概要
上野国鴻の平の住人で、後北条氏の家臣だった千葉采女の娘。
上杉謙信のが45歳のころ、伊勢姫と対面した謙信は彼女の美しさに魅せられる。その一方で伊勢姫も自身を気にかけてくれる謙信に気を許すようになっていき、二人は惹かれ合うようになる。
謙信は彼女を側に置こうと試みるが、重臣の柿崎景家が『敵将の娘を娶るのは傾国の元』と、他の重臣とともに強く反対し、止むなく断念する(後に謙信が景家を誅殺したのは、この恨みがあったともいわれる)。
謙信と夫婦になれないことを嘆いた伊勢姫は青龍寺で出家し、17歳の若さで尼となってしまう。
反対派の柿崎景家死後、謙信の側近である甘粕近江守が、伊勢姫を還俗させて思いをとげさせようとするが、既に彼女は心痛のあまり病死した後だった。享年19。
伊勢姫の悲恋は謙信に関する代表的な恋愛エピソードの一つだが、彼女の名は軍記物『松憐夜話』にしか登場せず、正確な資料が無いため、実在したかはかなり怪しい。
戦国大戦において
『戦国大戦』では同じく恋愛エピソードのある絶姫共々カード化している。
イラストに使われている漢字は「燐」(位置は着物の袂)。
行動的な絶姫とは対照的に、相手の無事を祈る穏やかな女性として描かれている。
台詞回りも、『もう会えないの……?』(撤退時)『会いたかったです』(復活時)など、やはり恋慕ったとされる謙信を意識した台詞が多い。
スペックは、コスト1 武力1/統率4の弓足軽で、特技は「魅力」。
彼女の持ち計略「悲恋の結末」は、自身を犠牲にして最も武力の高い味方の統率力を強化するもので、同ゲーム最高武力を誇る謙信との組み合わせを意識したデザインとなっている。
伊勢姫の想いを遂げさせようとした甘粕景持とも相性が良い(自身を撤退させる≒敵との部隊差を自分から離せる)が、自身と謙信を引き裂いた柿崎景家とも相性が良い(統率を引き上げて、効果時間を延ばす)という何とも皮肉な仕様になっている。
『私の想い
あの方に届きますように‥‥‥』