「あの子たち全員、徴無しだよ?ちょっと趣味じゃないね」
概要
護翼軍第五師団四位武官。物語開始時点では三十八番浮遊島ライエル市に駐屯。
堕鬼種(インプ)の『徴無し』の17歳の青年。
上司に被甲人の一等武官(第五師団総団長)、同僚に蛇尾種の四位武官と黒甲徴種の三位武官、部下に狼徴人のポートリック上等兵、猫徴種のタルマリート上等兵、そして護翼軍に入ってからの友人である鷹翼種のナックス・セルゼル上等兵がいる。
三十八番浮遊島が獣によって侵された三十九番浮遊島に接近しているところ、これに対処すべく派遣されたティアット・シバ・イグナレオら四人の妖精兵(上等兵相当)の監督を命じられるところから物語は始まる。
人物
真面目で誠実で好人物な眼鏡の四位武官
……とは表の顔で、裏の顔は(人をだますので有名な)堕鬼種らしく意地悪で性悪で根性悪な一面がありつつも、その本性が隠しきれていなかったりする。しかし本心を押し殺している時は表の顔だけが完璧に演じられる。
また、嘘つきの癖に根は正直であり、決して悪人ではないという側面も持つ。ティアットが正直なのに頑固で根性曲がりと言われているところと対をなす。
格闘戦では筋力よりも策略を以てして勝利を収めるが、いろいろと搦め手を好みはするが、本気の勝負手はいつも正攻法、という癖を持つ。
実務においては有能で、上司の一位武官からはひそかに「自分が引退するまでにこの世界と護翼軍が残っていたら、椅子を譲る相手はおまえさん」と思われていた。
ティアットとは上記の相反する性格のせいでよくケンカするが、はたから見ると「諍っているようでもあり、睦み合っているようでもあり、仲が良いのか悪いのか、傍から見てもまったくわからん」状況。
徴無しの癖に徴無しは趣味ではないらしく、好みは猫徴種。
一応堕鬼種の瞳の力を使って他者に暗示をかけることができるが、上手くいくかは条件次第というレベル。
好物はドーナツ。
関連イラスト
別名・表記ゆれ
関連タグ
終末なにしてますか?もう一度だけ、会えますか? ティアット・シバ・イグナレオ
ラキシュ・ニクス・セニオリス パニバル・ノク・カテナ コロン・リン・プルガトリオ
この記事のカテゴリ
キャラクター・人名 イラスト 小説 作品名 イベント ゲーム セリフ
以下、ネタバレ注意
「僕は決めたよ、妖精兵。大義とか大陸群の未来とか、そんなものはもう、どうでもいい。種族総出で美談を演出したいっていうなら、守られるべきじゃない連中まで守ろうっていうなら、君たちはすべて、僕の敵だ」
「君たちの、邪魔をしてやる」
経歴
十三番浮遊島群エルピス集商国の富裕層出身。姉にオデット・グンダカール、義兄にエルピス集商国国防軍軍団長(副軍団長?)ガイウス・グンダカールがいる。
十歳の頃に、政略結婚の相手としてマルグリット・メディシスをあてがわれるも、まんざらでもなかった様子。
十二歳の頃、義兄が浮遊大陸群に獣の脅威という現実を認識してもらうために、そして護翼軍だけが獣との戦いを担わなくてもいいように、とある計画を発案する。それをスポンサーである商人と空軍の一部が勝手に変更した挙句に引き起こされたのが、終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?五巻におけるコリナディルーチェの戦いである。その結果として義兄は計画の責任全てを被せられ、公開処刑される。その光景を見ていたフェオドールは、誰か・何かのために命を捧げる「美談」を忌み嫌うようになる。
また、この頃起きた暴動で許嫁のマルグリットとも生き別れ、挙句に十三番浮遊島は<広く包み込む五番目の獣>に飲み込まれ、フェオドールは家族も許嫁も故郷も -そして形あるもの以上の何かを- 失うこととなる。
その後、護翼軍の持つ対獣秘密兵器とは何かを調べるために護翼軍に入り込むも、それが自分の監督下に置かれているティアットたちだと知って怒りのようないら立ちのような黒々とした感情を抱き、ティアットの自爆による獣対処を妨げる。
「リンゴ」と「マシュマロ」と仮名をつけられる発生直後の妖精二人のお守りも任されるが、とある事件に巻き込まれリンゴが開門、その場にいたラキシュが持てる力全てを以てして マシュマロとフェオドールを救ったことで人格崩壊を来す。
そのショックを必死で隠しているうちにラキシュの体にエルバ・アフェ・ムルスムアウレアが転生し、コロンを襲った後に脱走。その際にフェオドールと鉢合わせになり、フェオドールは彼女に「君は、僕の、友人、だ……!」と瞳の力を使って暗示をかけ、匿う。
エルバを匿った一件について上司に秘かに疑いの目を向けられたフェオドールだったが、護翼軍のとある秘密を見てしまったために投獄される。しかし変装したエルバと情報屋でもあるナックスに助けられて脱獄、ティアットと一戦交えた後に逃避行を始める。
彼は、果たして最後までティアットの邪魔をできるのだろうか。妖精兵を兵器にしようとするもの全部を相手に、戦いは続く。
「それを……フェオドールに、教えたのね?」
「ええ、もちろん。死にたくなかったら、早くラキシュちゃんを殺しなさい……って。あの子自身のことなんだから、あの子自身がやるべきだと思ったし」
堕鬼種の瞳の力
堕鬼種の力とはただただ暗示をかけて惑わすというものではない。
その根幹は「自身と相手の心の欠片を交換する」「自分と相手との心の境界を突き崩し、混ぜ合わせる」というものである。
小規模で使ううちはまだ安全だが、交換する心の量が大きくなると五感や記憶が混ざり合い始め、感情や思考の境界があいまいになる。幻覚や幻聴を覚えたら末期とされ、死に至る。
フェオドールの姉、オデットも情報収集のために瞳の力を使ったが、対象は例外なく殺している。そして彼女はフェオドールに告げる。命が惜しければ、ラキシュ(エルバ)を殺せ、と。