概要
大山版ドラえもんのエピソードの一つでアニメオリジナルエピソード。
1996年6月7日に第1401話として放送された。映像ソフト化されていない作品の一つでもある。
ストーリー
ある日、河原で花冠を作って過ごしていた静香は、ある光景を目にする。
「なんだよこの点数は!15対0!15対0だぞ!!サッカーでこんなボロ負けがあるか!!!」
それは先ほどサッカーの試合でケッターズというチームに大敗したジャイキックスのメンバーに説教するジャイアンの姿だった。スタミナの無さを指摘するジャイアンの言葉を受け、スネ夫とのび太は
「そ、特にのび太が」
「あー!スネ夫だって足がもつれてただろ!」
「のび太なんか一度もボール蹴らなかった!」
「一回掠ったもん!!」
などとしょーもない責任のなすりつけ合いを始めるが、それをジャイアンは「うるせーっ!!」と一蹴。
そしてジャイアンは二度とこんな負け方をしないようにと今からトレーニングを強要。内容は「グラウンド一周、全力疾走。ビリになったやつは拳骨100発」という横暴としか言いようがないメニューを課す。
そして「のび太が居てくれれば絶対ビリにはならない」と安心したスネ夫達はすぐさまトレーニングを開始。ジャイアンが1着、安雄が2着、はる夫が3着でゴール。しかし狡猾なスネ夫は真面目に走んなくてもどうせのび太がビリであると確信し、余裕をこいてのんびり歩いている有様だった。
案の定体力がないのび太はすぐにバテてしまいビリでもいいのかとドラえもんに煽られても「良くないけど、いい」などと言い出す始末。そこでドラえもんは人間アクセルブレーキをのび太に貸し与える。使えばバイクのように早く走れるこれを使い、のび太とドラえもんはスネ夫を抜いてゴールするがブレーキのやり方を知らなかったのび太は勢い余ってジャイアンを巻き込んでもう一周走った末にぶっとばしてしまい、スネ夫から「インチキだ、汚いぞ!それドラえもんの道具だろ!!」とひみつ道具を使用したインチキを咎められ(余裕こいて真面目に走らなかったスネ夫は人のことは言えないが)、怒り心頭なジャイアンも道具を出したドラえもん諸共2人を血祭りにあげようとする。
しかしながら一部始終を見ていた静香が「待って、乱暴は良くないわ」と仲裁に入りとりあえず2人は命拾いする。
そこで「チームを強化するにはちゃんとしたリーダーが必要」という考えから先ほどドラえもんが出した道具で町内一周のモトクロスレースを行い、キャプテンを決める事を提案。
ドラえもんは全員分の人間モトクロスセットを用意し、準備は完了。静香を審判としてレースはスタートする。
スタート時点で1位ジャイアン、2位スネ夫、3位ドラえもん、4位安雄、5位はる夫と続き案の定のび太はビリであった。
コースは裏山から神社の階段下りへ突入。着々と進んでいくが階段下りの時点で運転ミスをしたはる夫が安雄を巻き込む形で階段から転げ落ちてしまい、揃って2名がリタイア。これによりのび太はとりあえず4位に浮上する。
コースは街の商店街へ。ドラえもんは3位であったがどら焼き半額セールを目の当たりにしてレースをそっちのけでどら焼きを購入するために自らリタイア。なんとも欲望に忠実な青狸であった。これによりジャイアンとスネ夫がトップ争いを行いのび太は3位に浮上する。
「粘っても無駄だぜ!キャプテンの座は俺のもんだ!うわーはっはっはっはーっ!」
ジャイアンは早くも勝利を確信するが、油断したために剛田雑貨店に不注意で突っ込んでしまい、更には母ちゃんが咄嗟にハンドルを弄ったために店は大惨事に。コースアウトして足止めをくらうことに。こうしてスネ夫は1位に、のび太に2位に浮上する。
「僕は1位だ。…うう、思えば物心付いた時からいつもアイツ(ジャイアン)の言いなりだった…!だが、今日で終わりだ!!僕はキャプテンだ、あーはっはっはっはー!!ママ、僕はやるよ」
独走状態のスネ夫もまた油断から勝利を確信していた。
その頃、骨川家には先生が抜き打ちで家庭訪問に来ていた。先生によればスネ夫の算数の成績が下がり気味なことを相談に来た様子。しかしスネ夫のママは体裁のために「スネちゃまは塾に出かけている」と咄嗟に誤魔化そうとするも、その場に遊んでいる真っ最中なスネ夫ご本人が通りかかってしまう。
先生への面目が台無しなスネ夫のママは咄嗟にスネ夫のハンドルを弄って先生も巻き添えを喰らう形で大惨事。スネ夫もリタイアとなった。
そこへ自動的にトップに浮上したのび太が通りかかり、自分以外の大半がリタイアしたとも知らずに呟く。
「みんなどこまで行っちゃったのかな〜」
だが、コースアウトしたはずのジャイアンが執念で(頭に鍋を被せた状態で)のび太に追いついてくる。
最後の河原へのジャンプでのび太に勝負を仕掛け、空中でのび太を蹴落としたジャイアンは勝利を確信したが、のび太は運良く通りかかった船のマットでトランポリンのごとく跳ね返り、その勢いで逆にジャイアンに頭から激突にジャイアンは川に転落。レースはのび太の優勝となる。
優勝したのび太はチームを引っ張っていく決意をするが、
「さっそく引っ張ってくれ!」
「うん、いいよ!え?」
「さっきのレースで俺は疲れた。家まで引っ張ってってくれ!頼むぜキャプテン!!」
「やだーっ!キャプテンやめるーっ!!」
ジャイアンの無茶振りにたまらず、結局キャプテンの座は投げ出すのび太であった。…どちらにしてものび太にキャプテンは務まらなかった気もするが。
…更によくよく考えると最後の河原ジャンプのシーン、のび太は既にジャンプできる体力は残ってない上に走るスピードも遅かったため、ジャイアンはのび太を無視して単独で勢いよくジャンプしていれば優勝できていたのではないか?というツッコミどころがあったりする。