古杣(ふるそま)は、四国に伝わる怪音現象。音のみの妖怪とされることもある。また、同様の怪異が日本各地に伝承されている。
木こりたちが仕事を終えて山を降りた後、夜中に山の方から「カーン、カーン」と木を切るような音や木を挽く音が聞こえ、やがて「バリバリバリッ」「ドーン」と大木の倒れる音がする。これを聞いた人々は、なぜこんな夜に木を切るのかと奇異に思い、夜が明けてから山に入り、音の響いた辺りへ行って見るが、木を切った跡も倒れた木もどこにもない、というものである。
名称の「杣」には木こりという意味があり、土佐の言い伝えでは、倒れてきた大木の下敷きになって死んだ木こりの亡霊、または山神の仕業といわれている。
また、高知県の長岡郡では夜間だけではなく、木の倒れる音の前に「行くぞー、行くぞー」という声が響くとされ、室戸市では音だけではなく何者かが山小屋を揺すったりするともいう。
同様の怪異として天狗倒しというものがある。