リバイアサン(映画)
りばいあさん
1989年に公開されたSF映画で、海底の採掘基地を舞台にしたモンスターパニック映画でもある。
内容は海底を舞台にした『エイリアン』といったところ(『エイリアン2』の監督兼ダイバーでもある「ジェームズ・キャメロン監督が同時期撮った『アビス』の影響大!?)。
フロリダ沖4800メートルの海底に建設された資源採掘基地。作業員はそれぞれの目的のために過酷な環境下で働いていた。
しかし、滞在期限まであと2日という日に、作業員のシックスパックとウィリーがソ連の沈没船「リヴァイアサン」を発見する。しかし、その船は現在ロシア艦隊に所属しているとのことで、同じ名前の船が二艘あることをベックは不審に思う。
沈没船の中を調べた2人は1台の金庫を回収する。シックスパックはその中に入っていた年代物のウォッカを密かに隠し持ち、それを見ていたボウマンと一緒に飲んだことで、体に異変が起こり始め、湿疹から始まった病状は全身に及び、18時間後に死んだ。さらにその遺体は異形のものに変わり始めていた。シックスパックより遅れて体調不良になったボウマンは死んだシックスパックの遺体を見て自分も同じようになると悟り自殺。二人の遺体は船外へと廃棄されたが、廃棄する際に船内に残された遺体の一部が再生し、モンスターとなって作業員を襲い始める。
ロシアはかつて「リヴァイアサン」で海底で作業できる人間を作ろうと遺伝子操作による実験をしたが失敗し、危険を食い止めるために「リヴァイアサン」を沈めたのである。その怪物は深海生物の特徴として高い水圧に耐えられ、さらに犠牲者の知識を自分のものとして吸収する能力を持っていた。
事実を察した上司マーティンは会社に損害が出ないように、作業員たちは事故死したと偽りの発表をして、彼らを見捨てる。
作業員たちが次々と怪物に殺される中、ベックは自らの血を餌に怪物をおびき出そうとする。
ウィリーとジョーンズを先に逃がし、ベックは怪物を爆発する基地に閉じ込めて脱出する。
海上に逃れた彼らだったが、怪物も生きていて海上に上がってくる。ジョーンズが犠牲になるが、ベックは持っていた爆弾を怪物の口に入れて爆発させることで、ようやく怪物を倒した。
ヘリコプターに拾われたベックとウィリーは保護された油田施設で駆けつけたマーティンと再会する。ベックたちを死んだことにしたことを隠して「私はあなたたちが生きているって信じていた。気分はどう?」と笑顔で聞いてくるマーティンを、ベックは拳で殴ってノックアウトして、「いいぜ。すかっとした」とすまして答えて、ウィリーを連れて去って行った。
スティーブン・ベック
演:ピーター・ウェラー/吹替:仲木隆司(VHS版)・磯部勉(テレビ朝日版)
地質学者で現場責任者。責任感の強い性格。シックスパックが体調不良で作業を抜けたときは、代わりに作業に入るなど面倒見もいい。
グレン・トンプソン医師
演:リチャード・クレンナ/吹替:有本欽隆(VHS版)・小林昭二(テレビ朝日版)
医学博士。過去の失敗(医学ミス)を引きずっているため、仕事にやる気がないが、優秀な人物。シックスパックの異変によって優秀な科学者ぶりを発揮する。会社が自分たちの人命をおろそかにしないと信じるベックを「世間知らずの坊ちゃん」と言うなど、現実をシビアに見る性格。
エリザベス・ウィリアムス(ウィリー)
演:アマンダ・ペイズ/吹替:高木早苗(VHS版)・佐々木優子(テレビ朝日版)
電機主任の女性。みんなからは「ウィリー」と呼ばれている。基地内でもジョギングでよく走っているスポーツウーマン。
バズ・パリッシュ(シックスパック)
演:ダニエル・スターン/吹替:飛田展男(VHS版)・安原義人(テレビ朝日版)
作業員の一人で保安係。沈没船の金庫に入っていたウォッカを飲んだために遺伝子変異を起こして死亡。
ジャスティン・ジョーンズ
演:アーニー・ハドソン/吹替:沢木郁也(VHS版)・菅生隆之(テレビ朝日版)
作業員の一人。ベックとウィリーと3人で海上まで逃げのびたにもかかわらず、追ってきたモンスターに襲われて死亡するという悲惨なキャラ。
デジーザス
演:マイケル・カーマイン/吹替:龍田直樹(VHS版)・牛山茂(テレビ朝日版)
作業員の一人。再生したモンスターに襲われて死亡。
ブリジット・ボウマン
演:リサ・アイルバッハー/吹替:堀越真己(VHS版)・さとうあい(テレビ朝日版)
作業員の一人。財テクに夢中の女性。シックスパックと一緒に沈没船の金庫に入っていたウォッカを飲んだために遺伝子変異を起こしてしまう。シックスパックの遺体を見て、自分がシックスパックのように変異しているのに気づいて恐怖のあまり自殺した。
G. P. コッブ
演:ヘクター・エリゾンド/吹替:西村知道(VHS版)・麦人(テレビ朝日版)
作業員の一人で保安係。再生したモンスターに傷つけられたことで、自らもモンスター化して死亡。
マーティン
演:メグ・フォスター/吹替:高島雅羅(VHS版)・高畑淳子(テレビ朝日版)
本部にいるベックの女上司。基地の異変を察して、ベックたちが死んだことにして会社の損失を取り繕うとするなど、人命よりも会社の利益を優先する非情な性格。最後はベックに思い切り殴られてノックアウトされた。
ヘリパイロット
演:ラリー・ドルギン/吹替:秋元羊介(テレビ朝日版)
海上に脱出したベックたちを助けたヘリコプターの運転士。
この作品以降、似たような海底パニックホラー映画がいくつか制作されている。
- ザ・デプス
- 新リバイアサン・リフト
なお、『新リバイアサン・リフト』はタイトルと内容が似ているので続編のように見えるが、配給会社が便乗邦題をつけただけであり、実際は全く無関係な別作品である。
海底パニックホラーのゲームも発売されている。