アメリカ合衆国東海岸北部、ニューイングランド地方にある大西洋に面した州。州都及び最大都市はプロビデンスだが、マサチューセッツ州ボストンの影響も強い。面積は全米最小で、陸地面積は2700平方キロと、これは神奈川県に伊豆諸島を足したぐらいの面積に過ぎない。人口は約110万人。
それゆえリトルローディという愛称を持つが、なぜこの小さな州が独立したままでいるかは、複雑な州の歴史を繙く必要がある。
概要
このロードアイランド州の場所は、インディアン部族土地強奪に反発し、追放されたロジャー・ウィリアムズという敬虔なバプテスト信者が「神の摂理」という意味合いを込めて、インディアン部族からきちんと購入した土地にプロビデンスと名付けて拠点開発を行った。ウィリアムズが去った後も信仰の自由を求める人たちの拠り所となり、完全な信教の自由を保障するという唯一の植民地として知られ、インディアン部族との関係も比較的良好だったという。
だが、暴君としても知られた英国フィリップ王がインディアン部族の集落を破壊してから、州の性格は変わっていき、後にカリブ海諸国との奴隷貿易にも荷担したりしている。その後は産業革命によってニューハンプシャー州やコネチカット州などとともに、繊維業が発展を見ていき、また後述するように、プロビデンスは職人の街としても発展していった。
昨今では他のニューイングランド諸州と同様、移民、難民の受け入れに積極的であり、今も昔も移民が多い州の一つにもなっている。また、信教の自由を受け入れてきた土地柄から、全米の州で珍しくカトリックが過半数となっている州でもある(フランス文化の影響が強いとされるルイジアナ州でも過半数となっていない)。
州の特色
リトルローディよりもっと一般的な通称として「オーシャンステート」というのがあり、名の通り、ロードアイランド州は海に面し、ロード島を初め多くの島を持った海洋州でもある(海洋面積を含めると滋賀県ぐらいの面積になる)。州旗も州章も港にちなんだ錨となっており、漁業も伝統的に盛ん。また、海洋に面しているため、緯度の高さにかかわらず夏は蒸し暑く、冬は意外と温暖である。
また、プロビデンスを中心にユダヤ人が多く移り住んだ歴史もあって、同時に彼らが得意とする装飾用宝石加工が盛んな州でもあったが、不況や他国との競争に敗れ多くの工場が閉鎖され、かつて「蜜蜂の巣」とまで言われた職人の街としての性格は大きく変わっている。
一方で、大手玩具メーカーのハズブロ社(モノポリーやトランスフォーマーのライセンス販売で知られる)や高級万年筆で名高いクロスなどは、ロードアイランド州に本社を置いているが、これも職人の街と言われたプロビデンスの歴史を物語っている。