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マハーカーリー

まはーかーりー

マハーカーリーとはインド神話における破壊と殺戮の女神カーリーの尊称ないし側面。
目次 [非表示]

本記事は尊称ないし特定の側面の解説が主です。

詳細は「カーリー女神」を参照のこと。


概要編集

「マハーカーリー」とは、サンスクリット語で「महा:マハー」と「काली:カーリー」の組み合わせで「偉大な時間//」を意味する。


こうした尊称としての意味の他、特定の姿・表現のカーリーや、カーリーやパールヴァティーに限定されない女神(デーヴィー)の相に対しても用いられている。


カーリーないし女神(デーヴィー)の特定の相・化身・姿としての「マハーカーリー」は十面十臂十足のカーリーとして描写される。


「ダクシナ・カーリー(南向きのカーリー)」に代表される一面四臂二足系のカーリーは剣や三叉戟(トリシューラ)を持つが、マハーカーリーはこの他にも多数の武器を持物とする。


『デーヴィー・マーハートミャ』付属書の記述編集

ドゥルガーと彼女や他の神々のシャクティから現れたデーヴィー達によるアスラ軍退治を描いた『デーヴィー・マーハートミャ』の付属書の一つ『変成せるものに関する秘儀(ヴァイクリティカ・ラハスヤ)』に十面十臂十足のマハーカーリーについての記載がある。


『デーヴィー・マーハートミャ』本編でも語られた、眠れるヴィシュヌの身体から現れた魔神マドゥとカイタバを滅ぼす為にブラフマンが称えた女神がマハーカーリーとされる。

(全ての顔に第三の目があるため)三十の目があり、口には歯だけでなく牙もある。

この書物での持物は剣、矢、棍棒、矛、法螺貝、円盤(チャクラム)、有刺棒、斧、弓、血の滴る生首。


本文ではマハーカーリーと同様に多様な武器を持つ十八臂の「マハーラクシュミー」、八臂の「サラスヴァティー」が挙げられ、多くの呼び名を持つ女神の「三つの様態」としてまとめられている。


図像表現編集

『変成せるものに関する秘儀(ヴァイクリティカ・ラハスヤ)』に記された以外にも様々な持物のパターンが存在する。


カーリーが持つ剣には二通りあり、ひとつは象徴・儀礼用に特化した独特な形状の剣とシミターのようなより実用的な剣がある。

前者をカドガ(khadga)と呼び後者と区別することもあるが、カドガ自体は剣一般を指す語でもあり、通常の直剣や曲刀を差す事もある。

カーリーの「カドガ」としては刀身の途中から極端に湾曲した大鉈のような形状の表現がよく知られている。

一面四臂二足系のカーリーはこの様式の「カドガ」かシミター、サーベル系のいずれかを持つ事が多いが、十面十臂十足のマハーカーリーは両方を持物に含む例がある。


二種の剣とトリシューラ以外の武具として、棍棒(ガダ)、弓矢、盾、チャクラム等がある。

それに加え、法螺貝のほか、魔神の首とその血を受ける皿といった一面四臂二足系のカーリーと共通する持物を有する。


関連タグ編集

インド神話 ヒンドゥー教

カーリー女神 マハーカーラ

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