概要
牛や豚の血を使ったソーセージ。血の臭いを消すため、香辛料やハーブで味付けされており、臭いはあまりしないが、独特の風味で好き嫌いは分かれる。
外見は赤黒く、焼くと黒さが増す。一般的なソーセージに比して柔らかいため、茹でる際は破裂防止のため、沸騰しない程度の低温が基本。切る際も中身が崩れぬよう、慎重に行う。
ヨーロッパを中心に世界で食され、アジアでも類似の文化がある。
作り方
牛や豚の挽き肉を腸詰めして作られ、内臓や舌が加えられる種もある。臭い消しの香辛料・ハーブの他、つなぎとして穀物などが使われることも。
種類
ヨーロッパ
- ブラックプディング(イギリス):本格的な朝食には欠かせない。オートミールや大麦を混ぜる。
- ブルートヴルスト(ドイツ):豚や牛の血を使う。ハーブで味付けされ、グリルやフライにして食べる。
- モルシージャ(スペイン):米や玉ねぎを加える。独特の風味はスペイン料理に欠かせない。パンと食べたり、焼いて食べたりするほか、煮込み料理にも使う。
- ブーダンノワール(フランス):挽き肉にハーブを加える。茹でて食べることが多い。フィクションに登場することで有名。
アジア
- ザイダス(モンゴル):羊の血を使ったソーセージ。スパイスは使わず、そのままの風味でいただく。
- 血腸(中国):豚の血が原料。香辛料の辛い味付けが多く、火鍋の具として人気。
- スンデ(韓国):豚の血と春雨を主材料に、野菜、香辛料で味付けしたもの。屋台や市場で食べられ、独特の風味で親しまれている。
歴史
ギリシャ神話のオデュッセイアには既に登場しており、歴史が長い。ローマ時代には広く食べられ、ヨーロッパ中に広がる過程で様々なバリエーションが出来た。
貴重な家畜を食べきる工夫として、作られた背景がある。