概要
女神の血を引く一族出身の、かつて巫女姫を務めていた姫君。作中では、22年前の事故で亡くなったとされ、クルシェード教の祭典が延期され続けていた原因となっていた。年の離れた妹がいたが病弱で巫女姫を務めることができず、10年前に亡くなっている。
彼女と妹が亡くなったことで、嫡流の巫女姫の血筋は男性のみになっているという。
そのため、祭典を再開するに当たり、ジョーナル公爵の娘であるミリアが巫女姫の代理を務めることとなった。
人物
容姿
巫女姫の一族にはある特徴があるというが…。
能力
シュナイダー司教によると、クルシェード語に長けており、後にも先にも彼女ほどの人物はいないらしい。
関連タグ
以下作中の根幹に関わるネタバレ注意。閲覧は自己責任でお願いします。
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息子の婚約者「あなたのお母さまの髪色は?」
息子「――……菫の花のような、淡い紫」
真相
経緯
実は、22年前に事故で死んだのでは無く、しばらく生存していた。
その背景には、ガルクハイン国がドマナ聖王国に侵略する代わりに結んだ条約が背景にある。当時の大司教により、ガルクハイン国皇帝に人質として差し出された。存在を隠されて、皇城にある北の塔に住んでいたという。女神の壁画の前で、リーシェが「女神の血筋の女性を娶ることはガルクハイン国の大きな力になるのではないか」とアルノルトに話しているが、実際過去に行われていたことになる。
彼女と皇帝との間に生まれた子供こそ、アルノルト・ハインである。その為、アルノルトは父親から「お前には高貴な血が流れている」と言われ続けてきた。尚、ミリアは彼女にとって姪にあたる。
容姿
巫女姫の一族の特徴である、淡い紫色の髪を持っていた。また、顔は息子であるアルノルトに似ていたらしい。加えて、急性期の治癒能力が高く、後述のアルノルトの行動に繋がっている。(ミリアが活発に動き回るにもかかわらず、傷や痣が少ないのはこのため。)
息子との関係と最期
息子のアルノルトによると、虚ろな人形のようで、彼を見るたびに取り乱していたという。まともな会話をしたこともなく、視線が合ったのも数える程度だったとのこと。
最期の日はアルノルトによって語られている。彼女は、皇帝に呼ばれた後で、血まみれで戻ってきたアルノルトの姿を見て動揺した。一見冷静に穏やかな様子で歩み寄ってきたが、アルノルトが腰に帯びた剣に目を向けた。次の瞬間、彼が生まれたことを呪う言葉を口にして首筋に刃を突き立て、自らの喉を貫いた。この時につけられたのがアルノルトの首筋に残る「古傷」である。また、治癒力の高さ故死にきれず苦しんだが、アルノルトにより殺害されている。
このような経緯から、アルノルトが結婚に後ろ向きだった要因の一つだと考えられている。