概要
親の場合は配牌時、子の場合は第1ツモ時に手牌に対子1組以外の対子、塔子、順子、刻子が一切存在しない牌姿である場合に十三不塔を宣言し、倒牌することで成立する役。役満。
塔子というのは要するに後1枚有効牌が来ると順子になる2枚の組合せのことである。要するに連番、或いは一つ飛びの同種数牌の組合せを塔子と呼ぶ。配牌が悪いと言われることは往々にしてよく見掛けられることであろうが、流石に一つの塔子も存在しない程の状況になることは極めて稀である。
尚、この記事の前の版で書かれていたが九種九牌の条件を満たす必要性は無い。塔子が一つも無い時点で数牌は最大でも9種(10枚)であるから残る4種類は字牌であるはずであり同種数牌が3枚ある場合、2,5,8の組合せ以外は必ず1,9が絡む為、九種九牌になる可能性は十分あるために起こる誤解であろう。
天和と比べると理論的に出る確率は高いとはいえ、やはり出にくいのは間違いない。
尚、余談ではあるが、国士無双の形は十三不塔の特殊形と言えなくもない。
如かしながら、ローカルルールであり、殆どの場合は採用されない。この役の性質上「倒牌をする時点で」成立するため、不採用なのに倒牌してしまった場合は、九種九牌の条件を満たしている場合ならば九種九牌流局として認められるかもしれないが、満たしていなければチョンボ(和了の形ではないのに倒牌)であり罰点を取られることになるので注意(因みに高機能型電子ゲームソフトは九種九牌での流局として機能する事に対し、此方は和了り役として機能する物も存在する)。
Mリーグでは未採用だが、ここまでに2件の登場事例がある(2018-19シーズンに近藤誠一プロ(セガサミーフェニックス)が、2022-23シーズンに勝又健志プロ(EX風林火山)が条件を満たした)。
関連役
十三不塔の条件は「対子1組(即ち雀頭)以外に一切の対子、塔子、順子、刻子が存在しないこと」であるが、関連役として以下の役が存在する。もちろん、どれも十三不塔以上に採用されるケースは稀である。
十三無靠
シーサンウーシーと読む。十三不塔と殆ど同条件だが雀頭すら存在しない状況である必要がある。十四不塔と呼ばれる事もある。
こちらも難易度そのものは十三不塔に劣らないほど高い。古くは子の場合に配牌時に13牌が全て塔子状態でさえなければ(13枚で十三無靠の条件を満たしていれば)その時点で十三無靠を宣言出来たが、この場合親が不利になるという不公平感があったため、子も第1ツモを必要とするようになった。
七星無靠
チーシンウーシーと読む。十三不塔と十三無靠については天和や地和同様に配牌、第1ツモ時に成立する役であるが、こちらについては国士無双同様に手を進めることで成立させる役。役満。
全ての字牌を1枚ずつ集めた上でAの数牌で1,4,7、Bの数牌で2,5,8、Cの数牌で3,6,9の9種類の数牌の中から7種類を集めた状態で和了形となる。ロンも可能。A,B,Cは自身で好きに決められるがそれぞれ別個でなければならない。例えば索子で1,4,7のいずれかを所持していれば残る2,3,5,6,8,9は萬子か筒子でなければならない。また雀頭はあってはいけない。
こちらの場合は国士無双同様に単騎待ちではあるが、最後1枚の和了が可能となる待ちがあり得る。字牌が7枚揃っている場合は数牌の中で3種類を待つことができる。一方で字牌が不足している場合は字牌の単騎待ちとなる。
22面待ち
十三不塔及び、十三無靠が採用されている場合には国士無双の十三面待ちを超える二十二面待ちが理論上有り得る。
例えば配牌で国士無双十三面待ちの状況を考えると全てのヤオ九牌が当たり牌になるが、十三無靠を考えると、それぞれの4,5,6の数牌を第1ツモでツモることで十三無靠が成立する。この時、13+9で二十二面待ちとなる。
解説動画
余談
- 東方幻想麻雀の鍵山雛の能力は「点数減少者の配牌に厄が降り注ぐ」というものであるが、これは具体的には十三不塔のような牌姿となると思えば良い。もちろん東方幻想麻雀では十三不塔は採用されていないので有利になることは無い。
- プロレスラー菅原拓也は自身のフィニッシュ技に「十三不塔」と名付けている。