概要
漫画「鬼滅の刃」の登場人物。
※以下、アニメ未放映分のネタバレを含む為、原作未読者注意
過去の回想場面のみの登場で本名は不明。
小芭内と似た面差しと長い黒髪を持つ少女。
女ばかり生まれる一族の1人であり、彼女をはじめとする一族は屋敷に住みつく蛇鬼から与えられる(他人を殺して手に入れた)金品と引き換えに自分達が生んだ赤ん坊を生贄(蛇鬼の食料)として差し出していた。
三百七十年ぶりに産まれた男児であった小芭内は物心ついた頃から蛇鬼のお気に入りとして座敷牢に幽閉されていたが、12歳の時に座敷牢から脱走したことで、従姉妹を除く一族が八つ当たりという形で蛇鬼に皆殺しにされた。
その後、蛇鬼を討伐した当時の炎柱に小芭内共々救出され、小芭内と再会したのだが……
あんたのせいよ!
あんたが逃げたせいで皆殺されたのよ!! 五十人死んだわ あんたが殺したのよ!
生贄のくせに!! 大人しく喰われてりゃ良かったのに!!
金品欲しさに自分達の子供を鬼に差し出した一族の所業を棚に上げて上記の罵倒で小芭内に責任転嫁し、彼に深いトラウマを植えつけた(その罵倒をした直後に炎柱によってその場から引き離されている)。
前述の場面を最後にフェードアウトしたため、原作のみでは従姉妹のその後は不明であるが、公式ファンブック鬼殺隊見聞録・弐にてその後が記されており、小芭内も気にして調べ上げたところ、彼女は残された財産で悠々自適に暮らし、結婚して子宝にも恵まれ幸せな人生を送っていた。その事実に、小芭内は生き延びたからには幸せを得る権利はあると思いつつも、そんな彼女の強かさに羨ましさを感じつつも恐ろしさも覚えていた。結果論だが、余計な身内に財産を食い潰されず、子宝も蛇鬼に捧げずに済み、ほぼ最適なタイミングで蛇鬼は排除されたことになる。
結論から言えば、勧善懲悪のフィクションにありがちな「弱い立場を悪用する人間のクズ」という役回りであり、遊郭編の侍や剣道道場の門下生と同様に心が鬼同然の人間と呼べる。
ただ、その一方で彼女自身にどこまで責任があるか分からない上に、性格が歪んでもおかしくない環境で育てられてたことや、身寄りが無い上に財産に頼るしか無かったことを指摘する声もあり、無惨の言う「日銭があるから運が良かったと思って静かに暮らした人間」と言える。伊黒の方もそのことを理解していたのか、恨んではいなかった。また、遊郭編の侍や剣道道場の門下生と違い恐るべき鬼を生み出すきっかけになっていないだけ、まだマシである。
それはそれとして、「財産がどのようにして蓄えられたものであるか、自分たちの血筋のことなど、何もなかったかのように惨劇の起きた座敷で贅沢をし続ける」のもどうかと思うが…。
もっとも本作では過去の行いによって後に因果応報の末路を迎える事も多いため小芭内が調べ上げた後も彼女は晩年まで幸せな人生を維持していたかどうかは定かではないが(幾星霜を煌めく命で転生した伊黒は出てきても、彼の子孫らしき人物は出てこなかったことから、晩年まで幸福な人生は歩めなかった可能性もある)。
関連タグ
魘夢配下:同じく鬼に魂を売った人間達であるが、一部の者はのちに改心していた。
沙代:同じく過去の回想場面で結果的にのちの柱である人物の心に深い傷を残した人物であるが、こちらは悲しいすれ違いによるものであり、のちに罪悪感に苛まれて後悔していた模様。