マルチ商法
まるちしょうほう
「ネットワークビジネス」とも。
名称は、ホリディ・マジック社(アメリカ)の「マルチ・レベル・マーケティング」と呼ばれる商形態から。
加盟者が新規加盟者を誘い、その加盟者がさらに別の加盟者を誘う連鎖により階層組織を拡大し、勧誘の成功にボーナスと組織内でのランクアップを約束するという商法。連鎖販売取引。
商品が介在するのでネズミ講ではないが、商品の価値に対して販売価格が著しく高いなど「無限連鎖講の防止に関する法律(ネズミ講防止法)」を守らない場合、ネズミ講として摘発される。
ネズミ講と違い、マルチ商法そのものは違法ではないが、勧誘方法には「事前にマルチの勧誘であることを伝えなければならない」「誰彼かまわず勧誘メールを送ってはならない」などの厳しい制約があり、それを守らなければ違法となる。
勧誘に失敗した場合、加盟などに要した商品代などが大損になるので追い詰められたり、勧誘ルールを詳しく知らなかったりで制約を破ってまで勧誘してしまう加盟者は少なくない。
最近の変わった勧誘例として、「夢」「自己実現」「社会貢献」「起業」などの意識高い系の言葉を出したり、日本の政府は信頼ならない、だから自分の身を守れる力をつけよう、独立しようなどという決まり文句が使われたりする。
その関係か、左翼系の芸能人がマルチ、ネットワークビジネスの集会と知らずに参加してしまったり、左翼思想に偏った人たちがマルチにハマり、悪徳商法だと知らずに同じ思想内の人々を勧誘してしまった例もある。
マルチ商法で儲けるには会員を増やさなければならないが、ねずみ算式に会員を増やせばいずれ会員はいなくなる。
そうしてマルチ商法が破綻し、家族や友人に大損をさせ、かけがえのない友情を失ってしまった人は決して少なくない。
それどころか、マルチ商法の勧誘に当たって守るべきルールを守らなかったために逮捕されてしまった人もいる。
更には暗号通貨などの「モノなしマルチ」と呼ばれる手法で勧誘された結果、借金を重ねて自殺する事件も起きている。
特に暗号通貨のマルチは金融商品取引法で義務化されている金融庁の登録をしていないケースや、契約書面を紙ベースで残していない業者が後を絶たず、行政処分期間中に団体名を変えて勧誘する悪徳業者もいる。
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