地球温暖化の逆で、地球全体の気温が低下する現象のことである。原因は複数あると考えられているが、その1つに「火山の大噴火」がある。
火山噴火がもたらす寒冷化
世界のどこかで火山が大爆発を起こすと、噴煙や火山灰が成層圏に達してエアロゾルとなり、日射が遮られるため世界中の気温が低下する。こうした現象を「火山の冬」と呼ぶ。
1783年にはアイスランドのラキ火山や日本の浅間山など世界各地で大噴火が相次いだため、世界中の気温が低下し、日本では天明の大飢饉が深刻化したほか、後にヨーロッパでフランス革命が発生する要因にもなったといわれている。
1815年にインドネシアのタンボラ火山がVEI7の巨大噴火(有史以降世界最大級の噴火とされる)を起こした際には、翌1816年に地球全体の気温が極度に低下し、欧米など北半球を中心に顕著な異常気象が見られたことから「夏のない年」と呼ばれた。
火山の噴火は、火山があるその地域だけの災害にとどまらず、地球規模の気候にも影響を与え得る、極めて恐ろしい災害なのである。
1970年代には一部メディアで地球寒冷化の予測が報じられたが、それから50年経過した2020年現在では、人間活動による温室効果ガスの急激な増加により、寒冷化ではなく温暖化が進行している(参考リンク)。また、今後数十年以内に到来するという「ミニ氷河期」説についても科学的証拠に欠けている(参考リンク)。