『わたしが見えている。もうその時点で、あなた達は命を握られてるのよ』
概要
ドレンチャー=木原=レパトリによって作られた人造ゴースト
容貌は洋風の人形のようなグラマラスな20歳くらいの女性で、ボディラインのくっきりしたドレスの上に薄布を重ねた服装をしツインテールにした長い金髪に薄い青のふわふわしたシルエットを持つ。
精神や意識は特に人間と変わりなく、同時に圧倒的な戦闘能力を持つ。
普段はドレンチャーと共に置き去りの子守をしている
戦闘能力
彼女の存在は「ハイボルテージ=カッティング法」と呼ばれる手法で構築されている。
これは「ある種の高エネルギーを放射し続けると、自分自身の中で互いに干渉し合ってイレギュラーな波形や像を作り出す」という原理を利用したもので、要するに「高エネルギーの塊」である。
彼女を形作っている「高エネルギー」とは「文明電池」と呼ばれる概念の持つエネルギーである。
排気ガスに含まれる二酸化炭素や窒素酸化物が空気中の水分と結合した酸性雨は都市中の銅や亜鉛を電極とすることで一つの巨大な電池として機能し莫大なエネルギーを持つ。
この巨大な電池のことを「文明電池」と言う。
彼女は街一つ分以上に大きな規模の「文明電池」が吐き出す安定したエネルギーを吸い上げ「ノイズ」が多い突出した一点を設けることで存在を保っている。
原理上、人がいて文明がある場所ならどこでも自己を保つ事が可能。
物理攻撃無効に加えて、視界に入るだけでダメージを与えられる攻撃性能。
木原端数に「単体戦闘力で言えば君が最強じゃ。致死性だけなら第三位や第二位以上かもしれん」と言わしめたほど。
作中での行動
オペレーションネーム・ハンドカフスの発令を受け、レパトリを援護しつつ学園都市各所で警備員を殺戮した。
第六学区の遊園地ではレディバードから浜面達を助けたが、その後カキキエ隧道でレパトリから殿の役目を任された際は次々と現れる「暗部」の面々を1人で殺戮し尽くした。
カキキエ隧道に現れた浜面仕上と滝壺理后も同様に始末しようとするが、隧道が巨大なAIM拡散力場の塊である事を木原端数に利用され存在を構成するエネルギーの安定を崩されて誤作動を起こし、ピンホールカメラの中に吸い込まれて無力化されてしまう。
事件終息後カキキエ隧道の微弱な力の集まりを吸い込んで存在を取り戻したが、レパトリの死体を目の当たりにしたことで、カキキエ隧道のAIM拡散力場にエネルギーの媒体を移して「本物の怨霊」へと膨れ上がった。
創約5巻ではオーバーハンティングの騒動にて突如出現する
『アリスの時』は復讐に囚われ暴れ回り『イマ、あなたの後ろにいるノ』『わたしきれい?』等と口走るなど、正気を失っている。
上条達は彼女を何とかすべくかつてレパトリが使用していたキャンピングカーへ向かい、そこで彼を復活させ彼女の執着を晴らし見事ハッピーエンドとなった。
本来の世界ではレパトリが保護していた置き去りの1人、リサコを助けるべく行動しており、暴れ回っていたのも彼女の危機を救える人材を確保するためであった。
リサコに取り憑く「亡霊」によりカキキエ隧道へ侵入することが許されず、レパトリの復讐や彼との再会などよりもすでに死んでいった人達の想いを尊重し、まだ生きている幼い命を守ろうとしていたのである。