※10周年記念イベント第二弾『BLOODSKY:DYSTOPIA』後編のネタバレ一部を含みます。先にプレイしてからの閲覧をお勧めします。
ベガだよ!一緒に戦おうね!!
プロフィール
概要
空のはるか向こう側、世界樹の世界にて王国に反旗を翻す集団・レジスタンスの少女。
主に戦闘員として、レジスタンスの先陣を切る。
フルネームはベガ・ヒュペリオン
名前の元ネタは、夏の大三角を形作る星の一つにして、88星座の一つであること座のα星でもあるベガから来ていると思われる。ちなみに苗字のヒュペリオンも、ギリシャ神話の神ヒュペリオンから来ていると思われる。
誰にも分け隔てなく接する明るく優しい性格をしており、敵対している飛行島勢に対してもアルタほど「敵意剥き出し」というわけではない。ただし、長きに渡り対立してきた王国や指先の獣に対しては基本容赦なく攻撃する。逆にその優しさが弱点でもあり、コジローのシルルを使った密偵を目撃した際は、逆に全面戦争をほのめかされると引き下がるなど、その性格から駆け引きには弱い。
痛覚に対して鈍感なところがあるのか、手を切って血を流していたことに指定されるまで気づいておらず、他にも好物の酸っぱい食べ物を食べても喜んでいる様子を見せなかったり、昔は寒さが苦手で布団に包まっていたのに、今は結構な寒さの東の霊峰を登っても寒そうな様子を見せなかった。
可愛いもの好きであり、キャトラの可愛さに一目ぼれし撫でたいとせがむも、当のキャトラは初対面から敵対していたため拒否し、撫でさせてもらえてない。
戦闘能力
レジスタンスの主戦力として、ナナシと並んで先陣を切って戦う。戦闘では剣を使う模様。
レジスタンスの中では唯一完全変身を行うことができ、赤と青の炎を纏った不死身の幻獣ロべリニスにその姿を変える。その炎は対象の存在を燃やす炎であり、世界樹の世界の神を殺す可能性を秘めるほど強力だが、ベガ自身の負担も相応にある。
本来、世界樹の世界では大半の人物が身体の一部を獣に変えることができるのだが、その身を完全に異なる獣の姿に変えることができるのは相当の実力者か上位貴族のみであり、完全変身を使えるベガもまた、何らかの特別な血筋と考えられるが…
過去
メトセラ家の従者の家系、ヒュペリオン家の娘(実の娘というわけではなく、孤児なのだという)として生を受けた彼女だが、アルタと出会った頃は今では考えられないほど感情が希薄・生きる意志を感じない性格をしていた。なぜなら彼女は、ヒュペリオン家が神への恭順の証として二十年に一度の生贄の日に差し出される生贄として生まれたから。つまるところ、死ぬために生まれたからであった。この話を聞いたアルタは納得できず彼女に意見したが、当の彼女は気にしておらず「将来とか、考えたことない」と、生への執着を見せなかった。
それを聞いたアルタは「ベガが陰険な顔してるから、生贄の話が出るんだ」と考え、彼女に生きることのお楽しみを教えることを決心した。それから毎日アルタとベガは行ける範囲のいろんなところに出掛け、
- 実家のあるメトセラ領から王国まで歩いたことない距離を歩き、手を繋いで帰ったり
- 荒野で見たこともない虫を見つけてさわり、なんか刺されてかゆくなったり
- 平原で酸っぱい木の実をアルタに騙されて食べるも、酸っぱいものが好きだと分かったり
- アルタが見つけた三色の花びらをつけたトライア草を初めて見て、綺麗だと感じたり
- アルタの夢と彼のいのちへの考えを聞き、初めて微笑んだり
などの体験を経て、ベガは生きることのお楽しみを知った<命>となった。
これで生贄にならずに済むと思ったアルタだが、そう事はうまく働かず、結局ベガはヒュペリオン家の生贄として神に捧げられることに。生贄の日が近づくと、アルタはベガと会わないようになり、書庫に引きこもって何かを調べていた。そのことを仕方ないとベガは納得するも、心の中では寂しいと感じていた。
生贄の日当日、彼女は神・指先の獣のいる<森>に入り、現れた獣に御身を捧げようとした。しかし、その目には涙があふれだした。その時彼女は自覚した……死にたくないということを。アルタと出会い、様々なことを知り<命>になったことで彼女は受け入れていた死を拒絶し、アルタに助けを求めるほどの生への執着を見せ、獣に反抗した。
当然、彼女の意見を聞くはずない獣だったが、その前に突如アルタがある本を片手に現れた。彼が持ってきた本、それは西の古い神殿に封印されていた本であり、その本には太古の幻獣が封印されており、その幻獣と契約すれば変身能力を持たない自分も変身できる。そう考えたアルタだったが、なぜか本は反応せず、アルタは獣の攻撃を受け重傷を負う。トドメを刺されそうになった瞬間、ベガは獣に叫んだ。
「生贄は私だから……!
こっちにきてよッッッ!!!」
「アルタは――
私を<命(わたし)>にしてくれたのッ!!
だから――!!!」
彼女は、アルタが吹き飛ばされて手元に落ちた封印の本を手に取り、
(紋章を――)
「――逃げない。
だって、私は――」
「――生きたいから――」
瞬間、彼女の周りを炎が包み、本に封印されていた幻獣<ロべリニス>が目覚め、二者の間に契約が結ばれベガは<代償>と引き換えに神殺しの炎と不死の身体、そして完全変身能力を手に入れた。
ロべリニスの力は絶大で、一度は指先の獣の尾によって真っ二つに切断されるも、すぐさま再生。神殺しの炎によって指先の獣を追い払うことに成功した。
目を開けるとそこにはアルタが心配そうにベガを見ており、目覚めたことで一安心。足に切り傷ができたぐらいで目立った外傷はなかった。二人はこの場に指先の獣が現れなかったということを示し合わせ、次の生贄の日である二十年後までに神を討つ決心する。同時にベガは、アルタの夢を守るためアルタの騎士になることを誓い、二人の間に神殺しの意識が生まれた。
ナナシの回想でも出ており、アルタと三人で幼馴染となる。
アトリとアルタの姉のプロポーズの瞬間を三人で覗き見し、二人を祝福したりなど平和な日々を過ごしていた。
デネブの回想ではアルタ・ナナシと共に王国軍に入隊していることが判明。東の霊峰で命令違反を二人と共に命令違反を犯した際、王国兵たちはロべリニスについて知っておらず、今までほとんど力を使っていなかったことが分かる。
ロべリニス
西の古い神殿に納められていた本に封印されていた幻獣。一人称は儂だが、性別は女性。赤が混じった青い炎を纏う鳥の姿をしており、パッと見は実体のない炎そのものにも見える。
封印を解き放った者には、彼女と契約を結ぶ権利が与えられ、それを結べば後述する<代償>と引き換えに、非常に強力な幻獣の力を使うことができるという(解き放った者と記載しているが、アルタの求めに反応しなかったように契約相手はロべリニスの意志で決めている模様)。
権能
その使用できる権能は以下の通り
- 契約者の身体を、前述の炎を纏った鳥の姿に完全に変化させる完全変身能力
- 指先の獣をはじめとした神をも殺す可能性を秘めた、"存在"を焼く青い炎の行使
- 契約者が如何なる致命傷を受け死亡しても、瞬く間に再生・蘇生・復活する不死身の身体
これらの権能を、契約者の赴くまま・自由自在に使用することが可能。これがベガの強さの秘密で、完全変身能力で機動力万全。青い炎で一般兵にはオーバーキルレベルの攻撃力。そして、不死身の身体による決死の防御を誇っており、ナナシに負けず劣らずの戦闘力を有しているのだ。
<代償>
「さて、だ。
貴様はいまの戦いで<一度死んだ>。」
「よって貴様の肉体から一つ――
<代償>を捧げよ。」
「それを燃やし、捏ねくり、
創り直すことで――
<新たな命>とする。」
前述した契約の<代償>。
それは契約者が死亡し不死身の身体の権能を使用した際、その契約者の身体から五感をはじめとした身体機能のいずれか一つが奪われ、その契約者は精神の中で彼女の炎に身を焼かれてしまう。これが彼女の不死の身体のからくりであり、万人が想像した万能な不死とはかけ離れた歪な不死であった。
こうすることによって、契約者は少しずつ<ロべリニス>になっていき、最終的に奪う<代償>がなくなったとき、或いは契約者の精神が崩壊したとき、契約者の意志は消滅しロべリニスが真の意味で顕現することになる。これがロべリニスが契約を行う理由と考えられる。
この不死のシステムはあらゆる点でベガにとって不利益であり、
- 権能を使用するたびに、ようやく生きたいと思うようになった彼女が「いやっ」「殺して」と懇願するほどの苦痛を味わわされる
- 五感等の身体機能を奪われることで、彼女が生きたいと思うキッカケであった
- いろんなものを触ったり、人と繋いだりする手の感触
- 見たことない花や生き物、景色を見る目
- 美味しいものを食べたりいろんな人と話す口の触感・感覚
- 行ったことない場所に行ったり友達と駆けたりし、疲れたと感じる足の感覚
これらが奪われることになる
- 何より、もし仮に支払う<代償>をあと一つまで残し精神がギリギリ崩壊せず留まった状態で神を殺したとしても、これらの<代償>が支払われたベガの身体は、アルタの目指した夢『生まれたものに与えられた<命の自由>』に最もかけ離れた存在になってしまう
では、死なないように努めればよいのではと思うかもしれないが、この<代償>の支払いはその他の権能を使用しても少しずつ支払っている上、彼女の他人を尊重する明るく優しい性格ゆえに身を挺して仲間を守ることを厭わないため、これまでに八回も死亡・蘇生を繰り返している。そのたびに<代償>を支払っていた。
前述の彼女の感覚が鈍い原因はこれであり、契約して最初の復活で痛覚。それ以降も好物を味わう味覚・寒さを感じる交感神経、加えてアゾートの診察で身体の重要な臓器等をなくしていることが判明し、もはや生きていることが不思議なくらいの状態になっていた。
さらに、ロディアの心臓を取り戻す過程でデネブの暴走を止めるため身体を張り複数の致命傷を負った結果、好きだった3色のトライア草の色を見るための色覚をも失ってしまった。
その後
ベガはこの<代償>のことをアルタをはじめとした全員に話しておらず、そのことを知ったアルタは、ベガの身体の支配権を一時的に奪ったロべリニスに契約者の変更とベガの<代償>の返却を要求するも、彼女は拒否。二人は戦闘になるも、その会話の中でアルタは無自覚にベガを道具として扱っていたことを自覚してしまう。
これによってアルタの中の何かの目覚めが進み、以前より強固な血の牢を生成。ロべリニスを捕える。
その後は身体の支配権をベガに返却されるも、強固な血の牢は発動者のアルタですら破ることができず、前述の<代償>のこともありベガ・デネブは神との最終決戦には参加しないことに。
決着を待つ二人だったが、ロべリニスよりアルタが神に取り込まれたことを知る。助け出すために牢から出ようとすると、ロべリニスはベガに身体の完全委託を提案する。最初は拒否しようとするも続く彼女の「お前はアルタの目指す世界にふさわしくない」という言葉に揺らぎ、あわや成立するかと思われた寸前、デネブが二人の間になぜか干渉。ロべリニスが言った意見を真っ向から否定した。
ベガは「自分はアルタが教えてくれた<命>の在り方から外れた」と弱音を吐くも、すかさずデネブは彼女に謝りながら平手を打った。そして自分も二年前に王国軍によってすべてを奪われ、心も失ってしまったが、アルタやナナシがいてくれたから。ベガが抱きしめてくれたから。三人が家族になってくれたから、心を取り戻せたこと。そして、失ったベガの<代償>は三人が寄り添って、一生かけて埋め合わせていくことを伝えると、ベガは生贄の日を思い出した。
「私は……
アルタの夢を守りたい」
「だから私……
アルタの騎士になる……」
「は?そんなの嫌だ」
「守るとか守られるとかじゃない
一緒に叶えるんだ。仲間も集めて」
「人として生まれ落ちた<命>が――
自由に歩いて、
見て、聴いて、
触れて、感じて、
食べて、話して
最後まで、生きられる――」
「そんな世界を――作るんだ。」
「……そうだよね、
アルタの夢じゃない……」
「――あたしの夢なんだ――」
「あたしは――
――――羽撃(はばた)くんだ、
輝く<命>であるために!!」
ベガはアルタの夢を叶えるためことが夢ではなく、アルタ・デネブ・ナナシたちと一緒に同じ夢を叶えるため戦い、その叶えた夢の先へ、仲間たちと共に進んでいくことだと思い出し、血の牢をそのまま破壊。デネブと出撃し、慈愛の神のトドメの一撃を相殺。二人で協力してアルタに呼びかけ、彼が這い出るきっかけを作った。
その後、アルタの覚醒した力とナナシの最後の尽力、飛行島の冒険家たちとベガ・デネブが最後の最後まで戦ったことで、慈愛の神を打ち倒すことに成功。
<樹>や獣木にされた人たちも元に戻り、アイリスも目覚め、めでたく終わる……と思いきや、ベガは突然倒れ、それはロべリニスに変わった。
ベガは先ほどの戦闘で一度も不死身の権能を使っていないにも拘わらず、ロべリニスになってしまった。それは彼女の肉体が限界点ギリギリの状態でロべリニスの力を引き出しすぎた結果、ベガの意識は途切れてしまった。絶望する彼らだったが、ナナシの「君(ロべリニス)も救いたい」という想像もしていなかった言葉を聞き、ロべリニスは彼らに賭けを一つ提案した。
それは、ロディアの心臓の力を借り、欠落したベガの存在を補填することで、彼女の肉体を維持できるかもしれないというものだった。
この時の発言から、<ロべリニス>もまた、<ロディア>同様人の思いから生まれた<現象>だったのではと考えられる。
一縷の望みにすべてを賭け、イクシア・アゾート・アイリスが彼女に心臓を補填。その結果、奇跡的にベガは目覚め、その上これまで奪われてきた<代償>はすべて返却された。
以降はロべリニスへの変身能力は残っているものの、家族である三人を守るために使っていくようになる。
プレイアブル化
10周年記念イベント第一弾ではNPCとしての登場のみだったが、半月後の第二弾でプレイアブル化。今後も追加されることが予想される。
職業 | 剣 |
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属性 | 火 |
タイプ | バランス |
登場イベント | BLOODSKY:DYSTOPIA |