鉄仮面に顔を奪われ十と七つ 生まれの証さえたたん、このあていがなんの因果かマッポの手先
けんどなあ、こんなあていでも愛することの尊さは忘れちょらんき
2代目スケバン刑事、麻宮サキ!
愛を忘れ人の心の弱みにつけ込む悪党共。おまんら、絶対許さんぜよ!
概要ぜよ
和田慎二の漫画『スケバン刑事』の原作の後半を大胆にアレンジした『スケバン刑事Ⅱ』の主人公。2代目麻宮サキ。
なお『スケバン刑事Ⅱ』がリアルタイム時に、より大きな人気を得た事からドラマ版ファンの間には「麻宮サキと言えば、この子」という傾向が比較的強い(特に他の"麻宮サキ"が存在する事を知らない人が、とても多い)。
が、『スケバン刑事』シリーズには原作と原作に沿ったドラマ版が存在しており「麻宮サキ」とは本来はこの作品の主人公の名(本名・出生名)である事と、陽子が名乗る「麻宮サキ」は、あくまでもコードネームに過ぎない(しかも「五代陽子」も仮の名に過ぎず本名は違う)という事には要注意。
特にpixivでの「麻宮サキ」は原作および初代サキ(演:斉藤由貴)を指す事が多いので、混同の防止や住み分けの配慮を必要とする。
解説しちゅうき
演:南野陽子
幼少の頃、何者かによって家族を殺され、自身も鉄仮面を被せられてしまった忌々しい過去を持つ。
高校に進学するまでは酷く苛められたのが原因でやさぐれてスケバンになる。上述のキメ口上に見られるように土佐弁めいた言葉遣いをする事が多い。
しかしある日、自分の父親と因縁がある暗闇機関の西脇の手によって鉄仮面は外され「麻宮サキ」のコードネームを与えられた。
最初は2代目スケバン刑事・麻宮サキになることを拒んだが、過去の真実を追求するために最終的に受け入れた。
そして、矢島雪乃や中村京子をはじめ、心強い仲間とともに、全国の学園を我が物顔で支配しようとする組織『青狼会』と戦う。
※ここからはネタバレになっちゅうぜよ!
そんなある日、『青狼会』を操る黒幕の存在を知る。その黒幕とは“鎌倉の老人”…またの名を信楽老。私利私欲の為に自分の両親を殺した張本人だった。そして謎を追っていくうちに、自分の本当の名前が“早乙女志織”であることを知り、さらに『青狼会』を率いていた影の総統の正体が、幼馴染の恭志郎だと知る。
その後、自分を庇って恭志郎が死亡。さらに追い打ちを掛けるが如く、終盤で暗闇機関まで信楽老の圧力に屈し、自身は“2代目スケバン刑事麻宮サキ”の名を剥奪されることで孤立してしまう。
しかしそれでも信念をねじ曲げず、西脇と一度決闘して勝ったあと、雪乃や京子とともに信楽老と戦う決意をするも、間もなく信楽老の手先によって雪乃と京子が次々と倒れてしまい、自身も暗闇指令率いる警察に追い詰められる。それでも自分の覚悟を暗闇指令らに伝えた時、信楽老に屈した暗闇機関を見限った西脇に助けられる。
その後、西脇の真意を聞かされるも、その西脇も信楽老の手先によって倒されてしまう。
次々と倒れていった仲間のために最終的に鉄仮面を被り、最終決戦で信楽老が飲もうとした不老不死の薬を破壊した事で信楽老の野望を打ち砕くことができたが、間もなく力尽きてして湖に真っ逆さまに落ちてしまう…。
(その後信楽老は、陽子の覚悟に目が覚めた暗闇指令に射殺される)
それから数日後…。
負傷しながらも無事に生還した雪乃と京子、そしてクラスメイトの間で重い空気が漂っていた…。そう、“麻宮サキ”が死んだというのだ…。
ところが、そんな重い空気を読まず、松葉杖をついてズッコケて現れたダメ教師…それは、やはり負傷しながらも無事に生還した西脇だった。
西脇「え~…今日から、みんなと一緒にお勉強をする、新しいお友達があります。君…」
とともに現れた一人の少女…。その姿に雪乃と京子、そしてクラスメイトは歓喜に包まれた。
西脇「早乙女志織くんで~す!!」
「皆さん、よろしゅうお願いします。」
こうして、一人の少女は負傷しながらも無事に生還し、“早乙女志織”としてごく普通の学生生活に戻ることが出来たのだった。
2代目スケバン刑事・麻宮サキ 永遠に…
余談やき
名前の由来は演者の名称から。これは次作も同様。
五代陽子の設定に関しては原作のサキのみならず、サキの後輩となるセミレギュラーの学生刑事である小塚左智子(ツグミ)の要素(自身の本当の顔を隠して生きてきた背景、青狼会の恭志郎との関係、など)も強い面が見受けられる。そのため陽子は原作における両名(サキとツグミ)を足して2で割り一人にしたキャラとも言える。あと鉄仮面そのものは原作では神の持っていた要素である(デザインや用途は異なっているが)。
最終回のラストシーンは一応、原作の最終回のオマージュであるが、原作では卒業式に麻宮サキが現れたあとに生還したムウ=ミサ(西脇のモデル)が現れ、すでにサキは自分たちが手厚く葬ったと証言し、学園関係者が見たサキが幽霊であるということに気づくという哀しいものだった。それがドラマ版では『麻宮サキが死んで早乙女志織が転入してくる』という形でアレンジされた事が、原作者である和田慎二氏が『スケバン刑事Ⅱ』を高く評価する理由の一つにもなっている。
なお陽子の土佐弁は、現代的視点から言えば、いわゆるドラマ作劇上の役割語としての側面が強く本来の土佐弁とは異なっている部分もそれなりにあるため、彼女の方言関連の言葉遣いに関しては、あまり鵜呑みにしてはいけない(これ自体は、どんな作品にも言える事だが)。