CV:菅原正志
概要
現WBAフェザー級チャンピオンであり、作中では歴史上最強のフェザー級選手とされている。国籍はメキシコ。
戦績は判明している限りで68戦68勝64KO、防衛記録21回。
WBCとの統一戦や上下階級王座への挑戦は行っていない。なお、描かれてはいないが作中ではこの記録も既に更新されていると思われる。この戦績が紹介された時点では強さのあまり有力ボクサーが別団体WBCの方へ殺到して防衛戦がなかなか組まれない状態であったが、現在は階級の粒がそろってきたのかリカルドが認めた相手だけと戦うポリシーを持っていることもあり、順番待ち状態になりつつある。
生ける伝説と化した人物だが、登場人物の心理描写が多い『はじめの一歩』において、全くその内面が描かれていない謎多きボクサーであったが、ホーム・メキシコでのWBA・WBC統一戦で彼の胸中の一端が明かされた。
それは孤高への懊悩。
誰も追随できない強さ故、己の実力を試されることはない。熱戦が繰り広げられたリングの熱も、ただ冷ますことしか出来ない。
かといって手を抜けるわけもない。それはボクシングに対する侮辱であるし、打たれればダメージを負うのは他のボクサーと変わりないのだ。
一歩は「誰も彼の実力を引き出すことは出来ないんじゃないか?」と慄いた。事実、WBCチャンピオンでさえ左ジャブ一本で完封してしまい、「私はまた試されなかった」とリカルドは心中で漏らした。
なお、彼は自分に届く強さの相手と打ち合いを望んでおり、決して打たれることを嫌っている訳ではない。
また、千堂からの自分を一人のボクサーとして他のボクサーと同様に扱う発言に対して、不遜に思うどころか一本取られたと言わんばかりに笑ったりと、根は砕けた人間臭い人物であることがうかがえる。
原作に加え、ゲーム『はじめの一歩2 VICTORIOUS ROAD』での驚異的な強さがネタとなりゲーマーには広く知られている人物。
ゲーム中では伊達のストーリーモード最後の相手となっているが、プレイヤー側の伊達を1発でKOする熊顔負けのパンチ力、100発殴っても倒れないタフネス、CPU特有の超反応という3点揃った怪物であり、多くのゲーマーがリカルドの前に倒れ、このゲームの攻略を諦めたという。
ボクシングスタイル
普段は精密機械のような理詰めのボクシングを展開する模範的ボクサー。驚異的なパンチ力とテクニックを誇り、日本王者である幕之内一歩のデンプシーロールを左のジャブだけで破り事実上KOするほどの技量差を見せつける。
しかし、この上品なボクシングは本気を出すまでもない相手をエネルギーを浪費せずに仕留めるための仮の姿。ガードの上からでも超一流の技巧と駆け引きに加え構わず相手が倒れるまで暴力的なパンチを急所めがけて放ち続ける好戦的なメキシカンスタイルこそが本来の姿。この時ばかりは常に超然とした態度で試合を見守り解説するのが常の鷹村守ですら多量の冷や汗を流し「今の中量級でアレに勝てるボクサーなんぞ存在しない、歴史上いないとさえ思った」と絶賛したほど。
世界タイトルマッチでもこのボクシングスタイルを貫いているが、伊達英二との2回目となる世界タイトル戦では、伊達の実力を認め、先述のスタイルを披露して終始圧倒した。
ウォーリー戦では、彼の天衣無縫なスタイルと圧倒的な身体能力に翻弄されながら、ボクシングのルールに従い上半身前面しか打てない以上はガードを堅めて下がらず、前面にいる瞬間だけを狙って、世界一になるまで洗練したジャブを当てる事だけに徹して、たった1Rで形勢を翻した(余談だが、この前面にいる瞬間を狙って見逃さない戦術は、青木のタイトルマッチで今井が取った方法で、実は既出)。
このジャブに徹した戦法に、リカルドはΩと称された。
モデル
モデルはメキシコ史上最高のボクサーと称えられるリカルド・ロペス(⇒Wikipediaの記事)。
52戦して一つの引き分けを除いて全勝(51勝37KO1引分、その引き分けの相手にも後日再戦して勝利している)、防衛記録21回という記録を残している。基本に忠実なスタイルを貫き、かつ最軽量級でありながら驚異的なKO率を誇るなど、「科学と暴力の融合したスタイル」という点でもマルチネスとの共通点がある。
関連タグ
※以下、ネタバレ注意
リカルド・マルチネスがボクシングを始めボクサーとなった原点は、幼少期に荷物運びの仕事をしてた時に、後に自分のトレーナーとなるビルへ、ボクシンググローブを持ちながら「強いって、どんな気持ちなの?」と聞いたことから初まっており、この原点は一歩がボクシングを始めボクサーとなった原点であった、「強いってどんなんだろう」とボクシングを初めた一歩と同じ原点であった。