南の勇者は知っていた。
世界が救われることを。
その時、自分がいないことを。
「道は必ずこの私が切り開く。人類最強であるこの南の勇者が。」
概要
かつて人類最強の勇者と称された勇者の一人。未来視の魔法を使うことができる。
当初は「人類最強の南の勇者も七崩賢に殺された」と語られる程度の扱いだったが、大陸北部の一部ではヒンメル以上の人気を持つ地域が存在する。
人物像
外見は整えられた髭と髪型をしたダンディな男性であり、過去に旅をする前のフリーレンを勧誘したことがある。
しかし、未来を見通す魔法によりフリーレンが仲間にならないことを把握しており、そしていずれヒンメルが世界を救うことを見通していた。
フリーレンがヒンメルと出会うこと、そしてその出会いが彼女の人生を大きく変える事すらも見通しており、「いつか君と巡り合うであろう勇者に南の勇者が必ず道を切り開くと伝えてくれ」と言い残して別れた。
彼の活躍によって救われた人々は多く、ヒンメルの冒険が終わって80年たった今も彼が活躍した大陸北部の諸国では多くの人々にその活躍を地域によってはヒンメル以上に語り継がれている。
余談
存在自体はアイゼンが序盤で語っていたが、この時は詳細が分からず、悪くて噛ませポジションと思っていた読者も多かった模様。
ネタバレ
人類最強というのは誇張でも何でも無く、生前はたった一年で魔王軍の前線部隊を壊滅させて前線を押し戻し、単身で魔王軍の補給経路の心臓部まで到達。
そこで魔王の側近で同じく未来視が可能な全知のシュラハトと、黄金郷のマハトを含めた七崩賢と戦いシュラハトと七崩賢の三名を道連れにしたという、人類最強の肩書に相応しい圧倒的な戦闘力を誇る大英雄だったという(見返すとアイゼンは「七崩賢の誰にやられたか」は言っていない)。
また上記の未来視の力で七崩賢達との戦いで自分が命を落とす事を知ったうえでなお人類の未来の為に臆することなく戦いに臨む等、精神面でも勇者の名に恥じない人物であった。
しかし、肝心の戦闘シーンは参戦したマハトの記憶がシュラハトとグラオザームによって消去されているため、実際の戦いや最期がどうのようなものだったかは未だに謎が多い(南の勇者自身はシュラハトと刺し違えるとも七崩賢を3名道連れにするとも言っていない)。
判明しているだけでも七崩賢は、
- 魔力で下回った相手を完全な支配下に置く断頭台のアウラ
- 防御も回避も不可能な黄金化の呪いを操る黄金郷のマハト
- 記憶すら操作し、現実と区別のつかない幻覚に陥れる奇跡のグラオザーム
- 一時はフリーレンも解除は不可能と諦めるほどの結界を生み出す不死なるベーゼ
と、いずれも対抗手段がなければ一撃必殺に等しい魔法の使い手揃い。
どうやってこれらの魔法に対処したのかだけでも大きな謎である。
シュラハトによると南の勇者との戦いは魔族にとってターニングポイントだったらしく、少なくともフリーレンに知られてはいけない重大な出来事があったと思われる。
その圧倒的な強さと気高い心から読者の支持を集めた為か、本人の出番は1話しかなかったにもかかわらず公式人気投票では8位という好成績を残している。