「こんな・・・こんな馬鹿な話があるかぁ!!」
概要
CV:檜山修之
階級は「大将」。グリルパルツァーとともにローエングラム王朝時代における銀河帝国軍の、新しい双璧になるだろうと期待されていた人物の1人。元々の上司はヘルムート・レンネンカンプ上級大将であり、レンネンカンプ艦隊では分艦隊指揮官を務めていた。
小説版での初出はマル・アデッタ会戦前の軍議で、石黒版では神々の黄昏戦の折のイゼルローン攻防戦で分艦隊の指揮官として名前だけ出ており、本編での登場は小説版で名前のなかったレンネンカンプの仇討戦を願う指揮官としてが初。よくも悪く上司の性格つつ成長していった模様で、生真面目な性格をしていることから戦術家としては一流の資質を持つものの、戦略家として融通のきかない欠点がある。
レンネンカンプがヤン・ウェンリー一党に拉致され自殺した後は、艦隊指揮官として戦場に参加(その前にも分艦隊指揮官等で活躍していた可能性もあり)。同盟軍最後の戦いとなったマル・アデッタ会戦に参加。ラインハルト・フォン・ローエングラムに先陣を任されるなど、期待を掛けられていた。しかし、経験の浅い部分は補いきれず、同盟軍・アレクサンドル・ビュコック元帥の巧みな戦術に翻弄されてしまっていた。
同盟軍が滅亡した後、オスカー・フォン・ロイエンタールを総督とした元同盟領にて、駐留軍の一軍として任命される。しかし、ロイエンタールの謀反(本当はアドリアン・ルビンスキー等による謀略が原因だが)で、彼と共に帝国軍に反旗を翻す身となる。最初は渋っていたが、同僚であるアルフレット・グリルパルツァー大将の提案で、謀反に参加しつつも途中で裏切ってロイエンタールを討つ、という本末転倒な作戦に同意してしまう。
だが、いざ第二次ランテマリオ会戦を迎えたものの、ロイエンタールを裏切ることの後ろめたさと、内乱に誘った張本人であるグリルパルツァーの優柔不断な姿勢が災いしてしまい、裏切るタイミングをことごとく逃してしまう(帝国軍側の隙の無い戦術も原因とはいえるが)。そして彼は、裏切るタイミングを逸したまま、帝国軍の猛攻に晒されてしまい帰らぬ人となってしまった。
実情を知らないロイエンタールからは、自分の謀反につきあわせたあげくに戦死させてしまったことに「クナップシュタインには気の毒なことをしたな」とその死を悼まれた(仮に実情を知っていたとしても、ロイエンタールは同じことを言ってただろうと本文で評されている)結局、クナップシュタインはロイエンタールの謀反に最後まで付き従ったという扱いとなり、戦後、自殺を命じられたグリルパルツァーとちがい、皇帝・ラインハルトから「大将」位を剥奪されることもなかった。途中でロイエンタールを裏切ったグリルパルツァーが裏切りを是としない帝国軍には白い目で見られ、挙句に謀反を起こしたロイエンタール軍(上官の裏切り行為への加担の事情を知らない元クナップシュタイン艦隊からは、一番の憎悪を受けていた)からも憎悪されたのとは対照的な死後であった。
同僚の口車に乗せられた挙げ句に望まぬ戦いで命を散らされた彼にとって、死後の名誉が守られたのはせめてもの救いであったのだろうか・・・。