序幕
その物語は、ある冒険家の手紙という形で、
後世に伝わっている。
極寒の北極海を進んでいた彼は、
ある男と出会う。
憔悴し、死にかけていた彼は、
自分は科学者だと語った。
「私は恐ろしいものを作ってしまった。
私はおぞましいものを作ってしまった」
神に懺悔するように、その男は語った。
男の名はヴィクター…
ヴィクター・フランケンシュタインといった。
その物語の題名は、「フランケンシュタイン」…
そして、「あるいは現代のプロメテウス」――
ストーリー
討伐隊員募集
開幕:とある想区を訪れた一行は、街の中に立てられた、領主からの御触書を見つける。そこには「吸血鬼の討伐隊員求む」と書かれていた。一行はカオステラーの手がかりを求めるべく、領主の城に向かう。
終幕:城にたどり着き、集まった吸血鬼ハンターたちとともに、領主であるヴォルデンベルグ男爵に会う一行。領主の許嫁ローラが吸血鬼にさらわれてしまい、その救出のため、討伐隊員が募集されたのだ。一行は、サヴァン・ギールら吸血鬼ハンターとともに、ローラをさらった女吸血鬼カーミラの討伐隊に加わる。
いざカルスタイン城へ!
開幕:女吸血鬼カーミラの居城、カルスタイン城に向かう一行。昼間は近づけないため、あえて不利となる夜に向かう。カーミラがカオステラーではないかと疑う一行。そんな中、パーンは不思議な胸騒ぎを覚えていた。
終幕:一行がカルスタイン城に向かっていたその頃、城では、カーミラと、彼女がさらったといわれている少女ローラが、怪しげな会話を交わしていた。
少女ローラ
開幕:カルスタイン城に到着した、一行と吸血鬼ハンターたち。しかし、ハンターたちはカーミラに瞬殺されてしまう。現れたカーミラは、カオステラーとは言い難い振る舞いであったが、一行がローラのことを口にした瞬間、態度が豹変。一行に敵意を向ける。やむなく、一行はカーミラと戦う。
終幕:カーミラに勝利した一行。現れたローラは、なぜかパーンを「運命の人」と言って慕う。困惑する一行に、カーミラは語る。討伐隊を組織した男爵はニセモノである、と。一行は真相を明らかにすべく、男爵の城へと戻ることにした。
男爵の陰謀
開幕:領主の城に戻り、ヴォルデンベルグ男爵の偽りを暴く一行とカーミラたち。男爵の正体は、“プロメテウス”の仲間であった。ヘカテーに命じ、ヴィランを差し向ける男爵。一行は、迫るヴィランたちと戦う。
終幕:ヴィランたちを撃破した一行。この想区は“フランケンシュタイン”の想区であり、倒したヴィランたちは、“怪物”になれなかった、失敗作の人造人間であった。憤る一行だったが、男爵は意に介さず、あざ笑うように、サヴァン・ギールとカーミラを殺害する。エレナは、男爵の手から逃れるため、リ・ページを発動させる。
オリオンの名を持つ男
開幕:リ・ページが発動し、エレナは自分の中で、モリガンと対話する。彼女より、男爵がオリオンと呼ばれていること、そしてパーンがカオステラーであることを聞かされる。オリオンとは、モリガンが支配していたフォルテム教団の頃のコードネームで、彼はモリガンではなく、今はプロメテウスの中にいる「お月さま」直属の配下だとわかる。一行は、ローラを保護すべく、カルスタイン城に向かう。
怪物”と呼ばれた男
終幕:カルスタイン城への途上、エレナは、自分の中でのモリガンとの会話を思い出す。パーンはかつて、フランケンシュタインの“怪物”であり、自分の生みの親を殺し、想区を滅ぼし、『空白の書』の持ち主に自分の運命を押し付け、フォルテムに潜り込んだと教えられる。その事実を受け入れられないエレナは、パーンに問いただす事もできず、ただ心をすり減らす。
ヤツの名はヴィクター
開幕:カルスタイン城に到着した一行が、カーミラに事情を話している最中、吸血鬼ハンターたちが現れてしまう。が、再びカーミラに瞬殺される。だが、現れたのは彼らだけではなかった。奇声を上げて、ローラを奪い返そうと現れたのは、この想区の主役である、ヴィクター・フランケンシュタイン博士であった。
終幕:フランケンシュタイン博士に勝利した一行。そこで、あらためて「フランケンシュタイン」の物語の説明を行う。その結果、ローラは、フランケンシュタインの“怪物”が求める、本来なら処分されるはずだった「“怪物”の花嫁」であることがあきらかになった。
キーワード捜索
開幕:次にどこに向かうべきかわからず、迷う一行。その時、ローラの口ずさんだ、詩の一節に、フランケンシュタインが激しく反応する。男爵と、自分を裏切った助手に「ある物」を悪用させまいと、彼は己の記憶に封印を施していた。男爵は、フランケンシュタインとローラを手にしようと、ヴィランたちを送り込む。一行は、フランケンシュタインとローラを守るため、ヴィランたちと戦う。
終幕:ヴィランを撃退した一行。フランケンシュタイン博士だけが知っているという、「パラケルススの写本」を、男爵に渡さないために、一行は、次なる記憶の封印を解くキーワードを知る者がいるという、寒村に向かう。
咎人の告白
終幕:寒村へと向かう道の途中、パーンは、仲間たちに、自分の過去を語る。それは、エレナがモリガンから聞いたとおり、かつてカオステラーであったという話だった。だが、パーンは、どれだけ蔑まれても、心まで“怪物”になることを拒絶したがゆえに、カオステラーとなったのだとわかる。わだかまりが解けた一行は、再び、道を歩き出す。
寒村の戦い
開幕:寒村にたどり着いた一行。その前に、男爵に送り込まれたヘカテーが立ちはだかる。彼女のわずかな言動から、シェインは、「エレナが男爵にとって、驚異となるものを持っているのでは?」と、推測する。ヘカテーのけしかけたヴィランと、一行は戦う。
終幕:ヴィランに勝利した一行。シェインは、まさに「鬼」気迫る迫力でヘカテーを尋問するが、妹を思うティムは彼女を逃がす。渋々ながら彼女を見逃したシェインは、気を取り直し、一行に村の探索を行うよう告げる。
悪夢からの逃避
開幕:村の探索をする一行は、目的のキーワードを託されたと思われる、「盲目の老人」に出会う。対話の末、老人が託されたというキーワードを聞き出すことに成功するが、フランケンシュタインが記憶を取り戻す前に、戻ってきたヘカテーの繰り出す、人造人間ヴィランが、村を襲う。
終幕:ヘカテーの操る、人造人間ヴィランに勝利した一行。記憶を取り戻したフランケンシュタインは、彼らに、今すぐこの想区から逃げるように叫ぶ。だが、その意味を知る前に、またしても現れる男爵。ヘカテーの奏でる、カオステラーすら操る、“混沌の笛”の前に、パーンは正気を失い、アリシアを殺めようとする。絶望の状況の中、エレナは、窮地を脱するべく、再びリ・ページを発動させる。
“魔女”の決断
開幕:二度目のリ・ページを発動させたエレナ。自分の心の中で再びモリガンと対面する。エレナは、自分の心が侵食される危険を冒してでも、仲間たちを守るべく、モリガンから情報を聞き出す。そして、一行は、幸い体の損傷も含め、巻き戻っており、再びカルスタイン城を目指そうとするが、エレナはそれをとどめる。
博士の異常な感情
開幕:モリガンからの情報を元に、フランケンシュタインの研究所を訪れた一行。だが、その前に、人造人間が現れ、行く手を阻む。一行は、人造人間たちと戦う。
終幕:人造人間たちを退けた一行。そこに現れたのは、フランケンシュタインだった。リ・ページ発動後、彼は記憶を失っているはずであった。しかし、一行を迎え入れ、二つ目のキーワードで思い出した内容を彼は語る。それは、今一行の目の前にいるフランケンシュタインの体は、誰か別の人間のものということだった。
カオステラーの可能性
開幕:フランケンシュタインは語る。男爵と、自分を裏切った助手は、「完全な人間」を作り出そうとしている。そしてそれは同時に、この想区に“怪物”役の存在がいないことを意味していた。このままではパーンは再び操られてしまう可能性すらあった。自らの死を望むパーンであったが、アリシアやティムたちが必死に説得を行い、過去と向き合う覚悟を決める。それを見たフランケンシュタインは、一行の意を汲み、最後のキーワードを知る者の元へいざなう。
裁判官失踪ス
終幕:フランケンシュタインがキーワードを託した、第三の人物は、街の裁判所の裁判官であった。だが、彼はもちまえの強すぎる正義感のせいで、裁判所を退職してしまっていた。フランケンシュタインは名前以外知らず、手がかりなしかと思われたが、その男の名は、吸血鬼ハンターのサヴァン・ギールだった。一行は大急ぎで、サヴァン・ギールが向かっているカルスタイン城に向かう。
二度あることは三度ある
終幕:カルスタイン城にたどり着いた一行。カーミラと交渉し、サヴァン・ギールの身柄を引き取る。だが、サヴァン・ギールの知るフランケンシュタインは、元の体の頃であったため、「本人にしか話せない」とキーワードの開示を拒まれてしまう。すったもんだの間に、再び鳴り響く“混沌の笛”の音。またしてもパーンは操られ、サヴァン・ギール、ローラ、そしてフランケンシュタインは連れ去られる。一行はモリガンからの情報を元に、もう一つの研究所に向かうことにする。
合言葉は…
開幕:一行は、もう一つの研究所、森の中の屋敷の近くにたどり着く。警戒厳重な屋敷は、忍び込むのは難しかったため、一行が囮となり、コウモリに変身できるカーミラに人質救出を託すこととなる。
終幕:森の中の屋敷の牢獄で尋問を受けるサヴァン・ギールたち。しかし、一行の襲来を知り、ヘカテーは迎撃準備に移り、ローラはパーンに別の場所に移送される。彼らがさった後、現れるカーミラ。彼女との会話の中、キーワードを知る手がかりが見つかる。明かされた最後のキーワードで、フランケンシュタインは全ての真相を思い出す。彼は、「自分はフランケンシュタインではない」という真実を語るのだった。
真っ白なページ
開幕:森の中の屋敷に突入した一行。要塞並みの戦力を誇る屋敷内で、ヴィランたちとの激闘を繰り広げる。そこに現れるヘカテー。彼女が引き連れてきたのは、カオステラー級の力を持つヴィランたち。“混沌の笛”の力で操られるようになったヴィランと、一行は戦う。
終幕:ヘカテーの操るヴィランに勝利した一行。しかし、今度はその場に現れたパーンを操り、一行に襲いかからせようとする。だが、パーンは初めから笛の呪縛を受けてはいなかった。男爵たちの裏をかくため、操られたフリをしていたのだ。窮地に立たされ、その場から逃げ出すヘカテー。彼女の後を追い、一行は走る。
ある科学者の真実
開幕:ヘカテーの後を追って、屋敷の地下にある実験場にたどり着いた一行。そこは、禍々しい姿をした人造人間たちの培養槽が並ぶ、邪教の神殿のような空間だった。その奥にいる謎の男が、人造人間たちを、一行に襲いかからせる。
終幕:培養槽に浮かぶ謎の男は、一行に真実を語る。一行が今までフランケンシュタインだと思っていた男こそ、フランケンシュタインの体に無理やり魂を移された、古の大錬金術師パラケルススだった。そして、彼を裏切った助手こそがフランケンシュタインであり、自分の作った“怪物”の体に魂を移した、培養槽に浮かぶ男、カオス・フランケンシュタインだったのだ。
完全な人間
開幕:ついに正体を現した、カオステラー…カオス・フランケンシュタイン。駆けつけたパラケルススの説得も聞かず、それどころか、ローラを自分の野心の道具とすることも明かす。激怒する一行は、カオス・フランケンシュタインを止めるべく、戦いを挑む。
終幕:一行は、カオス・フランケンシュタインに勝利する。敗北したカオス・フランケンシュタインは、その魂が、「完全な人間」の体にふさわしくなかったことから、崩壊を起こし、砕け散ってしまった。そして、残されたパラケルススにもまた、崩壊が迫っていた。彼を助けようとするエレナ。その背後から、何者かの声がかけられる。
偽りの王子
開幕:現れたのは男爵であった。エレナを捕らえ、パラケルススに命令に従うよう強制する。一行はエレナを救おうとするが、その前に、男爵は自分の能力「虚構空間」を発動。「最強にして最悪の敵」を呼び出す。現れたのは、かつて『調律の巫女』たちすら苦しめた、“怪物”であった。
終幕:エレナをさらった男爵は、パラケルススに命じ、実験場の最奥にあった「なにか」に特殊な電流を流しこませる。そして、用済みとばかりにエレナを抹殺しようとするが、その寸前、モリガンが覚醒。男爵を退ける。そこにマキナ=プリンスを倒した一行が駆けつける。モリガンは体をエレナに返し、ようやく事態は解決する。そして、エレナの『再編』が行われる。
語らぬが花
開幕:『再編』された想区を、一行は調査する。最後にパラケルススはエレナに願った。いなくなった“フランケンシュタイン”の“代役”になることを、そしてローラに救いが与えられることを。だが、想区から男爵の痕跡は消えていたが、“フランケンシュタイン”の運命に、変化は生まれているようには見えなかった。一行は、さらに調査を進める。
終幕:調査を続ける一行に、サヴァン・ギールが声をかけてくる。彼は「酔っ払いのたわごと」と前置きをし、世間に広まっている“フランケンシュタイン”の話は偽りで、博士と人造人間の少女は、北の果ての、さらに果てで、穏やかに暮らしていることを話す。救いをもたらすことができたことに、一行は安堵する。だが、男爵の作っていた「器」、シャルル・ペローの謎の行動、そして“フィーマン”の想区と、多くの謎は残されたままだった。
前回 | 限定武器進化イベント「聖なる夜の、小さな奇跡・後編」 |
---|---|
次回 | シャドウ襲来イベント「お茶会の懲りない面々」 |