変面、それは一子相伝の技巧
中国四川省の伝統芸能「川劇(せんげき)」での役者が劇で舞踊しながら次々と「仮面」を瞬時に変える技巧であり、中国の国家機密とまでいわれている程の秘技。
変面を巧みにこなす役者は「変面師」と呼ばれる。この技巧は一子相伝でのみ師から弟子に伝えられる。ちなみに「変面」は日本での呼び方であり正式には「変臉(へんれん)」と呼ばれる。
1人~複数人で行われる。
扇や衣装の袖で顔を隠した瞬間等、顔を隠した隙に別の仮面に変わる摩訶不思議な技は一目見てもどうやっているのかはわからない(かなりの早業で瞬く間もなく変化する)。ただ、使われる仮面は布製である事はわかっているが、複数の仮面をどこに忍ばせどう付けているかは秘密に包まれている。
また、衣装も瞬時に変化する技も披露する事もある。
喜怒哀楽を表した色彩豊かなものからパンダだったり女性の仮面などを巧みに変化させ、クライマックスは変面師の素顔を顕にしてフィナーレを迎える。あくまでこれは変面のバリエーションの一つであり、実際は演者によってパターンは様々である。
日本でも各地の中華街でも春節等の行事の折に披露される事が多く、新地中華街がある長崎県長崎市に若き女流変面師である潘彩華がデビューした。
彼女は父が中国人、母が日本人のハーフであり、変面師に魅了され四川省に渡り最初の一週間だけ変面の指導を受けたが、その後は「変臉の神様」と呼ばれる変面師の動画を見るなど独学の修行を積んで変面師として活躍している。
関連動画
変面の舞踊楽曲の定番であり、曲名も「変臉」。変面の素晴らしさを讃える歌詞となっている。
女流変面師・潘彩華による変面。