概説
地蔵菩薩像の建立形態のひとつ。
六尊の地蔵菩薩像を横一列に配して、道端や寺社の境内、共同墓地の前に供養する。
それぞれが六道に対応しており、天道・人間道・阿修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道に対して以下の通りに対応しているとされる。
天 | 人 | 修羅 | 畜生 | 餓鬼 | 地獄 |
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檀陀(だんだ) | 宝珠 | 宝印 | 持地 | 除蓋障(じょがいしょう) | 日光 |
金剛願 | 金剛宝 | 金剛悲 | 金剛幢 | 放光王 | 預天賀 |
※いずれも末尾に「地蔵」と付く。
像はそれぞれ合掌するか、錫杖・蓮華・香炉・幡(はた)・数珠・宝珠のいずれかを持っている。
ただ宗旨や経典によって上表通りに対応していない例も多々あり、正解があるとは言えない状況である。
なお合掌する地蔵菩薩は、ほぼ左右どちらから数えて5番目の位置にある。
これは人間道の地蔵菩薩であり、この像が合掌の様相なのは人間道が最も悟りに近い(修羅以下では欲に振り回され、天では気位が高すぎて、それぞれ仏の教えに気づきにくい)ことを意味する、という説もある。
また、この六尊は人間が死を迎えた際にその魂をあの世への迎えにやってくるという伝承もある。