概要
鷹村剣次氏が投稿していたファンコミックであり、正式名称は「遊戯王アークファイブ五つの次元編」(旧題:「遊戯王アークファイブ俺だったらこーしたシンクロ次元編」)。基本的に毎週木曜日の深夜に更新されていた(前後編構成の話が2夜連続で投稿されることもあった)。
1~29話までは大幅に改変された(「ユーゴVSデュエルチェイサー227」までは原作通り)シンクロ次元編のストーリー「俺だったらこーしたシンクロ次元編」が展開され、30話からはオリジナルストーリーである「五つの次元編」に突入した。また、五つの次元編は50話で一区切りを迎え、51話から新章に入っていたが、2017年4月20日深夜に本編が完結し、27日深夜の番外編2を以て漫画の投稿が終了した。
上記の理由により、タイトルイラストが2度変更されている。タイトルイラストの変遷は下記リンク参照。
カードは基本的にOCG効果のものを用いるが、たまに原作効果のカードやオリカも登場する。
作画は作者曰く「更新ペースを優先してとことんサボる」(1話後書き参照)とのことであるが、その言葉とは裏腹にモンスター作画は必見。
ストーリーラインはシリアスなものの全体的にギャグ寄りの作風で、随所に小ネタがちりばめられている。
この作品の特徴
- アクションデュエルのルール変更やオリジナルルール
アクションデュエル
この作品のアクションカードは1つのアクションフィールドに2枚存在し、取るとデッキに存在する任意のカードの代わりとして使う(つまりワイルドカードによる疑似ディスティニードロー)ことができる。アクションカードを魔法・罠カードとして使う場合、タイミングを逃していなければ手札から罠を発動することもできる。
また遊矢VSユーリ戦を見る限り、装備魔法でも相手ターンで使用可能な模様。
1話を見る限りではスタンダード次元編ではアニメ同様の仕様であり、シンクロ次元に渡るに当たって実戦向きに仕様変更した模様。
なお、実装当初姿を消していたはずの遊勝はあっさりこのルールに順応しているが、恐らく究極のカードを通じて把握したと思われる。
ダークネスフィールド
「五つの次元編」オリジナルルール。過去作のスピードカウンターと同様に、特定の条件を満たすことでDカウンターが溜まり、Dカウンターを消費することでメリット効果を得ることができる。34話で初登場した。
ただしダークネスの力が必要になるため闇のゲームとなり、ダメージは実体化する。
- キャラの設定変更
彼女は(原作通りの)瑠璃ではない他、ARC-Vと出典のいずれとも異なる設定の過去作キャラが出たりする。また、設定の変更によって末路が大きく変わる人物もいる(セルフカード化する人が変わるなど)。
- 原作と異なるデッキの使用
ジェネクス使いの捕縛隊、耐えずに攻めるセルゲイなど。ただしデッキが変更される可能性があるのはARC-V初出キャラのみであり、過去作キャラは出典(漫画版含む)のカードを使うことがある程度である。
- 原作より多い過去作要素
- 豊富な没ネタ
後書きのページに描かれている。様々なネタが存在するが、時に本編の舞台裏を描いていることもある。
本作独自の用語など(ネタバレ注意!)
- ペンデュラム次元
スタンダード次元が改変されたアニメとは異なり、四つの次元のバランスの崩れから生まれた全く新たな第五の次元。生まれたばかりであるため究極のカード(後述)とその周辺のシェルピンスキーのギャスケット型の地面以外は何もない渾沌とした空間が広がっている。
なおペンデュラム召喚については、本作に置いては外界への進出を狙うユーゼがそのとっかかりとして遊矢に与えたものとなっている。
- カード化
アニメとは異なり文字通りカードに肉体ごと封印される(漫画版5D'sでイェーガーが行っていた罰ゲームと同じもの)。
こちらはカード化と解除を自由に行うことができ、遊矢の仲間たちも使用可能。荷物の持ち運びや外界からの一時隔離など、主に保護目的で使用されることが多い。
- 究極のカード
五つの次元それぞれに存在する「世界のすべてが記されたカード」。モンスターの姿が描かれた巨大な石板であり、アカシックレコードのようにその次元の全ての在り方が記されている。
このテキストを書き換えることで世界の在り様を変えることができ、テキストを消せば世界も消える。ただし、干渉できるのはそれぞれの究極のカードが選び出した特別なデュエリストのみ。守護者であればデュエルに使用することも可能。
シンクロ次元とエクシーズ次元のものは「5D's」と「ZEXAL」の記憶を持っており、当該作品に登場した力を与えることもできる。
ペンデュラム次元のものはモンスターではなく巨大な振り子の絵が描かれた石板だったが……。
内訳は以下。
・ジェネシス・オメガ・ドラゴン
スタンダード次元の究極のカード。とある山の中に建造された専用区画に安置されている。
漫画版ARC-V出展。この当時はまだ名前しか判明していなかったため、デザインは四天の竜の特徴を組み合わせたオリジナルとなっている。
・青眼の究極竜
融合次元の究極のカード。アカデミアの地下ブロックに安置されている。
当初は融合次元に巣食っていた邪悪である「破滅の光」と「ダークネス」が融合して誕生した「カオス」(後述)に乗っ取られて「混沌幻魔アーミタイル」に変貌しており、ユーリによってカオス本体が撃破されたことで元に戻った。
ちなみにおまけではカイバーマンらしき精霊がついている。
・赤き竜/アルティマヤ・ツィオルキン
シンクロ次元の究極のカード。地下強制労働場の隔離ブロックに安置されていた。
劇中初めて登場した究極のカードであり、ロジェが力を求めて無理やり封印を解いた結果次元のバランスが崩壊。同様の事態を防ぐために急遽ジャックを守護者として選び出し、「5D's」の記憶からシグナーの力を与えた。
後にジャックがユーゴとの決戦に際してカード化して持ち出し、デュエルに投入している。
・No.100 ヌメロン・ドラゴン
エクシーズ次元の究極のカード。月面に存在する。
アカデミアがエクシーズ次元に侵攻したのはこのカードを求めてのことであった。
融合次元の侵略により守護者の候補が全滅してしまったため、「ZEXAL」の記憶をもとに天城カイトをコピー、自らの守護者として配置した。
フットワークが非常に軽い上に世話焼きで、アレンやサヤカにNo.を与えた他、クロウが危機に陥った際にはシンクロ次元から赤き竜を呼んで来た。
・覇王龍ズァーク
ペンデュラム次元の究極のカードの変異体。
ユーゼが各次元の選ばれしデュエリストのデータを集め、全ての召喚法を扱える零児の肉体を乗っ取ったことで完成させた。
- 選ばれしデュエリスト
五つの次元にそれぞれ一人ずつ存在する、特殊な力を持つデュエリスト。
歴代主人公たちもそうであったことが示唆されており、本編では遊矢シリーズの4人と本作オリジナルキャラクターの「ユーゼ」が該当。
いずれも強大な実力に加え、デュエルの勝敗をきっかけに勝者が敗者の魂を取り込む性質を持つ。
自身の出身次元の「究極のカード」のテキストを書き換えることができるが、例外として全ての召喚法を会得した遊矢は全ての究極のカードに干渉可能(ただし「書き直し」についてはその次元の出身者が必要)。
また、遊矢はこの書き換え能力を自身の所有するカードに対しても無意識に発現させており、オッドアイズ・ドラゴンは生まれたばかりの時にこの力で創造している(描写からして派生のドラゴンモンスターもこの力で生み出したと思われる)。最終的にはこれが、事象を掌握制御する文字通りの「魔法」として自在に使えるようになった。
- 守護者
バランスの崩れをきっかけに究極のカードが選出したデュエリスト。究極のカードに危機が迫ると自動的に召喚され、敵対者をデュエルで排除することになる。
究極のカードを書き換えるには守護者と戦って勝つ必要があり、これは書き換えられた次元を元に戻す場合でも例外ではない。
本編ではそれぞれ遊勝、エド、ジャック、カイトが該当。なおカイトについては「ZEXAL」における天城カイトをコピーした精霊であり、敗北すると消滅するリスクを持つ。
- 防衛装置
ユーゼ以外の選ばれしデュエリストにそれぞれ対応するデュエリスト達。
本編では柚子シリーズの4人が該当。生まれつきブレスレットを所持しており、選ばれしデュエリストが複数集まると片方を元の次元に転送する。
また、そもそも複数集まる事態を避けるために、基本的に選ばれしデュエリストと人生を共にするべくそれぞれの「つがい」として運命づけられている。
なお、4人揃うとブレスレットの力を共鳴させて融合合体が可能であり、この状態になると選ばれしデュエリストを外部から融合・分離させることができる。
ただし選ばれしデュエリストと異なり一時的なものに限られ、基本的には一度力を行使すると分離する。
- カオス
融合次元を狂わせた邪悪な存在。「破滅の光」と「ダークネス」が究極のカードに入り込み、そこに宿る融合の力で一つになった結果誕生した。
その目的は、終焉と再生を繰り返して進化する宇宙のサイクルを、4つの次元を統合して膨れ上がった巨大なスケールで行い、新生した宇宙で神として君臨することであり、究極のカードに振れた零王を乗っ取り端末として動かしていた。
つまるところ本作で起きた事件の黒幕であり、アーミタイルに起因する本体はユーリにとりついたのち、遊矢を起点に統合されたことで選ばれしデュエリスト達の肉体を支配する。が、これは遊矢による意図的な顕在化であり、防衛装置組に撃破されたことで消滅。
零王を支配していた残りもユーリに倒され、完全に消え去った。
- フラクタル
ユーゼが使用する本作オリジナルのカテゴリ。所属するモンスターはEXデッキのモンスターや儀式モンスターも含めて全てペンデュラムモンスターであり、処理に関わらずモンスターゾーンを離れると空いているペンデュラムゾーンへ(空いていない場合は通常通りにEXデッキに送られる)、ペンデュラムゾーンを離れるとEXデッキへ送られる共通効果を持つ。
遊矢の持つオッドアイズ系列のドラゴンをエースに据えており、EMを元にした「FM(フラクタルメイト)」は元ネタの動物を装飾しただけの非常にリアルなデザインとなっている。また、確認できる限り元のEMにおける非ペンデュラムモンスターが元ネタの模様。
FMは額にシェルピンスキーのギャスケットを象ったマークがあり、カテゴリ内カテゴリの「フラクタルアイズ」と名のつくドラゴン族はそれぞれが別のフラクタル図形を象った翼を持っている。
関連タグ
原作:遊戯王ARC-V
外部リンク
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