概要
由来は「ボテっとして膨らんだ腹部」を略したスラングであるが、実は前近代から「腹ボテ」という単語で使用例のある歴史的な表現である。
「ボテっと」には「重たげな」という意味合いがあり、「身重」、すなわち胎児の成長によりお腹が膨らんだ妊婦を表している。
もっとも、単に「体重の重い人=肥満」に対して揶揄的に用いられる例も見られるなど、あまり品の良い言葉とは言い難い。
また、「腹ボテ=腹がボテっとする」→「ボテ腹=ボテっとした腹」となった事で、よりフェティシズム的なニュアンスが強まっている感も否めない。
事実、現在このタグを付けて投稿される作品の多くは性的な内容であり、R-18比率は実に9割を超える。この手のフェティシズムにありがちな事であるが、腹さえ膨らんでいればなんだっていいという人も多く、単なる妊娠では無く「孕ませ」や主に触手による「苗床」などインモラルな内容も多数見られる。
とは言え、膨らんでいればいいという事は、胎児である必要も無いという事であり、主に食べ物で膨らませる「膨腹」との境界は曖昧である。投稿の時点で両タグが併記された作品も多いが、このような環境故大きな問題にはなっていないようだ。
生物学的な話をすると、妊婦の場合子宮が肥大化した状態である事から、基本的に胃を肥大化させるその他の膨らみ方とは異なった体型になり、その他にも特有の変化が生じる。
具体的には
- 腹筋が薄く引き伸ばされて膨らむため、いわゆるでべそになる。
- 急激な皮膚の伸長によって内組織がひび割れを起こす(妊娠線)。
- ホルモンバランスの変化によって乳房も併せて肥大化したり乳輪の色が濃くなったりする。
といったもので、いずれも胃の肥大化では通常発生しない現象であるうえ、そもそも胃は子宮ほどの伸縮性を持たないため体表に影響するほど膨らむ事は考えにくい。
ただし、二次元特有の表現として実際より誇張した大きさに描かれる場合も多く(この界隈の住人なら尚更である)、逆に妊娠線などは膨らみだけを求める場合グロテスクであるとして省略される事も多いなど、絶対的な指標ではない。
また、性交を伴うボテ腹の中には「精液ボテ」というモノがあり、これは肥大化する部位こそ子宮であるものの、大量の精液によって膨張しているだけで妊娠はしておらず、性質的には膨腹に当たる。
こうした点からも、両者の完全な分離は困難であると言えよう。