概要
生の餃子を円盤状に並べ、フライパンに油を引いて一気に焼き上げる豪快な餃子。福島市民に親しまれていた味であり、近年は御当地グルメとしても知られるようになっているが、加盟店の多くは創業数十年以上の老舗である。
真ん中にモヤシをのせると浜松餃子になるが、こっちは真ん中にも餃子をドーンと詰めて焼きあげる。このような焼き方が広まったのは、引揚者でもあった先代創案者が、ガスコンロもなかった時代、屋台の店先で七輪を使ってたくさん焼きたかったから円盤状にぎっしり並べたのが始まり。また、油少なめであっさり味の浜松餃子に対し、皮が引っ付かないように油を多めに使って揚げ餃子風に焼く特徴がある。
この円盤餃子であるが、観光客向けのランチタイムにはごはん、味噌汁とのセットを置く店もあるものの、基本は単品(+ビールなどの酒類)である。というのも、この円盤餃子は他の御当地餃子より皮を厚めに作っており、それこそ中国の主食として発展した餃子にほど近いスタイルを踏襲しているからである。焼き方も満州の屋台で見た、鍋貼(なべはり)という翌朝に余った餃子を食べるスタイルにちなんでいる。
一人前で1皿分はあるが、一つ一つが小ぶりなのですんなりと腹に収まる。具材はシンプルで白菜をメインに、豚肉に店独自の野菜や薬味が入る(また、現地では山東菜を使っていたのだが、福島では山東菜が手に入らなかったので白菜で代用するようになった)。
B級グルメ、御当地グルメのブームを受け2003年よりふくしま餃子の会が命名。後の登録商標にもなり文化庁の100年フードにも選定された。