概要
ストーリー編第1話で初登場。かつて閻魔学校でエマと首席を争っており、彼女との親交も深かった。ちなみにエマは次席で終わった模様。
かつては悪人が正しく裁かれる公正な閻魔裁判官を目指す真面目な優等生だったが、冥府が贖宥金制度を導入した事により、金さえ積めば悪人でも天国に行けるようになってしまい、「冥府の腐敗」を感じると閻魔の仕事に失望してそこから去り、以後音信不通になってしまっていたが、エマを仲間にすべく再びエマの前に現れた。
エマを探しに来た際に見かけた財賀零士の命を狙う素振りを見せるが、実際は神のルールで人間を殺すことは禁じられているという。しかし、それで寸止めしても腰を抜かした零士に興味をなくすが、彼の妹を名乗る謎の女性に後押しされた零士が奮発して立ち向かって来た時はエマを奪還され、そのまま引き渡した。それでも諦めたわけではないのだが、後述のやらかしにより、やはりというかエマと同じく人間界で貧乏暮らしをする羽目になった模様。
人物
銀髪のロングヘアに扇情的な黒と紫を基調とした和服が特徴的な妖艶な美女。身長168cmとエマより背は高いが、胸が小さいことを指摘されるとキレる。
後にロリータファッションに興味を持ち、とある一件を経てからは、和服の他にもその際に購入した黒と紫のゴスロリ系のドレスを着ることもある。
学生時代はショートヘアだった。
人間を心底見下している冷酷な性格。人間を金儲けの道具にすることになんの戸惑いもなく、エマと同等かそれ以上に外道な人物であることは間違いないだろう。
・・・・・・・・・だが、冥界行きの地獄列車の時刻表と切符を間違えて3時間も待ちぼうけする羽目になり、挙げ句の果てにはその列車の予約キャンセルを忘れてしまい多額の違約金(おそらく零士の借金と同等かそれ以上)を支払う羽目になるという、ポンコツドジ。(この手のクールかつストイック系の女子キャラにはよくある話だが。)
ツッコミにキレがあり、シリアスシーンでもエマがアホなボケをかますせいでたびたび披露している。
また、「偶然会っただけ」と言いたいところを「黒き運命に導かれた」などと言うなどエマしか翻訳できないような言い回しを好む傾向がある。
また、周りからはよく貧乳と言われているが、実際はそこまで小さくはない。
零士を憎んでいる一方で何かしら目を惹くものがあったのか、閻魔道具の酒がかかった時は、零士の「好きぴ♡」が大好きで、零士に服を褒めてもらえなかったり他の女にツッコんだりしただけで「はい病んだー」のノリで人類を滅ぼそうとする暴走っぷりを見せつけ、もはや真面目ストイックキャラにありがちなギャグキャラ、いじられキャラ、変人キャラの立ち位置を確立させている。また、混浴風呂に零士と入った際に、顔を赤くしているなど、少し意識しているような描写もある。
ちなみにエマの上司の閻魔大王のことは「クソ大王」と蔑視する一方、何やら「あの方」なる人物に従っている模様。
能力
カラス型の閻魔道具「貪の鶏(ラガ・クックタ)」を使って人を奴隷に変えて従わせる能力を持つ。これは閻魔全員に与えられている権能であるが禁断の道具でありエマですら使うのを躊躇していることから威力と危険性の高さが窺える。そんなものを使うことを躊躇しないということは常軌を逸していると言える。ただし、閻魔大王は半ば黙認しているらしいが……。
尚、ストーリー編以降は使用している姿は見られない。
上記の権能の他、大剣の扱いにも長けており、零士を処分するのを止めようとしたエマを一蹴し一方的に振り回した。零士が怖気付いて何もできなくなるほどである。また、「八熱焔獄道」という炎の輪の閻魔道具を持ち、足止めに使っている。こちらは奮い立っていた零士に突破された(火傷は負っていたが。)。
コミカライズ版
概ねストーリー編通りの役回り・性格で登場するが、随所で本作オリジナルのものに変えられている。
第2審から登場。原作通り金の亡者を操ってお金を集めていたが、たまたま競馬で一発当てたエマからお金を奪わせてしまう。その様子を浄玻璃の鏡越しに見ることでエマが人間界に来たのを知り、いずれ迎えに行くことを独白する。
と同時に、お金を奪われたエマが復讐に燃えているのを見て自分の仕業というのは内緒にしておこうと冷や汗を掻く。
第3審では、エマたちに金の亡者が捕まりお金を取り戻されそうになったことで対峙。エマを『あの御方』の元まで連れて行こうとするも拒否されたため、いきなり閻魔の剣で貫こうとする。しかし庇いに入った零士の胸を貫いて行動不能にさせてしまたので、新たな金の亡者にしようとする。だがエマに懇願されたことで見逃し、そのままエマを連れ去った。
第4審~5審では、閻魔道具「グレイプニルの枷」でエマの手足を拘束するも地獄列車の時刻を勘違いして予約チケットを取ったことで待ちぼうけを喰らう。
そこへエマを助けに来た零士と対決となる。再び剣を投げつけるが、零士が胸に仕込んでいたお守り(コミックアルナ)の安心感から発したバリアによって弾かれ失敗。そこで八熱焔獄道の炎で焼こうとしたが零士に突破された挙句エマを救出される。そして解放されたエマに両手を拘束され、奪ったお金を取り戻されたことで戦意喪失する。
零士からもっとエマと話し合うべきだと説得されかけたが、同僚らしき人物が現れ「そいつらはもういい。それよりほかからお金を稼げ」という『あの御方』からのメッセージを伝えられる(余計なことも喋らないように釘も差された)。ヤマはその同僚を嫌っているらしく「あなたの声は耳障りなの」と追い払ってしまった。
ヤマもその場を立ち去るが、地獄列車の駅員から来た新宿駅を炎で破壊した損害賠償を請求され悲鳴を上げてしまう……。
第6審では、生活苦からメイド喫茶のアルバイトに応募する。金の亡者を使えば生活費を稼ぐくらいわけなかったが、理想実現以外の目的で利用すれば腐った冥府と同じということで使わなかった。
同じくアルバイトに来たエマ&零士と鉢合わせするが、今は死後中のため猫耳メイド・ヤマニャンに徹する。エマとお客さんの人気を取り合う勝負を行い、オタクたちを悦ばせるサービスを続けるがやり過ぎたため店長から注意を受ける(特にエマは露骨に狙った露出をしていた)。
帰り道では零士から「今回は仕事仲間としてよかったら一緒に食事に来ないか?」と誘われ、ツンデレしながらも受けるのだった。
オチでは実はオタクの一人が天界警察特務一級捜査官ザドキエルだったことが判明する。ザドキエルは密かにエマとヤマの監視をしていたらしく、エマたちは彼の存在には気づいていなかった。
なお、巻末では作者によるヤマニャンの衣装の解説がされている。
第11審では、古巣が恋しくなってメイドカフェで働いていたところ、零士とエマから接触を受ける。エマたちが保護した幼女『りっか』の写真を見せられ、彼女の正体について問われる。りっかは人間に擬態させられた『金の亡者』として活動させられており、ヤマなら素性を知っているのではないかということだった。
そしてヤマは、その写真の幼女がかつて自分が裁判を担当した笹原六花だと気づく。
六花の裁判当時、他の閻魔たちは「母親より先に死んだ罪で地獄行きにしろ」「贖宥金を払わせろ」とヤマに迫っていた。ヤマは「子供が払えるわけないでしょう!? せめてこの子が現世で稼ぐ補佐を私に」と抗ったが、帰ってきた返事は「時間の無駄」「どうせ大して稼げない」という冷たいものだった。
賽の河原へと送られた六花を前にヤマは涙を流し、冥府のやり方に怒りと絶望を覚えたのだった。
最終審では、零士たちにりっかの素性を明かした後、毛嫌いしている同僚が六花を操っている黒幕だと見抜き対峙する。その同僚の名はロキ。北欧神話で知られる男神であり、火を神格化した存在であった。既にロキは六花をエマたちから奪い返しており、『金の亡者』として強盗などの犯罪でお金を稼がせようとしていた(あの御方に対する忠誠心はあるようだが、行動の動機が「面白いから」という最低なもの)。
かつて救えなかった者の魂を救うべくロキに戦いを挑むヤマだが、まったく歯が立たず焼き殺されそうになる。そこへ駆け付けたエマと共闘するもそれでも勝てない。しかし、零士が大量の札束をエマに送り、それを信仰として示したことでエマは大幅にパワーアップ。ロキを消滅させた。
エピローグでは「ロキのような奴の台頭を許さないように私なりのやり方で頑張る」と語り、エマからも「私はいつだってヤマの味方です」と告げられ、お互いに笑顔を残して立ち去って行った。
余談
ヤマとはインド神話の冥府の神の名前であり、「閻魔大王」のルーツである。
ある意味エマ以上に正統派な美女であることや、冷徹に見えて所々で垣間見せるポンコツさやエマのやりたい放題な言動に振り回される苦労人気質なことから、徐々に人気を高めていき、出番が順調に増えていっただけでなく、日常回においても彼女が主役のエピソードが作られるようにもなった。
関連タグ
関連キャラクター
plott関連
上司(テイコウペンギン):登場作品のボケ役の主人公(それぞれパンダ・エマ)以上のドジでクズで外道な一面の持ち主であること繋がり。ただしこちらに比べれば理不尽な面は少なく基本的には前述通り「愛すべきバカ」といえるキャラクター像である。
生存フラグさん:ヒロインのライバルでツンデレであることや登場作品どころか恐らくPlott世界有数の戦闘力の持ち主であることなどが共通点。
レクイエム:同じPlottのキャラで厨二病やポンコツドジなとこはヤマをそのまま男性にしたかのようなキャラクター像である。戦闘能力は雲泥の差であるが呪物などの呪いに対する体勢を持つ。
その他
システィーナ=フィーベル:原作者である羊太郎のデビュー作のヒロイン。銀髪、融通が利かない生真面目な優等生、ツンデレで主人公に対しては厳しい、主人公との初対決では圧勝する、ある理想を掲げているなどが似通っている。
蘭陵王(Fate)、湊友希那:足して割ったようなビジュアルをしている。
ホーク・モス:邪悪な力を植えつけた蝶・アクマを人間に取り憑かせ、操る能力を持っている。
ソノイ:人間の欲望を解放させて怪人に変える能力を持つ。ただしこっちは操ることまではできない。また、ファッションに興味を持つ、学生時代からのライバルがいる、武器が大剣、純粋な人間ではないという点も同じ。
グリード(仮面ライダーOOO):同上。こっちはホーク・モスとソノイを足して2で割ったような能力を持っており、よりヤマに近い。