ムシュマッヘ

むしゅまっへ

ムシュマッへとはバビロニア神話に登場する女神ティアマトに生み出された11の魔物の一柱。

概要

シュメール語、もしくはアッカド語で「傑出した蛇」という名の意味をもつ怪物で、ムシュマッヘーとも呼ばれる。

海水の女神ティアマトが、新世代の水神エアの策略で殺された夫アプスーの敵討ちのために生み出した11の魔物の一柱で、7つ頭の大蛇であるといわれ、鋭い歯と残忍な牙を持ちその血には猛毒が流れているとされた。

その恐ろしい姿や性質は、後代のギリシャ神話のヒュドラをはじめとした、オリエント地域の多頭蛇や多頭竜の伝承の起源であるといわれる。

蛇の怪物であることから、角のある蛇バシュムや、偉大なる竜といわれるウシュムガルとセットで語られることもある。

別な伝承では蛇と獅子と鳥の合成獣であるともされ、さらに嵐の神の武器の名としても記述される。

病魔アサグとも同一視され、シュメール神話ではニヌルタが、メソポタミア神話ではニンギルスによって退治された怪物として登場している。

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