げられたりするシナリオの為、不自然さは拭えなかった。また、何故かヒロイン枠(プレイヤーと行動を共にする女性キャラ)が度々地雷化するのは良くネタになる。
- イルミナスの野望から実装されたメインストーリーは選択によってマルチに進み、貰えるNPCのフレンドカード等が変化するようになっていた。ただ、それでは取れないキャラもいると言う事で違うルートを選び直す事で全NPCのカードを取れるようになっている。
- 実装されるメインストーリーの最後には次回予告の様な演出が入っていた。これはプレイヤー間で話題としてあげて欲しいと言う意図があった者の、上記の様なストーリーなので余り話題にはされず、空回り感があり、寒いと言う意見もあった。以後別のゲームでも度々自社ゲームでは次回予告的な物を差し挟むが、話題になった事は無い。(ファンタシースターイドラやシン・クロニクル等)
- エネミーやボスの中には連続して無敵行動を行ったり、遠くに移動して遠距離攻撃連打、ダウン中もダメージを受け続ける突進、大量の雑魚が全員即死攻撃持ち、延々と空を飛び続けると言った行動を取っていた物も多かった。その為、最終的には「殺るか殺られるか」と言った形で、プレイヤー間でも火力全振り特化となっていった。
- アップデートはアンロック方式な為、ディスクに入っているデータが全てであった。この為、追加のアップデートには追加ディスク「イルミナスの野望」まで待ち続ける必要があった。これはPS2のHDDアダプターが使えなかった為で、新規の大量のデータをやり取りする事が出来なかった。特に後年PC版が発売された後はPC版限定の衣装や武器等が追加されていった。これらの武器をPS2版のプレイヤーに渡すと完全に別の武器に書き換わってしまう仕様があった。(元の持ち主に返しても元には戻らない)
- HDDアダプターが使用出来ない理由は不明だが、当時あった噂としては「PSOをSONYのゲームハードで販売しなかった事の報復措置※」として語られたり、「採算コストが合わないと判断された」や、「追加で1万以上かかる追加費用をユーザーに負担させるのをSEGA側が避けた」等があるが、真相は不明である。(※PSOはドリームキャストの他、XBOXやゲームキューブ、PC版で販売された物の、PS系ハードでは販売されていない。真偽は不明だが、PS2のメモリ容量に不足がある為と言われている。)
- フローダーと呼ばれる水上バイクや、ストライカーと呼ばれる戦車、ルンガと呼ばれる原生生物に乗る事が出来たが、殆どはオフラインモードのEP1に出てくる位だった。唯一フローダーはイベントで登場し、道中パーティーメンバーと共に駆ける事が出来、評判も良かった為、他の乗り物にもオンラインで乗る機会が無かったのは残念である。
- 初期のPVでは、別の技同士の1段目と2段目を繋げている様なアクションをしていたりする為、開発上では色々な事が出来るはずだったのでは、と言う推測が散見されていた。
- 上記の様々な事件や、良いとは言えないバランス、アンロック方式のアップデート等が要因でKOTYの2006年度の大賞を受賞している。ただし、当時のKOTYは割とノリで決めていたので、後年選考された物とは違い、プレイやクリアが出来ないと言った事は無い上、致命的なバグは無い。以後、詳しい説明はこちらに。ゲームカタログ
- 一応、追加ディスクのイルミナスの野望で、色々な面はマシになったが、バランスの他根本的な問題の解決には至らなかった。
- 世界設定はかなり練り込まれており、それぞれの星で言語感を変えたりしている辺りは評価する人も多い。反面、この言葉が何を意味するのか?と言う部分はわかり辛くもある為、一長一短である。(例を上げれば、「コヌパダリ」と聞いても何の武器か一瞬でわからない等)
- 上記の世界設定で生まれた言葉は「ヨウメイ語」「テノラ語」と言う様にネタとして愛される一面もあった。例えば、ハンバーガーをテノラ風にしたら「ハンバッガ」になり、ヨウメイ風なら「ハヌバガダリ」になるなど。
- ファンタシースターの生みの親である中裕司が関わった最後のファンタシースターである。(チーフプロデューサー)