「ごっつう強い相手とどついてどつかれて————勝つ!!ワイは強いんやと心の底から思えるんやんけ!! ワイはその瞬間が、大好きなんや」
演者一覧
cv:小野坂昌也(アニメ・ドラマCD版)、氷上恭子(幼少期)
松田凌(舞台『「はじめの一歩」The Glorious Stage!!』)
概要
モデルは赤井英和。
元日本フェザー級チャンピオン、現WBC同級1位。
主人公・幕之内一歩に匹敵するほどの豪腕を誇り、「浪速の虎」「浪速のロッキー」の異名を持つ、宮田一郎と並ぶ一歩最大のライバルの一人。
コテコテの関西弁を操る典型的な下町の大阪人で、気性が荒いが根は優しい兄貴肌。いつも群がってくる近所の子供たちにファイトマネーで褒美を買ってやったり、後輩の星洋行や入院した沢村竜平の面倒をみたり、義理人情に厚い熱血漢。また大の猫好きで、自身の飼い猫のみならず出会った猫と片っ端から友達になるのが特技であり趣味。
学生時代不良だったからか、学力は低い。本人曰く「喧嘩が好きで、相手をぶっ飛ばしてばかりいたら、いつの間にかプロボクサーになっていた」らしい。この時「名古屋の竜」と言われていた沢村と出会っている。
現在までに一歩と公式戦で二度戦った唯一の相手である。(千堂の2戦2敗)
今でも一歩を一方的にライバル視しており、WBAの王者になった後真っ先に指名し再戦すると豪語しているが、一歩の家に宿泊したり一緒に試合を観戦しようとジムまで訪ねてきたりしている為に「馴れ合い野郎」等と言われたりした。
宮田とは同階級ではあり互いに意識し合ってはいるが、ライバルとまでは言えないという付き合い。宮田からは「(一歩に)二度も負けてるくせに」と言われる事もあるが、一方で一歩と公式で二度も戦った事を羨ましく見られている節もある。
王座決定戦での辛勝からヴォルグ・ザンギエフに対しても因縁を感じており、彼のIBFタイトルマッチを一歩と共にテレビで観戦したりしている。
母親は自身が生まれた時に死別、消防士だった父親は自身が5歳の時に火事現場で当時の千堂と同い年の子供を助けて殉職しており、以降は駄菓子屋を営む祖母と二人暮らしをしている。その祖母から「父親のように人を守れる男になれ」と言われて育ってきたが、やがて同級生をいじめから守るために体を張るようになり、それが延長して喧嘩に明け暮れ、番長のようになってしまった。なので不良と言っても周りからの評価はそれほど悪くはなかった模様。(ただ祖母としては不本意であるため「手の付けられない『ごんた(やんちゃ)』になってしまった」といつも一喝されている。)
上記のように喧嘩に明け暮れていたが、何時の頃からか心の中に「強さとは何か」という問いを抱くようにもなっており、出会い方が異なればボクサー以外の格闘家として生きていたかもしれない。奇しくも自身最大のライバルと目する一歩とはボクサーとしての根幹が似ている。
学生時代に世話になった女性教師がおり、当時から彼女には好意を寄せられていた。彼も少なからず好意を抱いていた模様で、最近夫のDVから逃げ出してきた彼女を自宅に匿っている。(表向きは「海外遠征の時に祖母を一人にするのが心配だから」と言っている。)そのため一歩や宮田と異なりある意味恋愛面では勝利している。
戦歴
一歩が東日本新人王に輝いたのと同時に西日本新人王となった。似たような経歴でなおかつ素晴らしいファイトをする一歩のことを早くからライバルとして認めており、全日本新人王決定戦で対決したが、テンプルに直撃をくらい3RTKO負けを喫した。
その後、伊達英二が返還した日本チャンピオンの座を巡ってヴォルグ・ザンギエフと対戦。ヴォルグのテクニックに苦戦を強いられ若干劣勢であったものの、審判のホームタウンディシジョンともとれる判定によって判定勝ちとなり、日本チャンピオンに輝いた。
防衛戦では一歩と戦った相手である冴木卓麻を下し、コンバットサウスポーの使い手である茂田晃にも苦戦しつつ最後は圧倒的な爆発力で勝利した。
一歩とのタイトルマッチにて再び激突し、両者とも丁々発止の凄まじい戦いを繰り広げた。互いに死力を尽くし戦い続け、ミックスアップと呼ばれる試合を通じての成長を遂げるほどの名試合を展開。最後は一歩のデンプシーロールの完成形を食らう形で敗北。
その後は世界戦を目指して試合を繰り返し、リカルド・マルチネスとの戦いに備えて、多くのメキシカンを相手に試合を繰り返しており、メキシコでは「虎(ティグレ)」の異名で呼ばれており、WBCの世界ランキング上位となっていき、勝った方が次のリカルド・マルチネスの挑戦者が確約される試合で、一歩を退けた格上の無冠の王者でもあり自分と同類であったアルフレド・ゴンザレスとの真っ向から殴り合う激闘の末、右手の骨が砕ける程の大怪我を負いながらも勝利する。
ファイトスタイル
一歩と同じく国内屈指のインファイターで、単純なパンチ力だけなら一歩以上。お手本に忠実な一歩とは異なり、より攻撃に特化した野性的なファイトスタイルで、一歩よりも骨格が大きいためショートレンジでは小回りの利く一歩に劣るが、ミドルレンジでの攻防は千堂がパワーで上回る。
真っ向勝負を心情とし、下手に策を弄するよりも正面からの殴り合いを制する戦法を取る(というより小難しい戦術を覚えられるほど頭がよくないらしい)。一方で野生的な勘の鋭さや強かさも兼ね備えており、勝負師としての駆け引きには頭が回る。
喧嘩スタイルの殴り合いが下地にある影響で所謂右構え・左構えの概念が薄く、試合中にクイックシフトを行ってサウスポーになることもできる。(宮田がランディ・ボーイ・ジュニアと対戦するにあたり、両利きによるランディの高速スイッチ対策としてスパー相手に千堂を呼んだ事がある。)
得意技はフックとアッパーの中間の斜め下から放つスリークォーターのアッパー「スマッシュ」。中学時代に多数の相手に囲まれた時に、一撃で相手を倒す方法として独自に研究を重ねて身に付けたもので、その破壊力はミドル級まで減量していたとはいえ鷹村守のガードを崩して体をズラすほど。改良型として低空からの身体の伸びあがりを加えて放つ低空型、クイックシフトによって右腕で撃つ利き腕型のスマッシュがある。
野性的な本能から来る殺気も凄まじく、その殺気を利用して相手を追い詰めるフェイントも強力。フェザー級日本王座の初防衛戦ではこのフェイントだけで冴木卓麻を翻弄している。
他にも超接近戦用の技として、相手のボディーに拳を当てた瞬間に思いっ切り拳を握り込んで脇腹を抉る「握り拳」がある。地味な技ながら威力があり、喰らった相手は脇腹が抉り取られたような錯覚を覚えている。
弱点としては攻撃が強い分防御が甘い事。正面からの殴り合いを好む気質から多少のダメージを気にせず一撃を当てに行くためどうしても被弾が増えてしまう。とはいえ千堂のパワーであれば2、3発喰らってでも1発返せば一気に逆転できるため、相手にとっては戦々恐々である。
また熱くなりやすく入れ込みがちなタイプなので、試合に臨むにあたり気持ちが入れ込み過ぎて当日の試合での初動が遅れたり、技巧派なボクサーと対峙すると翻弄されやすい。一歩とのタイトルマッチでは入れ込み過ぎを突かれて初っ端からデンプシーロールを喰らうというミスを犯したほか、ヴォルグ戦や茂田戦では相手の技術力に四苦八苦していた。
上記の「強さとは何か」というボクサーとしての根幹やファイトスタイル等、性格は異なれどボクサーとしては一歩と共通点が非常に多く、鴨川会長からは「好敵手」と見なされている。一歩との二度目のタイトルマッチは互いが互いを高め合う「ミックスアップ」と呼ばれる内容になり、互いに限界を超えた力を生み出し試合中に成長し続けるという好ゲームとなり、ファンの間でも作中ベストバウトの筆頭候補に挙げられている。
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柳岡かずひろ:自身のトレーナー
星洋行:ジムの後輩
沢村竜平:学生時代からの付き合い