概要
ラスボスとその腹心のカップリング。共に炎の聖戦士の血を引く皇子と王女である。ユリウスは人を魅了する力を持ち、多くの女性が彼のもとへ集いながらも、作中で侍らせている異性はイシュタルのみで、身内からは相思相愛の仲と目されている。イシュタルは妃の座を狙う母ヒルダの思惑とは裏腹に、心からユリウスを慕っているが、最終的に変わり果てたユリウスの非情な命令に背き(変貌前に面識があったかは不明)、その事実を胸に秘めたまま彼のそばを離れて自軍との最後の戦いに臨んだ。
『聖戦の系譜』におけるユリウスは、イシュタルに終始余裕のある態度で接し、最終決戦でも「私から逃げたくなったか」と問いながらも笑って彼女の出撃を許していた。
しかし、外伝『トラキア776』ではイシュタルの守役の青年を嫌悪し、彼をもう近づけるなという命令に逆らわれた途端、「やつがおまえを見る目が気にくわん もし今度目の前に現れたら 俺はやつを殺す!」と、癇癪を起こした子供のような反応を見せた。
また、外伝では体調を崩したユリウスを私室に匿い、彼が変貌した原因である暗黒教団の司祭たちの干渉から守ろうとするイシュタルの姿も描かれた。
聖戦のノベライズ版ではイシュタルが自身の妊娠を疑う場面があるが、真相は明かされないままイシュタルは戦死した。
また、聖戦のゲームブック版のユリウスは上記の出撃許可を与える場面で、一族の誇りを重んじるイシュタルの発言に対してまるで無関心だったが、イシュタル戦死の報には「馬鹿な……。イシュタルめ、つまらんことに気をとられるからだ……」と独語し、地の文では「この闇の皇子にも、まだ人の心は残っているのだろうか」と続いている。