概要
西ローマ帝国の滅亡以降、秩序が失われ混沌としていた群雄割拠の時代の中で、キリスト教の後ろ盾をえることで勢力を伸ばした王国で、五世紀から九世紀に渡り勢力を維持した。
ゲルマン人フランク族の族長であったメロヴィング家のクローヴィス1世がキリスト教に入信して国王に即位したことに始まるとされる。カロリング家に王統が変わり、カール大帝(シャルルマーニュ)の時代に最盛期を迎える。この時代には現在のフランス・イタリア北部・ドイツ西部・オランダ・ベルギー・ルクセンブルク・スイス・オーストリア・スロベニアをすべて支配下に収めていた。だがゲルマン人の風習にある分割相続により、国王が世襲するごとに領地は分割されて行き、最後には西フランク王国、東フランク王国、そして中フランク王国に分かれ、それぞれがフランス王国、神聖ローマ帝国、イタリア王国の3つの母体となった。
この時代、特にゲルマン人には明確な首都を置くという慣習はなかったが、王国統治上の重要性から首都と見なされたのはパリやアーヘンとされることが多い。