概要
CV:村瀬歩
物語の主人公。愛称は「ペイス」。
前世は類まれな才能を持っていた日本人パティシエだったが、世界大会で謎の声の所為で誤って事故を起こして死亡。
死後、その魂は異世界の貧乏貴族のモルテールン騎士爵家の子息・ペイストリー=ミル=モルテールンとして転生する。
6人姉弟の末子にして唯一の男児である事から、父・カセロールより次期領主としての教育や鍛錬を日々受けている。親馬鹿ながらも厳しい一面を見せる父親の一方で、母・アニエスからは姉達同様に非常に溺愛されているが、隙あらば女装をさせようとする悪癖からは逃れたがっている。
五女のジョゼフィーネ以外の姉達は全員他の領の貴族へ嫁いでいるため、現在は自領内で両親とジョゼフィーネと共に暮らしている。
モルテールン家に仕える従士を親に持つマルクやルミとは幼馴染であり、三人揃って領内の悪ガキトリオとして問題を起こす度に大人達を悩ませている。が、二人は真にペイストリーの友人として心から彼を信頼し、そして次期領主となる彼に付き従う姿勢については真剣である。
生まれた時から前世の記憶をそのまま引き継いでいるため、その知識を活かして幼いながらに貧しい領地の開拓案を次々と提案、実行に移したことによってモルテールン領の実績は目覚ましく向上し始める。とはいえ、前世由来のお菓子への情熱ゆえに我を忘れて暴走してしまう事もしばしばあり、本人の自覚があろうがなかろうが領内ひいては国内に影響を及ぼす程の騒動を引き起こす事も。
貴族間の交流や対峙においても父の代わりに領主代理として出向く事もあり、高い爵位を持つ年長者を相手にしながらも堂々と渡り合ってみせる交渉術を備えている事から、一部の貴族からは子供だからと言って油断ならない相手として一目を置かれている。
こうして非凡な才能を発揮して周囲を驚かせているが、まだまだ未熟な部分もあるために家族や友人などの周囲の人間に支えられながら次期領主として成長中である。
また、自身の恋愛面に関しては疎い一面があり、フバーレク辺境伯の策略で令嬢であるリコリスとはある事件や騒動をきっかけとした流れで婚約する事になる。命を救われた経緯から少なからず彼を異性として意識しているリコリスと、そんな彼女に対して本格的な恋愛感情はまだ稀薄なペイストリーは彼女がモルテールン領に疎開して共に暮らす中でお菓子作りを通して交流し、仲睦まじい間柄となっていく。
能力
軍人である父から直接剣術による指南や戦術を学んでいる事から、領地内の経営だけでなく戦闘においても指揮代行を任されたり、実戦においては自ら剣を取り戦いに赴く。子供ゆえに腕力は強くないものの知略と、後述の「魔法」を駆使した戦法を取る。
固有魔法『転写』
モルテールン領を襲う盗賊への対策として、戦力を増やすべくペイストリーが「聖別の儀」を受けたことで獲得した「魔法」。文字通り「何か」を別の物に「写し(移し)とる」能力であり、その対象は地面に描いた絵などに留まらず、人間や物質についた傷を他者にも負わせたり、果ては他人が持つ「魔法」そのものを自分自身に『転写(コピー)」して使用できるようにしてしまうという代物。ペイストリー自身が規格外の魔力を持った「魔法使い」としての才を持つが故に、その余りにも突出した能力が外部に知られる事を危惧した父親からは有事以外に使用する事を禁ずるよう厳命されている(しかしペイストリーは度々破っている)。但し、いつまでも隠し通せる物でもない為に表向きは「物質に絵を描く魔法」と公言している。
これとは別に、前世由来の「菓子作り」の腕前も高く、材料が手に入るとすぐにお菓子の試作に乗り出す。プロのパティシエなだけあってその出来栄えは神王国の料理人も興味を持つほどであり、所謂「異世界」のレシピで作られたものについてはペイストリーしか知らない為、時にはこのレシピを上流貴族に対して交渉のカードとして利用する事もある。
関連タグ
見た目は子供、頭脳は大人:大体の転生者に当てはまるが、ペイストリーもその傾向が顕著に表れている。
ハルト・ゼンフィス:同時期にアニメ版が始まったラノベ原作転生ファンタジー作品の主人公繫がりで、中の人繋がり。
工藤新一/江戸川コナン:前述の見た目は子供、頭脳は大人の先駆けでもあり、 (犯人一味側がターゲットを間違えて認識してしまったり、誘拐されたリコリスに巻き込まれたのもあるが)リコリス誘拐事件の際に犯人一味の一人に対して幼い子供風な演技をしたり、この事件やそれ以外の様々な案件で推理力や持ち前の奇抜な発想力と行動を起こすなど、彼に通ずるものがある。