概要
フランスにかつて栄えていた、フランク王国カロリング朝時代(8~9世紀頃)のリヨン大司教・アゴバルドゥスの著した『雹と雷に関する民衆の謬信』に記載される、当時の民衆に信じられていたという天空にある伝説の大陸およびそこに住む人々。
この名はラテン語で魔術師を意味する「magus」が語源で、「魔術師の土地」という意味であると考察されている。
この大陸に住むマゴニア人たちは、テンペスタリイ(Tempestarii:嵐を呼ぶもの) と呼ばれる能力者たちと共謀して大嵐や降雹を引き起こし、それによってこぼれ落ちてしまった穀物や果実などの農作物を、天空を走る帆船で乗りつけて持ち去って行くのだという。
あるときその船から落ちてきたといわれる4人のマゴニア人とされる者たちが捕らえられ、石打の刑に処せられたが、後で調べると彼らを捕らえてきた者自体が盗人であったという。
ちなみにアゴバルドゥスは、「天候を操ることができるのは神の御業のみ」であると、この伝聞を否定した。
14世紀イタリアの聖人シエナのベルナルディーヌスは、マゴニアとは船を壊すほどの暴風雨の前兆である雲のことであると言及している。
同様の空にある国および人々については、中世から飛行船などの飛行機械が実用化される以前の19世紀頃まで、ヨーロッパ各地で目撃され記録されている。
一説には地上の空気は彼らにとっては濃すぎるので、潜水服のような防護服を着ずに地上に長くいると溺れてしまうともいわれている。
創作での扱い
地上に影を作ったり、雨雲を塞いで地上の国々を脅すことで食料や資源を奪う空飛ぶ国「ラピュータ」のモデルの一つであるといわれる。
かつて地上を支配した王国の遺跡「ラピュタ」が登場。
伝説とされていた空島が登場。
最終章「戦慄のミレニアム」において、最終決戦の舞台に空を飛べない妖怪たちを運ぶためにマゴニア人とその船が活躍した。